アスベストレベル3の外壁塗膜除去作業の一部始終【解体業者が解説】|東京・埼玉、解体のことなら 株式会社リプロ

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職長ブログ

2022/04/21

アスベストレベル3の外壁塗膜除去作業の一部始終【解体業者が解説】

アスベストレベル3の外壁塗膜除去作業の一部始終【解体業者が解説】

<解体業者が教える3つのポイント>
・アスベストレベル3の塗膜除去の流れを解説
・解体業者が除去に当たってどこにこだわっているかがわかる
・実際の除去作業を画像付きで解説

目次

1 アスベストの事前調査の報告が必須に(2022年4月より)

 1.1 どこにアスベストは使われているのか

 1.2 アスベストの事前調査の報告対象となる工事

 1.3 解体業者への義務

 1.4 発注者様への義務

 1.5 アスベスト事前調査には資格が必要に(2023年10月より)

2 アスベストの外壁塗膜剥がし作業

 2.1 事前清掃

 2.2 作業スペースのプラスチックシート養生

 2.3 剝離剤の塗布

 2.4 除去作業

 2.5 一時保管

 2.6 飛散防止剤の散布

 2.7 養生撤去

 2.8 最終清掃

 2.9 特別管理産業廃棄物として運搬処分

3 まとめ

アスベストの事前調査の報告が必須に(2022年4月より)

建物の解体作業には、アスベスト除去作業が発生することがあります。

アスベストは、1960-90年代に建てられた建物には様々な建材に使用されていました。2021年現在、解体されるような古い建物には、少量でも基本的に何かしらの建材には使われていることが多いかもしれません。

古い建物を解体をする際には、必ずアスベストの有無を確認する必要が出てきますので、こちらのブログを参考にしていただけるといいかと思います。

どこにアスベストは使われているのか

住宅で多いのは、、、

屋根材
外壁材
内装材
外壁塗膜(RC造の場合)
鉄骨吹きつけ(鉄骨造の場合)

屋根材、外壁材、内装材の場合、ほとんどがレベル3扱いになります。これらは、処分に当たって工事金額も数%~15%上乗せくらいの金額で済むことが多いです。

今回のケースは、住宅でもRC造だったため、外壁のRCの塗膜として、レベル3のアスベストが含有された建材が含まれていました。この場合、丁寧な除去工事となるため、かなり工事金額に影響があり得ます。

工場やビルなどでは配管やダクトにはアスベストのレベル2、鉄骨造では吹きつけとしてレベル1が使われています。こちらは、さらに大掛かりな撤去作業が必要になります。

鉄骨造では、大型施設だけはなく、住宅の場合でも鉄骨へのアスベスト吹きつけもあり得ます。この場合、解体費用よりもレベル1のアスベスト除去費用の方が高くなるほど工事金額に大きな影響がございますので、十分注意してください。

アスベストの外壁・屋根材の除こ方法や費用について、アスベスト含有建材については、下記にブログをご覧ください。

アスベストレベル3の住宅外壁・屋根・内装材の除去方法の紹介と除去費用について【解体業者が解説】

アスベスト含有建材の事例紹介【木造住宅解体のケース】

アスベストの事前調査の報告対象となる工事

① 解体部分の延床面積が80㎡以上の建築物の解体工事
② 請負金額が税込100万円以上の建築物の改修工事
③ 請負金額が税込100万円以上の特定の工作物の解体または改修工事

(引用:石綿総合情報ポータル)

令和4年の法改正により、上記の工事に場合、アスベストの事前調査の報告が必須になりました。

ですので、これまで必要がなかった木造住宅など小さな解体工事でも、発注者様がアスベストの含有状況を把握する必要が出てきました。

解体業者への義務

事前調査結果を発注者へ書面で説明
事前調査結果を解体工事の場所に掲示
事前調査結果の「記録の作成」、3年間の保存(2022年4月より追加)
事前調査結果の「報告」を義務化(2022年4月より追加)

(引用:石綿総合情報ポータル)

2022年4月より、上記の内容が追加されています。

報告対象の工事であるにもかかわらず、解体を予定する業者がしっかりとした対応を行なっているかどうか、これからは十分に注意をする必要が出てきました。

含有されるアスベストの内容によっては、工事金額、日数に大きく影響が出てきています。

発注者様への義務

(ア) 当該調査に要する費用を適正に負担すること。
(イ) 当該調査に関し必要な措置を講ずることにより、当該調査に協力すること。

(引用:石綿総合情報ポータル)

アスベストが含まれる解体工事の発注者は、この事前調査について、費用を適正に負担することと調査に協力することが義務とされています。

アスベスト事前調査には資格が必要に(2023年10月より)

2023年10月の法改正により、有資格者でなければアスベストの事前調査は行えなくなりました。

石綿含有建材調査者または、(一社)日本アスベスト調査診断協会に登録されている方が資格者となります。

ですので、もし解体をお願いしようとしている業者さんがこの資格を保有しているかどうかを調べてみてください。

それでは、実際に、解体業者がどのような工程で塗膜のアスベストレベル3を除去しているのか、解説していきたいと思います。


実際のアスベスト塗膜除去作業の内容を詳しく知りたい方は、こちらのブログをご参考ください。

アスベストレベル3外壁塗膜除去を含む鉄筋コンクリート(RC)造の解体費用【見積り費用を項目別に解説】

アスベストの外壁塗膜剥がし作業

外壁塗膜の石綿含有分析調査の結果、クリソタイルを1%含有しているとのことでした。

令和2年からの法改正により、石綿含有吹付けパーライト及び石綿含有吹付けバーミキュライト(ひる石)を除き、石綿含有仕上塗材はレベル3扱いとなりました。

上記2種を除く、外壁の仕上げ塗膜の基本的な除去の流れは下記のようになります。

事前清掃

まずは、作業場の事前清掃を行います。


 

作業スペースのプラスチックシート養生

事前清掃が終わったら、作業床(足場上等)と壁面(建物ガラス面・防音パネル面等)をプラスチックシートで養生します。

撤去した石綿含有塗膜が飛散してしまわないように、養生の中に落ちるようにします。

レベル3建材扱いなので、隔離養生まで行う必要はありません。但し、グラインダー等の電動工具を用いて撤去する場合は隔離の必要性がでてくる可能性があり、注意が必要です。

このあたりもアスベストの除去作業の正しい知識がないと、知らずのうちに発注者様の土地、または隣地にお住まいの方にまでアスベストが飛散してしまうなんてこともあり得ます。

そうならないように、きっちり養生します。

作業員の出入り口も外に飛散することがないように、きっちり養生を行います。

剝離剤の塗布

養生が完了したら、塗膜にローラーで剥離剤を塗っていきます。

塗膜のアスベストの場合は除去するに当たって、画像のように防護服と防護マスクが必要になってきます。この時は、塗布後に揮発(乾燥)防止養生も行いました。

剥離剤が効いて塗膜が浮いてきた箇所から順次撤去していきます。塗膜アスベストの除去はいきなり解体の工具で壊していくわけではないのです。

除去作業

手工具のスクレーパーや金ブラシで除去します。

飛散を最小限に抑えつつ、外には絶対に飛散することがないように、きっちり施工していきます。除去した石綿含有塗膜は、特別管理産業廃棄物の廃石綿として処分します。

一時保管

場内で一時的に保管した後、搬出します。屋外に保管して飛散するなんてことがないように、必ず場内で保管します。

飛散防止剤の散布

塗膜を除去した面(外壁部)と養生面に飛散防止剤を散布します。

養生の中のものが外に出ないように、内側に丸め込みながら養生を撤去します。ちょっとした気遣いができるかが、アスベストの除去作業ではとても大事になります。

撤去した養生も廃石綿として処分します。

養生撤去

作業場を最終清掃して除去作業は完了です。

最終清掃

現場に除去したアスベストが残っているなんてことがないように、最後まで気は抜けません。廃石綿を特別管理産業廃棄物の収集運搬車両へ積込んで運搬してもらいます。

特別管理産業廃棄物として運搬処分

最終処分場への直送便です。

まとめ

いかがでしょうか?

今回はRC造のアスベスト除去の作業内容について解説させていただきました。

アスベストは2022年4月に法改正もあり、解体業者がどういった対応をするのかが問われています。

お見積り時点で、事前にアスベストの施工計画をしっかり説明してくれる解体業者に発注することをお勧めします。

「建物を壊して更地になってしまえば、どこに頼んでも同じ。」

そんなことはありません。

費用の比較ばかりで解体業者を選ぶと、こんなところで痛い目に合ったりします。

お客様が本当に信頼できる一社を探してみてくださいね。

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アスベストのある建物の解体は、ぜひリプロにご相談いただけると幸いです。

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