倉庫の内装のスケルトン解体・原状回復工事の発注の流れと施工事例を紹介【解体業者が解説】
2025/06更新
<解体業者が教える3つのポイント>
・倉庫の内装解体ならではの特徴を解説
・後付けの造作・鉄骨撤去に注意すべき項目を解説
・実際の解体作業を画像付きで解説
目次
1.1 賃貸借契約書の確認(スケルトンなのか原状回復なのか)
2 内装解体の発注する業者を選ぶのに知っておいた方がいいこと
3 内装解体中に発生する可能性として知っておいた方がいいこと
事前に準備・確認しておいた方がいいこと
こんにちは!
もし、店舗やテナントの内装解体をすることになった場合、ほとんどの方が初めてのことなので、何を準備して、何に気をつければいいかわからないかと思います。
そんな気をつけるべきポイントを内装解体業者の目線から解説していきたいと思います!
賃貸借契約書の確認(スケルトンなのか原状回復なのか)
内装解体の場合、原状回復義務の範囲を明確にしておくことが非常に重要です。
どこまで解体が必要か、どこは残すべきか、賃貸借契約書や特約事項を細かく確認する、またはオーナーさんや管理会社と話し合って確認してみましょう。
スケルトン解体
「スケルトン」という躯体のみの状態に戻すことを言います。要は、内装は何も残っていないまっさらな状態にすることです。
解体業者目線ですと、お客様からのお問い合わせで、よく「スケルトン解体をお願いします」とご連絡をいただきます。
しかし、よくよく打ち合わせしてみると、実は残す箇所があったり、壊してほしくない箇所があったりすることはとても多いので、施工範囲の認識を合わせることは大事です。
居抜き状態での引き渡し
契約書に、次のテナントがそのまま使える「居抜き」の状態での引き渡しが可能かどうか、またはオーナーさんとの話し合いの中で確認してみてください。
この場合は、部分的な解体で済むケースや、什器の一部撤去で済むので、解体費用がとても抑えられる、またはそもそも内装解体業者に発注する必要がないケースも多いです。
特定の設備の残置
オーナーさんや管理会社の意向で、特定の設備(エアコン、排気ダクトの一部など)を残す必要があるのか確認してください。
テナントの返却では、借主側はスケルトンで返すという認識で、一方で、オーナーは次に入居するテナントのために、エアコンは残して欲しい、ここの棚は残してほしいなどあって、認識の不一致が起きやすいので、注意が必要です。
契約不適合
もし賃貸契約書の内容と異なる状態で引き渡してしまうと、オーナーさんから損害賠償や原状回復を請求される可能性がありますので、事前に契約書の内容をよく確認してください。
図面や設計図の有無
実際に、内装解体お見積もりを依頼する業者さんに、図面や設計図のコピーを渡せると、スムーズに進みます。
構造、設備(電気、ガス、水道、空調、換気など)、配管の位置を把握し、どこまで解体して良いか、残すべきものがあるかを確認します。特に、共有部分や躯体に関わる部分は慎重に判断が必要です。
A工事・B工事・C工事の区分
A工事
建物のオーナーさんが発注・費用負担する内装解体工事のことを言います。
B工事
テナントが希望し、オーナーが発注する工事で、費用はテナントが負担する工事のことを言います。
エアコンや防災設備など、ビル全体の設備に関わる部分が多いです。オーナーさん指定の内装業者になることもあり、テナントさんご自身で工事業者を探したり、相見積もりができないことが多いです。
C工事
テナントが発注・費用負担する工事のことです。
主に、内装の撤去などがこれに該当し、発注者が自由に業者を選べるのが一般的です。
ご自身が発注する内装の解体がどの工事区分に該当するかを契約書で確認し、オーナーや管理会社と認識をすり合わせましょう。
内装解体の発注する業者を選ぶのに知っておいた方がいいこと
内装の解体業者と言えど、マンションのリノベーションだけをやっている業者、飲食店をメインにやっている業者、事務所の原状回復をやっている業者など、得意・不得意が分かれることがあります。
例えば、飲食店の内装解体は、一般的内装の解体とは異なる専門知識が必要で、特に厨房設備の撤去や給排水・ガス配管の処理には専門性が求められます。また、繁華街での解体作業と搬出作業になることが多いので、周辺への細やかな気遣いができるかは大事になります。
できるだけ、実績が豊富で、ご自身が希望される業種の解体経験がある業者を選びましょう。
複数の業者からの相見積もり(立会い必須)
複数の業者から見積もりを取り、費用だけでなく、作業内容、工期、安全対策、産業廃棄物の処理方法なども比較検討しましょう。
必ず解体業者に現地調査に来てもらい、解体範囲、残置物、設備の状況などを一緒に確認しましょう。できれば、オーナーや管理会社も交えて三者で確認し、工事をする際には契約書など書面に残すとトラブルを避けられます。
見積り費用が安すぎる業者には注意すること
最近では、外国人の業者さんも増えてきていて、びっくりするような安い見積もり価格を提示する業者さんも中には出てきました。
その場合は、見積もりの内容を細かく聞いて、適切な産廃処理をするのか、適切な施工計画に基づいているのか確認してください。
あまりに見積りが安い場合は、短期での工事で、かなり荒い施工となってしまって、騒音、粉塵、水漏れなどで予期せぬ近隣トラブルに巻き込まれる可能性が高くなってしまいます。
また、見積もり担当は日本人でも、工事担当は全員外国人だと現場でトラブルが発生した際に、日本語でのコミュニケーションができないケースもありますので、ご注意ください。
許可と保険の確認
建設業許可(解体工事業)
解体工事を行うために必要な許可になります。依頼する業者が許可を持っているか確認してください。
産業廃棄物収集運搬業許可
解体で発生した産業廃棄物を適切に処理するために必要です。
これらの許認可がない業者は、不法投棄などのトラブルに繋がる可能性があるので避けるべきです。また、万が一、工事中に事故が発生した場合に備え、損害賠償保険に加入しているか確認しましょう。
内装解体中に発生する可能性で知っておいた方がいいこと
施工範囲の不一致から来る不必要な部分の解体
前述の通り、内装解体では、施工範囲の不一致から来るトラブルが最も多くなります。事前に、テナントさん、オーナーさん、解体業者の中で施工範囲を一致させてから工事を始めましょう。
近隣からのクレームの発生の可能性
解体工事は騒音や振動、粉塵を伴います。
事前に近隣住民へ工事期間、作業時間、内容について説明し、理解を得ておくことがトラブル防止に繋がります。挨拶文の作成や配布など、解体業者が実施するのか、ご確認ください。
クレームが発生することで工期が伸びる可能性
クレームが発生してしまうと、作業時間が限られてしまったり、作業できる工具が限定されてしまい、工期に遅れが発生することが考えられます。
期間には余裕を持って、工事の発注をするように、心がけてください。
それでは、内装解体で知っておきたい一般的な知識をここまでにして、ここからは実際に、リプロで解体を行なった事例で紹介していきたいと思います!
倉庫で気をつけたい内装解体の特徴
こんにちは!
リプロの躯体解体の職長です。
こちらは、HPからお問い合わせをいただいた足立区の倉庫内装の解体による原状回復工事のご依頼でした。
倉庫自体は鉄骨造で、中には1階部分にプレハブが設置され、2階部分に鉄骨造による事務所が設置されていました。
また、事務所の中には造作があったのでその撤去を行いました。
今回の解体おいて注目すべきポイントは、原状回復工事の撤去範囲の認識でした。
内装解体原状回復工事に置いて、撤去範囲にもし認識の不一致があった場合、どのような影響があるのか、解説していきたいと思います。
実際の解体費用の見積りは、下記のブログで公開していますので、ご興味ある方はご覧ください。
倉庫内装の原状回復解体工事の見積り公開【見積り費用を項目別に解説】
原状回復の範囲の認識の一致はより必要になる
内装の原状回復工事、スケルトン解体で最も気をつけたいのは、借主様とオーナー様、そして不動産屋さんそれぞれで撤去範囲の認識が合っているかどうかがとても大切になります。
よく内装でスケルトンという単語が出てきますが、本当のスケルトンは中に何もない状態を指します。
ですが、次に借りる方のことを考えると、エアコンは残した方がいいのか、とか壁の造作は残した方がいいのか、スケルトンとは言いつつも、実は残して欲しいものはあったりするのが内装の解体になります。
マンションのリノベーションなどとは異なり、倉庫の利用形態などに応じてそれぞれ残して欲しいものは異なってきますので、より正確な事前の確認は必要になってきます。
後付けの造作・鉄骨の撤去について
今回は、2階部分には鉄骨造による事務所の倉庫が後付けで設置されていました。
今回の原状回復工事では、この部分は撤去するとのことでしたので、こちらは撤去で進めさせていただきました。
また、事務所内の造作も撤去になるため、今回の倉庫の内装解体は鉄骨部分・造作の撤去がメインとなる工事になりました。
注意すべきポイントとして、このような鉄骨の撤去は、通常内装解体をメインで行う解体業者では対応ができない場合があることです。
倉庫内でしたので重機は使用はせずに、ユニック車というクレーン積載のトラックを使用して、鉄骨を手壊しで切断して吊りながら
降ろすという、躯体解体の少しテクニカルな技術が必要になってきます。
もし、倉庫の原状回復工事で躯体解体の技術が必要な場合は、内装解体業者ではなく、弊社のような総合解体業者にご依頼をいただけるとご対応できます。
残置物はできるだけ撤去した方が解体費用は安く済む
今回は、事務所で使用されていた備品や什器などの多くは事前に捨てていただいていたようで、残置物はそこまで多くはなかったため、解体材の搬出量は少なかった現場でした。
このような倉庫の原状回復では、倉庫内の残置物の量がどれだけあるかで、解体費用総額が50万円も100万円も変わってきてきしまう可能性があります。
弊社のような解体業者で捨てるゴミは、全て産業廃棄物になってしまうため、一般んゴミと比較して非常に高額になってしまいます。できる限り、事前に一般ゴミで捨てられることをおすすめしております。
倉庫の内装解体工事の流れ
残置物の撤去
まずは、倉庫内に残ったダンボールに入った備品などを産廃処理を行なっていきます。
倉庫内に産廃コンテナを入れるスペースがあったので、産廃の小運搬もマンションの内装解体などでは搬出路全てに養生しなければならないのと比較すると、とても簡単にすみました。
内装材撤去
続いて、プレハブ・事務所内の内装材を撤去していきます。
1階プレハブ・事務所の撤去
続いて、1階部分にあったプレハブ・事務所を解体していきます。
1階部分の内装がない状態になって、サンダー、セーバーソー、チェーンソーを使用しながら、職人の手壊しを進めていきます。
あらかた残置物や内装材などの解体は済んでいたので、プレハブ・事務所の解体は手壊し解体で、スムーズに進めることができました。
2階造作・鉄骨部分の撤去
2階の鉄骨部分は、真ん中にユニック車のクレーンで鉄骨を吊りがながら、サイドは脚立で手壊しで切断を行なって撤去を進めました。
このような鉄骨の切断は、通常マンションなどの内装解体をメインにやっていると、なかなかできる職人さんはいないので、内装の原状回復といえど、躯体解体の技術は必要になってきます。
完工
最後に、清掃を行なって完工となります。
倉庫内には、後付けの鉄骨部分もなくなり、現状回復工事を終わらせることができました。
倉庫の内装の原状回復解体工事はどこに依頼すればいいの?
倉庫の内装の原状回復解体工事の注意すべきポイントと、実際の解体の流れは掴めましたでしょうか?
最近は、弊社でもこのようなテクニカルな現場の解体のご依頼をいただくことが増えてきています。
倉庫の内装解体というだけで、気を遣う部分が通常の解体とは異なるポイントもいくつかございます。
住宅を解体するって、意外といろんなことに気を遣って工事をしているのがわかっていただけたかもしれません笑
お見積り時点で、事前に施工計画をしっかり説明してくれる解体業者に発注することをお勧めします。
「建物を壊して更地になってしまえば、どこに頼んでも同じ。」
そんなことはありません。
費用の比較ばかりで解体業者を選ぶと、こんなところで痛い目に合ったりします。
お客様が本当に信頼できる一社を探してみてくださいね。
【解体業者へ直接発注】解体費用を抑えながら高い施工技術を実現します
解体業界では、価格比較サイトがとても増えました。複数業者の相見積もりで価格を比較して、お客様に選んでもらうシステムです。
確かに、業者同士でお見積りを競い合わせれば、お客様のお支払いする解体費用は安くなると思います。
ただ、あまりに行き過ぎた価格競争によって、現在では本来必要とされる正しい施工計画で解体をなされない現場が増えてきている懸念を感じています。
価格比較サイトのデメリット
・価格比較サイトから解体業者に紹介料マージンが10~20%発生している
・一人親方や数人規模の業者が多いため、施工技術にムラがある場合がある
・解体費用は安くなる一方で価格競争になる分、施工管理が煩雑になる場合がある
総合解体業者へ直接発注のメリット
・価格比較サイトへの紹介マージンがかからない分、正しい施工計画を立てられる
・様々な現場を経験した職人による施工で安心した施工ができる
・鉄骨造やRC造の解体に必要な建機を自社保有するためレンタルのマージンをカット
解体業者へ直接発注で紹介料マージンを抑えながら、、、
騒音・粉塵など近隣への配慮が必要な現場
鉄骨造、RC造など専用の建機とアタッチメントが必要な現場
アスベストがあって規則に沿った対応をすべき現場
これらのご相談は特に、総合解体業者であるリプロなら、お客様も納得のいく解体施工をご提供できるかと思います。
解体は、ぜひリプロにご相談いただけると幸いです。
もし、お見積りのご依頼ございましたら、ぜひ弊社までご連絡いただけましたら幸いです!
<パートナー企業・協力会社様募集♪>
リプロでは、現在協業していただけるパートナー企業・協力会社様を募集しております。
工務店様、設計事務所様、不動産会社様、士業様など、お気軽にご連絡いただけますと幸いでございます。
<リプロの施工事例はこちらをご覧ください>
<リプロの解体の特徴はこちらをご覧ください>