空き家の解体で注意すべきポイントを事例で紹介【解体業者が解説】
<解体業者が教える3つのポイント>
・空き家の解体で注意すべきポイントをを解説
・作業の流れがわかるように解体事例で解説
・実際の解体作業を画像付きで解説
目次
1.1 空き家の解体は安全に解体作業ができる業者に発注しましょう
1.1.1 空き家になって長期間そのままにしてしまうと柱など構造が朽ちている可能性
空き家の解体の特徴
こんにちは!
リプロの躯体解体の職長です。
こちらは、HPからお問い合わせいただいた志木市の木造住宅の解体でした。
弊社で解体の依頼を受ける際に、最近は空き家の解体のご依頼が増えてきました。
空き家の解体は、通常の解体と違って、解体業者が気をつけているポイントがいくつかあります。
空き家の解体で注意すべきポイントを、解体業者の目線で解説していきます。
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空き家の解体は安全に解体作業ができる業者に発注しましょう
まずは、空き家の建物を解体していくにあたって、構造がどこまで支えられているかがとても重要になります。
住宅の解体の順序は、通常は養生をして屋根に人が登って人力で屋根材を撤去して、内装材を撤去して、躯体の解体に入っていきます。
空き家の場合は、構造として支えられているかわからない不安定な建物に、人が屋根を登って屋根材を撤去できるかもわかりません。また、もし隣地が狭く、建物が密集しているような空き家の解体で隣の建物に向かって倒壊してしまったなんてことにもなりかねません。
現場の建物の状況をよく見て、危険ではない作業手順を踏みながら、建物を解体していく必要があります。
最近は、外国人だけの解体業者でとても安く解体する業者も多く出てきましたが、空き家の解体は危険が伴うため、法令を遵守しながら、安全に作業を進めることができる解体業者に発注するのをおすすめしております。
空き家になって長期間そのままにしてしまうと柱など構造が朽ちている可能性
特に、木造の住宅で10年以上もそのままにしてしまった場合、柱や梁が湿気を吸って徐々に腐ってきてしまうことがあります。
今回解体をご依頼いただいた建物は建築からすでに60年以上が経過していて、基礎はなかったので地面の湿気をそのまま吸ってしまうこと、さらに壁は土壁だったので湿気にとても弱い環境にありました。
そのため、柱や梁は腐ってしまっており、解体作業中に無理な解体で進めていくと倒壊してしまう危険がありました。
このような場合は、作業ができる環境を見て、しっかり安全に解体作業の工程を組んでいく必要があります。
今回は、実際の解体の事例を見ながら、解説していきたいと思います。
空き家の解体工事の流れを実際の事例で紹介
植栽・外構の先行撤去と養生
それでは、実際の志木市の解体の流れをご紹介していきます。
まずは、養生をするにあたって、邪魔になってしまう植栽とフェンスは先行で撤去していきました。
ただ、今回の現場は解体作業中に砂煙が多くたちそうな環境だったので、養生するのに邪魔にならない植栽に関してはそのまま残して作業を行いました。
一部立派な木が生えており根っこが地中深くまで入り込んでいたので、作業範囲が狭い環境で無理に撤去するよりも、建物の解体が終わって試掘作業の際に一緒に撤去することにしました。
続いて、外構のフェンスの撤去が終わったら、養生をします。
空き家の解体中に万が一解体材が落下するなんてことはないように、防音シート等でしっかり養生します。
今回の解体で本当に良かったのは、立地でした。
解体の対象の空き家の周囲はご依頼者様の所有の広い敷地の土地だったので、もし万が一建物が崩れるなんてことがあっても周囲に人が住んでいて危険が及ぶ状況ではなかったので、安心して作業を進めることができました。
残置物の先行撤去
続いては、残置物の撤去になります。
こちらは、提携先の産廃会社さんに処分を依頼して作業を行なっていただきました。
意外と見落としがちなのが、残置物の処分です。
業者がゴミを処分する際には、産業廃棄物として処分することになってしまうので、もし大量のゴミが残っている場合は、自治体の一般ゴミで出せるものは先に処分することをおすすめします。
それによって、残置物の量によっては、10~20万円くらいは解体費用を抑えることができる場合もございます。
内装材・屋根材の撤去
次に、内装・屋根材を撤去していきます。
以前は、ミンチ解体といって、内装も含めて重機でぐちゃぐちゃに解体する現場もあったようですが、最近では分別解体が当たり前となっており、重機で解体を始める前に襖や畳、障子などの内装は撤去していきます。
また、屋根材などを危険にならないように、手壊し解体で撤去していきます。
躯体重機解体
続いて、重機で木造の躯体解体を始めます。
重機解体はスピーディーに進めることができます。
特に今回は平家だったので、そこまで大きな重機ではなくとも高い位置まで届きました。
空き家で柱や梁が腐ってしまっているので万が一建物が倒壊しても、重機のオペレーターには怪我がない場所から作業を行い、周囲に被害が及ぶなんてことはないように作業を進めていきます。
また、現場がぐちゃぐちゃにならないように、木くずの搬出も同時並行でおこなっていきます。
搬出が遅れて現場が解体材で溢れてしまうと、怪我や事故の原因にもなってしまうので、安全に進めていきます。
基礎解体
躯体部分を撤去すると、すっきりしました。
今回は、布基礎などのコンクリート部分がなかったので、石場建ての基礎部分のみを撤去すればよく、通常の住宅のように大量のコンクリートの撤去が必要だということもございませんでした。
もし、平成以降のベタ基礎といって、一面コンクリートで覆われる基礎の場合、撤去作業に大きく時間がかかってしまうのと、産廃処分量もかなり増えてしまうので、もしベタ基礎だった場合、解体費用はざっくりですが20~30万円程高くなる傾向(解体面積によって費用は異なる)にあります。
試掘
基礎がなかったとはいえ、地中障害がないとは限りません。
ここで大事になってくるのが試掘です。
丁寧な解体業者と、そうではない解体業者で一番差がつくのが試掘かもしれません。
地中に何か埋まっていないか重機で掘って確かめていきます。
もし、地中に何か埋まったまま建物の新築をする場合、建物が建てることができません。
工務店やハウスメーカーの新築の計画予定がずれ込んでしまい、引越しの予定を見直さなければならなくなったりする場合も考えられます。
土地の売却では、後々揉め事の原因にもなってしまいかねません。
今回は、大きな木の根が地中深くまではっていたので、重機を使って撤去を行いました。
もし、予期せぬ地中障害が発生した場合、基本的には追加費用となってしまうことになりますので、リプロではもし地中障害物が出てきてしまったら、発注者様にすぐにお写真でご連絡し、地中障害物があった旨と、その量と、追加費用になることをお伝えしています。
整地
試掘を終えた後は、整地といって重機で土地を均(なら)していきます。
土地のご売却で買主様が気持ちよくご購入してもらえるように、次の新築で施工会社さんが気持ちよく作業できるように、土地はできるだけコンクリートなどの解体材が混ざっていないように、できるだけ平坦にして完工としております。
こちらの解体工事は、約3週間の工事期間となりました。
空き家の解体はどこに依頼すればいいの?
空き家の宅解体の注意すべきポイントと、実際の解体の流れは掴めましたでしょうか?
弊社でも多くの空き家の解体のご依頼をいただいています。
空き家の解体というだけで、気を遣う部分が通常の解体とは異なるポイントもいくつかございます。
住宅を解体するって、意外と解体費用が高くなったり、安くなったり、空き家なら安全を優先しながら作業をしないとならないなど、現場ごとでいろんな要因があって費用が決まっているとご理解いただけたら幸いです。
ですので、お見積り時点で、事前に施工計画をしっかり説明してくれる解体業者に発注することをお勧めします。
「建物を壊して更地になってしまえば、どこに頼んでも同じ。」
そんなことはありません。
費用の比較ばかりで解体業者を選ぶと、こんなところで痛い目に合ったりします。
お客様が本当に信頼できる一社を探してみてくださいね。
【解体業者へ直接発注】解体費用を抑えながら高い施工技術を実現します
解体業界では、価格比較サイトがとても増えました。複数業者の相見積もりで価格を比較して、お客様に選んでもらうシステムです。
確かに、業者同士でお見積りを競い合わせれば、お客様のお支払いする解体費用は安くなると思います。
ただ、あまりに行き過ぎた価格競争によって、現在では本来必要とされる正しい施工計画で解体をなされない現場が増えてきている懸念を感じています。
価格比較サイトのデメリット
・価格比較サイトから解体業者に紹介料マージンが10~20%発生している
・一人親方や数人規模の業者が多いため、施工技術にムラがある場合がある
・解体費用は安くなる一方で価格競争になる分、施工管理が煩雑になる場合がある
総合解体業者へ直接発注のメリット
・価格比較サイトへの紹介マージンがかからない分、正しい施工計画を立てられる
・様々な現場を経験した職人による施工で安心した施工ができる
・鉄骨造やRC造の解体に必要な建機を自社保有するためレンタルのマージンをカット
解体業者へ直接発注で紹介料マージンを抑えながら、、、
騒音・粉塵など近隣への配慮が必要な現場
鉄骨造、RC造など専用の建機とアタッチメントが必要な現場
アスベストがあって規則に沿った対応をすべき現場
これらのご相談は特に、総合解体業者であるリプロなら、お客様も納得のいく解体施工をご提供できるかと思います。
解体は、ぜひリプロにご相談いただけると幸いです。
もし、お見積りのご依頼ございましたら、ぜひ弊社までご連絡いただけましたら幸いです!
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