空き家の解体で注意すべきポイントを事例で紹介【解体業者が解説】

2026/05/13更新
<解体業者が教える3つのポイント>
・空き家の解体で注意すべきポイントをを解説
・作業の流れがわかるように解体事例で解説
・実際の解体作業を画像付きで解説
目次
1.1 空き家の解体は安全に解体作業ができる業者に発注しましょう
1.1.1 空き家になって長期間そのままにしてしまうと柱など構造が朽ちている可能性
1.2 2023年改正・空き家対策特別措置法と「特定空家」「管理不全空家」
空き家の解体の特徴

こんにちは!
リプロの躯体解体の職長です。
こちらは、HPからお問い合わせいただいた志木市の木造住宅の解体でした。
弊社で解体の依頼を受ける際に、最近は空き家の解体のご依頼が増えてきました。
空き家の解体は、通常の解体と違って、解体業者が気をつけているポイントがいくつかあります。
空き家の解体で注意すべきポイントを、解体業者の目線で解説していきます。
空き家の木造住宅の解体費用の見積り公開【見積り費用を項目別に解説】
空き家の解体は安全に解体作業ができる業者に発注しましょう

まずは、空き家の建物を解体していくにあたって、構造がどこまで支えられているかがとても重要になります。
住宅の解体の順序は、通常は養生をして屋根に人が登って人力で屋根材を撤去して、内装材を撤去して、躯体の解体に入っていきます。
空き家の場合は、構造として支えられているかわからない不安定な建物に、人が屋根を登って屋根材を撤去できるかもわかりません。また、もし隣地が狭く、建物が密集しているような空き家の解体で隣の建物に向かって倒壊してしまったなんてことにもなりかねません。
現場の建物の状況をよく見て、危険ではない作業手順を踏みながら、建物を解体していく必要があります。
最近は、外国人だけの解体業者でとても安く解体する業者も多く出てきましたが、空き家の解体は危険が伴うため、法令を遵守しながら、安全に作業を進めることができる解体業者に発注するのをおすすめしております。
空き家になって長期間そのままにしてしまうと柱など構造が朽ちている可能性

特に、木造の住宅で10年以上もそのままにしてしまった場合、柱や梁が湿気を吸って徐々に腐ってきてしまうことがあります。
今回解体をご依頼いただいた建物は建築からすでに60年以上が経過していて、基礎はなかったので地面の湿気をそのまま吸ってしまうこと、さらに壁は土壁だったので湿気にとても弱い環境にありました。
そのため、柱や梁は腐ってしまっており、解体作業中に無理な解体で進めていくと倒壊してしまう危険がありました。
このような場合は、作業ができる環境を見て、しっかり安全に解体作業の工程を組んでいく必要があります。
2023年改正・空き家対策特別措置法と「特定空家」「管理不全空家」
近年、空き家解体のご相談が急増している背景には、2023年12月に施行された改正空き家対策特別措置法(空家等対策の推進に関する特別措置法)の存在があります。これまでは「特定空家等」に指定された場合のみ行政指導の対象でしたが、改正後は「管理不全空家」という新区分が設けられ、より早い段階で勧告・指導の対象になるようになりました。
・特定空家:倒壊の危険、衛生上有害、景観を著しく損なう、周辺の生活環境を害している空き家
・管理不全空家:適切な管理が行われていないことで、放置すれば特定空家となるおそれがある空き家
この2区分のどちらかに勧告された段階で、固定資産税の住宅用地特例(最大6分の1の軽減)が解除されるため、固定資産税の負担が実質的に最大6倍となります。空き家オーナー様にとっては、見過ごせない法改正です。
空き家を放置する3つのリスク
法改正の流れに加えて、空き家を長期間放置しておくと、所有者様自身に重大なリスクが及ぶことがあります。代表的な3つを整理しておきます。
- 倒壊による近隣への損害賠償:老朽化した空き家が倒壊して隣家や通行人に被害を与えた場合、所有者は損害賠償責任を負います
- 不法投棄・放火・不法侵入:管理が行き届かない空き家は不審者の出入りや放火の標的となりやすく、地域の防犯リスクを高めます
- 行政代執行による強制解体:自治体の勧告・命令に従わない場合、最終的に行政代執行で強制的に解体され、解体費用は所有者に請求されます(しかも市場価格より割高となるケースが多い)。行政代執行に至ると、所有者の意思に関係なく解体が行われるため、業者選びの余地もなくなります。リスクが顕在化する前に、計画的に解体・売却・利活用を進めることが合理的な選択となります。
今回は、実際の解体の事例を見ながら、解説していきたいと思います。
空き家の解体工事の流れを実際の事例で紹介
植栽・外構の先行撤去と養生

それでは、実際の志木市の解体の流れをご紹介していきます。
まずは、養生をするにあたって、邪魔になってしまう植栽とフェンスは先行で撤去していきました。
ただ、今回の現場は解体作業中に砂煙が多くたちそうな環境だったので、養生するのに邪魔にならない植栽に関してはそのまま残して作業を行いました。
一部立派な木が生えており根っこが地中深くまで入り込んでいたので、作業範囲が狭い環境で無理に撤去するよりも、建物の解体が終わって試掘作業の際に一緒に撤去することにしました。
続いて、外構のフェンスの撤去が終わったら、養生をします。
空き家の解体中に万が一解体材が落下するなんてことはないように、防音シート等でしっかり養生します。
今回の解体で本当に良かったのは、立地でした。
解体の対象の空き家の周囲はご依頼者様の所有の広い敷地の土地だったので、もし万が一建物が崩れるなんてことがあっても周囲に人が住んでいて危険が及ぶ状況ではなかったので、安心して作業を進めることができました。
残置物の先行撤去

続いては、残置物の撤去になります。
こちらは、提携先の産廃会社さんに処分を依頼して作業を行なっていただきました。
意外と見落としがちなのが、残置物の処分です。
業者がゴミを処分する際には、産業廃棄物として処分することになってしまうので、もし大量のゴミが残っている場合は、自治体の一般ゴミで出せるものは先に処分することをおすすめします。
それによって、残置物の量によっては、10~20万円くらいは解体費用を抑えることができる場合もございます。
内装材・屋根材の撤去

次に、内装・屋根材を撤去していきます。
以前は、ミンチ解体といって、内装も含めて重機でぐちゃぐちゃに解体する現場もあったようですが、最近では分別解体が当たり前となっており、重機で解体を始める前に襖や畳、障子などの内装は撤去していきます。
また、屋根材などを危険にならないように、手壊し解体で撤去していきます。
躯体重機解体

続いて、重機で木造の躯体解体を始めます。
重機解体はスピーディーに進めることができます。
特に今回は平家だったので、そこまで大きな重機ではなくとも高い位置まで届きました。
空き家で柱や梁が腐ってしまっているので万が一建物が倒壊しても、重機のオペレーターには怪我がない場所から作業を行い、周囲に被害が及ぶなんてことはないように作業を進めていきます。
また、現場がぐちゃぐちゃにならないように、木くずの搬出も同時並行でおこなっていきます。
搬出が遅れて現場が解体材で溢れてしまうと、怪我や事故の原因にもなってしまうので、安全に進めていきます。
基礎解体

躯体部分を撤去すると、すっきりしました。
今回は、布基礎などのコンクリート部分がなかったので、石場建ての基礎部分のみを撤去すればよく、通常の住宅のように大量のコンクリートの撤去が必要だということもございませんでした。
もし、平成以降のベタ基礎といって、一面コンクリートで覆われる基礎の場合、撤去作業に大きく時間がかかってしまうのと、産廃処分量もかなり増えてしまうので、もしベタ基礎だった場合、解体費用はざっくりですが20~30万円程高くなる傾向(解体面積によって費用は異なる)にあります。
試掘

基礎がなかったとはいえ、地中障害がないとは限りません。
ここで大事になってくるのが試掘です。
丁寧な解体業者と、そうではない解体業者で一番差がつくのが試掘かもしれません。
地中に何か埋まっていないか重機で掘って確かめていきます。
もし、地中に何か埋まったまま建物の新築をする場合、建物が建てることができません。
工務店やハウスメーカーの新築の計画予定がずれ込んでしまい、引越しの予定を見直さなければならなくなったりする場合も考えられます。
土地の売却では、後々揉め事の原因にもなってしまいかねません。

今回は、大きな木の根が地中深くまではっていたので、重機を使って撤去を行いました。
もし、予期せぬ地中障害が発生した場合、基本的には追加費用となってしまうことになりますので、リプロではもし地中障害物が出てきてしまったら、発注者様にすぐにお写真でご連絡し、地中障害物があった旨と、その量と、追加費用になることをお伝えしています。
整地
試掘を終えた後は、整地といって重機で土地を均(なら)していきます。
土地のご売却で買主様が気持ちよくご購入してもらえるように、次の新築で施工会社さんが気持ちよく作業できるように、土地はできるだけコンクリートなどの解体材が混ざっていないように、できるだけ平坦にして完工としております。
こちらの解体工事は、約3週間の工事期間となりました。
空き家(木造住宅)解体の費用相場と内訳
空き家解体の費用は、構造・延床面積・立地条件・残置物の量・地中障害物の有無によって変動するため一概には言えませんが、都内・埼玉エリアにおけるリプロの過去事例をもとに目安をご紹介します。
・木造住宅(20坪前後):約100万〜180万円
・木造住宅(30坪前後):約150万〜270万円
・木造住宅(40坪以上):約200万〜350万円
主な費用項目は以下のとおりです。
・本体解体工事費(手壊し撤去・重機解体・足場・養生)
・付帯工事費(植栽・外構・カーポート・物置などの撤去)
・残置物処分費(家具・家電・布団等の産業廃棄物処理)
・基礎撤去費(ベタ基礎は布基礎より20〜30万円程度高くなる傾向)
・整地・試掘費(地中障害物の確認と除去)
・諸経費(建設リサイクル法届出・近隣挨拶・現場管理費)
費用を抑えるには、自治体の一般ゴミで処分できる残置物を事前にご自身で片付けておくこと、相見積りの際に内訳が明確な業者を選ぶことが効果的です。
解体前にオーナー様に確認していただきたい書類と手続き
空き家解体の依頼前に、以下の書類と権利関係を確認しておくと、後々のトラブル防止につながります。
・登記簿謄本:所有者・抵当権の有無を確認。相続未登記の場合は相続登記が先に必要
・固定資産税課税明細書:建物の延床面積と評価額を把握
・建築確認書類:建物の構造・建築年・面積の確認に役立つ
・住宅ローン残債の有無:抵当権が残っている場合は金融機関への事前相談が必要
・隣地境界の確認:境界標がない場合は事前に隣地所有者と確認しておくと安心
特に相続した空き家の場合、相続登記が完了していないケースも多く、解体契約の主体が誰になるかの整理が必要です。リプロでは必要に応じて司法書士や不動産関連のパートナー企業をご紹介できますので、お気軽にご相談ください。
自治体の空き家解体補助金制度を活用しましょう
東京都・埼玉県の一部の自治体では、老朽化した空き家の解体費用に対して補助金制度を設けています。代表的な制度の傾向は以下のとおりです。
・補助金の上限:30万〜80万円程度(自治体により異なる)
・補助率:解体費用の3分の1〜2分の1程度
・対象要件:耐震診断で倒壊の危険性が確認された木造住宅、または特定空家相当と判断された建物
・申請タイミング:原則として工事契約前の申請が必須
年度予算が上限に達すると締め切られることがあるため、検討し始めた段階で早めに、対象の市区町村の自治体窓口へ確認しておくのが安心です。
空き家の解体はどこに依頼すればいいの?
空き家の宅解体の注意すべきポイントと、実際の解体の流れは掴めましたでしょうか?
弊社でも多くの空き家の解体のご依頼をいただいています。
空き家の解体というだけで、気を遣う部分が通常の解体とは異なるポイントもいくつかございます。
住宅を解体するって、意外と解体費用が高くなったり、安くなったり、空き家なら安全を優先しながら作業をしないとならないなど、現場ごとでいろんな要因があって費用が決まっているとご理解いただけたら幸いです。
ですので、お見積り時点で、事前に施工計画をしっかり説明してくれる解体業者に発注することをお勧めします。
「建物を壊して更地になってしまえば、どこに頼んでも同じ。」
そんなことはありません。
費用の比較ばかりで解体業者を選ぶと、こんなところで痛い目に合ったりします。
お客様が本当に信頼できる一社を探してみてくださいね。
空き家解体に関するよくある質問
Q1. 空き家の解体は何月頃に依頼するのがおすすめですか?
当社の工事スケジュールと、工事業者の手配のスケジュールによりますので、お問い合わせください。補助金活用を検討される場合は、年度初め(4〜6月)に自治体窓口へ事前相談しておくと、申請から着工までのスケジュールに余裕が持てます。
Q2. 残置物が大量にあるのですが、片付けずに丸ごと依頼できますか?
可能です。ただし、業者が処分する場合は産業廃棄物扱いとなり費用が高くなる傾向があります。本記事でも触れたとおり、自治体の一般ゴミで処分できるものを先にご自身で片付けると、一般的な処分量ですと10〜20万円ほど解体費用を抑えられる場合があります(処分量が多い場合は、それ以上の処分費用がかかります)。
Q3. 相続したばかりの空き家ですが、相続登記が済んでいなくても解体できますか?
法律上、所有権が確定していないと正式な解体契約を結ぶことができません。共同相続人がいる場合は全員の同意も必要となるため、まずは相続登記を済ませることをお勧めします。
Q4. アスベスト含有の可能性がある古い住宅ですが、対応できますか?
問題ありません。リプロでは2022年4月の大気汚染防止法改正に対応した事前調査と適正な除去工事を実施しています。レベル3建材(成形板・スレート等)の含有が確認された場合は、所定の届出と除去手順で安全に対応いたします。
まとめ|空き家の解体は計画的なご相談が安心です
空き家の解体は、構造の不安定さ、残置物の多さ、地中障害物の発見など、現場ごとに個別の判断が求められる工事です。さらに2023年の空き家対策特別措置法改正、固定資産税の課税強化、自治体の補助金制度など、所有者を取り巻く制度面の変化も激しくなっています。
リプロでは、東京・埼玉を中心に住宅解体500件以上の実績をもとに、現地調査・お見積りから補助金活用のアドバイス、整地・試掘まで一気通貫で対応しております。お気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。
【解体業者へ直接発注】解体費用を抑えながら高い施工技術を実現します
解体業界では、価格比較サイトがとても増えました。複数業者の相見積もりで価格を比較して、お客様に選んでもらうシステムです。
確かに、業者同士でお見積りを競い合わせれば、お客様のお支払いする解体費用は安くなると思います。
ただ、あまりに行き過ぎた価格競争によって、現在では本来必要とされる正しい施工計画で解体をなされない現場が増えてきている懸念を感じています。
価格比較サイトのデメリット
・価格比較サイトから解体業者に紹介料マージンが10~20%発生している
・一人親方や数人規模の業者が多いため、施工技術にムラがある場合がある
・解体費用は安くなる一方で価格競争になる分、施工管理が煩雑になる場合がある
総合解体業者へ直接発注のメリット
・価格比較サイトへの紹介マージンがかからない分、正しい施工計画を立てられる
・様々な現場を経験した職人による施工で安心した施工ができる
・鉄骨造やRC造の解体に必要な建機を自社保有するためレンタルのマージンをカット
解体業者へ直接発注で紹介料マージンを抑えながら、、、
騒音・粉塵など近隣への配慮が必要な現場
鉄骨造、RC造など専用の建機とアタッチメントが必要な現場
アスベストがあって規則に沿った対応をすべき現場
これらのご相談は特に、総合解体業者であるリプロなら、お客様も納得のいく解体施工をご提供できるかと思います。
解体は、ぜひリプロにご相談いただけると幸いです。
もし、お見積りのご依頼ございましたら、ぜひ弊社までご連絡いただけましたら幸いです!
<パートナー企業・協力会社様募集♪>
リプロでは、現在協業していただけるパートナー企業・協力会社様を募集しております。
工務店様、設計事務所様、不動産会社様、士業様など、お気軽にご連絡いただけますと幸いでございます。
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