【解体屋が解説】古家付き土地はそのまま売る?更地にする?メリット・デメリットを解説

2026年7月23日更新
目次
5 売却時に知っておきたい税金(固定資産税・3,000万円特別控除)
5.2 相続した空き家は「3,000万円の特別控除」が使えることも
親が住んでいた実家を相続で受けたり、自分自身昔住んでいた思い出の家だったり、残された両親の家財も捨てるのもしのびなく、古家付き土地の所有者様は、とりあえずそのままにしがちなケースもあるかと思います。
でも気づいたら、何年も放置してしまって、雑草に囲まれて、室内はカビだらけ、床は穴が空いてしまっていたり、柱は腐っていたり。
このように、処分するにできなく、どうしていいかわからない方も多いのではないでしょうか。
現況のまま売却した方がいいのか?
それとも、更地にしてから売却した方がいいのか?
それぞれのメリット・デメリットを、解体業者目線で見ていきましょう。
そのまま売却のメリット・デメリット

(メリット1)古家にそのまま住むことができる
古家の状態が良ければ、そのまま住みたいという買い手も多いです。
というのも、建物の評価は木造住宅ならば、、、
減価償却により22年間で価値が0円になるため、十分住めるのに、購入費用が土地代だけで済むので、購入希望者からするととってもお得なのです。
築30,40年の戸建てならば、耐震性に関しては安全とは言い切れませんが、条件がよければ全く問題なく住むことができます。古家付き土地で購入して、200~300万円ほどで室内をリフォームしてみて、住んでみたいという方もいらっしゃいます。
築年数がそれほど経過していない、または築年数が経っていたとしても、状態の良い建物でしたら解体せずに、そのまま売却が望ましいでしょう。
(メリット2)解体費用の負担がない
古家付き土地で売却するため、売買契約後にもし買主が解体を望むのであれば、解体費用は買主負担になります。
この10年ほど産業廃棄物処理費や人手不足の影響で、解体費用は高騰し続けており、、、
通常の戸建ての解体ではおおよそ200万円前後かかってきます。
さらに延べ床面積が大きかったり、道路条件が悪かったりすると300万円を超える出費が発生します。売却前に、この解体費用を抑えることができるのは大きなメリットとなります。
いつかは必要になる解体費用ですが、銀行などでも解体に関するローンは整備されているとは言えず、通常は現金での支払いになります。
売却前に、解体費用を用意するのが難しい場合は、そのまま古家を解体せずに、売却してよろしいかと思います。
(デメリット1)買い手がつきにくい
もし、古家の現況の条件が悪く、雑草に囲まれていたり、木が朽ちてきていたりした場合、購入希望者からすると、どうしても印象が悪く、きれいに新築した状況を想像しづらかったりします。
それはつまり、土地の売却価格にもダイレクトに影響があります。
立地状況が良ければ、将来性を期待して高値で購入されることもありますが、駅から離れたエリアで建物の状態が悪いとなるとなかなか希望額を下げても売れないなんてことも起こり得るかもしれません。
特に、遠方の空き家になると、日々の管理・メンテナンスをほぼ不可能でしょうから、何年も放置し続けてしまったら、購入希望者はなかなかつかないのではないでしょうか?
もし販売が長引く可能性のある物件でしたら、ご自身でメンテナンス可能かどうかも判断基準に入れてお考えください。
もし、一般の方への売却が難しいようでしたら、不動産会社さんなどBtoB業者さんに買い取ってもらうといった選択もあるかと思います。
更地にしたメリット・デメリット

(メリット1)買い手がつきやすい
住宅の新築を考えている方は、もし綺麗に解体ができている土地であれば、古家付きよりも更地の方が建築のイメージが湧きやすいです。
気持ちの面でも、「よし、この土地を購入して新築するぞ!」という前向きな姿勢になります。
そのため、比較的早く売却が進んだり、思っていたよりも高値で購入してもらえたなんてことはあることでしょう。
(デメリット1)解体業者へ発注の手間と施工の品質
ご自身で解体を発注することになるので、解体業者とのやり取りの手間が発生します。
解体業者が見積り前の現地調査で確認する項目を解説【木造住宅解体】
※解体業者が見積り前の現地調査でどんなことを確認しているのかが、こちらのブログでわかります。こちらを見ることで、解体業者とどんなやり取りが発生するのかがわかります。
さらに、どの住宅でも、きれいさっぱりした更地にできるという訳ではありません。
土地に高低差があって土を擁壁で支えていた場合、擁壁まで解体してしまうと、土を留めるものがなくなってしまうため、土が崩れてきてしまいます。
そのため、擁壁を一部残して解体するのですが、、、
この残った擁壁がなんとも言えず、、、
ぱっと見、「なんか汚いのです!」
土地購入前に、購入希望者に、「ここに家建てるの?本当に大丈夫?」
と、不安に思わせてしまう可能性が出てきます。解体する前に、解体した場合、どんな仕上がりになるのか業者に確認してください。
解体した後の更地が、綺麗に整地されていればメリットにもなりますし、もし整地が綺麗とは言えない場合はデメリットにもなります。
解体業者の良し悪しは整地からわかる【住宅解体における良い解体と悪い解体】
※こちらのブログから、解体業者が良い解体をするのか、悪い解体をするのか、解体業者の施工の品質へのこだわりがわかるポイントを解説しています。
(デメリット2)固定資産税が古家付き土地よりも高い
上物(建物)がある土地は、軽減税率の適用があるため、古家付き土地よりも、更地の方が固定資産税が高くなります。
売却にもし、1年など長期間かかってしまう場合、建物があったときよりも、数十万円高い固定資産税の負担が発生しますのでご注意ください。
古家付き土地 vs 更地|売却の比較表
「そのまま売るか、更地にして売るか」を、売却の観点から一覧表にまとめました。
| 観点 | 古家付き土地のまま売る | 解体して更地で売る |
|---|---|---|
| 買い手のつきやすさ | つきにくいことがある(建物の状態しだい) | つきやすい(新築のイメージがわく) |
| 解体費用の負担 | 不要(買主負担にできる) | 売主が負担(200万円前後) |
| 固定資産税 | 住宅用地特例で軽い | 特例が外れて上がる(最大で約6倍) |
| 売却までの期間 | 長引くこともある | 比較的早い傾向 |
| 向いている物件・人 | まだ住める建物/解体費を用意しにくい | 老朽化した建物/新築需要のある立地 |
※固定資産税の実額は、負担調整措置などによって変動します。
どちらが良いかは一概には言えません。建物がまだ住める状態なら古家付き、老朽化していて立地に新築需要があるなら更地、が基本的な考え方です。次の章では、その中間にあたる「更地渡し」という選択肢もご紹介します。
第3の選択肢「更地渡し」とは?
古家付きか更地かの2択で語られがちですが、実務では「更地渡し(さらちわたし)」という方法もよく使われます。
これは、売買契約は古家付きの状態で結び、引き渡しまでに売主が解体して、更地にして引き渡す方法です。次のような特徴があります。
- 買主のメリット:解体の手配や費用負担の手間がなく、購入を決めやすい
- 売主のメリット:更地を前提に買い手を広げられ、売却が進みやすい
- 注意点:解体の範囲・時期・費用負担・地中埋設物が出た場合の扱いを、契約書に明記しておくことが大切です
「解体費用は用意できるが、先に更地にして売れ残るのは避けたい」という場合に向いた方法です。解体のタイミングを引き渡し直前にできるため、更地のまま固定資産税が上がる期間を短くできる利点もあります。
売却時に知っておきたい税金(固定資産税・3,000万円特別控除)

古家付き土地の売却では、税金が判断を大きく左右します。とくに次の2つを押さえておきましょう。
固定資産税は「1月1日時点の現況」で決まる
土地の固定資産税は、その年の1月1日時点の状態で課税されます。年内に解体して1月1日に更地だと、住宅用地特例が外れ、その年から土地の固定資産税が上がります。解体の時期と売却の時期の兼ね合いに注意しましょう。売却が長引くと、更地の高い税負担が続いてしまいます。
相続した空き家は「3,000万円の特別控除」が使えることも
見落とされがちですが、相続した空き家を、一定の要件を満たして解体・更地にして売却すると、譲渡所得から最大3,000万円が控除される特例があります(被相続人の居住用財産=空き家の特例)。ご自身が住んでいた家を売る場合も、居住用財産の3,000万円特別控除が使えることがあります。
ただし、対象となる建物の築年数(1981年5月以前など)や譲渡の期限、その他の要件が細かく定められています。適用の可否は、税理士・自治体・国税庁で必ずご確認ください。 使える場合は、解体して売却するメリットが大きくなります。
古家付きと更地、どちらを選ぶ?判断チェックリスト

次の項目を確認すると、方向性が見えてきます。
- 建物はまだ住める状態か … Yes なら「古家付き」も有力
- 立地に新築需要があるか … Yes なら「更地」が有利になりやすい
- 解体費用を用意できるか … 難しいなら「古家付き」または「更地渡し」
- 相続した空き家か … 3,000万円特別控除の要件を確認(解体して売ると有利なことも)
- できるだけ早く売りたいか … Yes なら「更地」または「更地渡し」
複数の選択肢を、税金や解体費用もあわせて比べることが、後悔しない売却につながります。
売却の進め方|「仲介」と「買取」の違い
古家付き土地・更地を売る方法は、大きく「仲介」と「買取」の2つに分かれます。
- 仲介…不動産会社に買い手を探してもらう方法です。相場に近い価格で売れる可能性がある一方、買い手が見つかるまで時間がかかることがあります
- 買取…不動産会社などに直接買い取ってもらう方法です。価格は相場より下がる傾向がありますが、早く現金化でき、管理の手間からも早く解放されます
遠方の空き家で管理が難しい、早く手放したいという場合は買取、時間をかけても高く売りたい場合は仲介、が一つの目安です。まずは複数の不動産会社に相談し、あわせて解体した場合の費用と仕上がりも確認しておくと、判断がしやすくなります。
よくある質問(FAQ)
Q. 古家付き土地と更地、どちらが高く売れますか?
A. 一概には言えません。立地や建物の状態によります。新築需要のある立地なら更地が有利になりやすく、まだ住める建物なら古家付きのまま売れることもあります。
Q. 「更地渡し」とは何ですか?
A. 売買契約は古家付きの状態で結び、引き渡しまでに売主が解体して更地にして渡す方法です。買主は解体の手間がなく、売主は買い手を広げられます。
Q. 解体して更地にすると、固定資産税はどうなりますか?
A. 住宅用地特例が外れ、土地の固定資産税が最大で約6倍になる可能性があります。1月1日時点の状態で課税されるため、解体のタイミングに注意が必要です。
Q. 相続した空き家を解体して売ると、税金の優遇はありますか?
A. 一定の要件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。築年数や期限などの要件が細かいため、税理士や自治体にご確認ください。
Q. 古家付き土地の解体費用は、誰が負担しますか?
A. 古家付きのまま売る場合は、買主負担にできます。更地・更地渡しで売る場合は、売主が負担します。
Q. そもそも「古家付き土地」とは何ですか?
A. 築年数が経ち、建物の価値をほとんど見込まずに、土地の価格を中心に売り出す物件のことです。状態の良い「中古戸建て」として売る場合とは区別されます。
Q. 古家付き土地を、少しでも高く売るコツはありますか?
A. 室内外の清掃や草刈りで印象を整える、隣地との境界を明確にしておく、解体した場合の見積もりも用意して買主に選択肢を示す、といった工夫が有効です。
Q. 仲介と買取では、どちらがよいですか?
A. 早さを重視する・管理が難しいなら買取、価格を重視して時間をかけられるなら仲介が向いています。両方に相談して比較するのがおすすめです。
Q. 遠方にある空き家は、どうすればよいですか?
A. 管理が難しく、放置すると税負担や倒壊のリスクが高まります。売却(仲介・買取)や解体を早めに検討しましょう。買取や更地渡しも選択肢になります。
まとめ
- 古家付き土地の売却は「そのまま」「更地」「更地渡し」の3つの選択肢があります
- 建物がまだ住めるなら古家付き、老朽化+新築需要のある立地なら更地が基本です
- 更地にすると固定資産税は上がる(最大約6倍)ため、解体と売却のタイミングに注意しましょう
- 相続した空き家は、要件を満たせば3,000万円の特別控除が使えることがあります(要確認)
- 迷う場合は、解体の仕上がりや費用も含めて、信頼できる解体業者に相談するのがおすすめです
いかがでしょうか?
古家付きで売却するのも、更地にして売却するのどちらが良いとは一概には言えません。
お客様のご条件に合わせて、古家をそのまま売却するのか、更地にしてから売却するのか、ご検討なさっていただくのがよろしいかと思います。
【解体業者へ直接発注】解体費用を抑えながら高い施工技術を実現します
解体業界では、価格比較サイトがとても増えました。複数業者の相見積もりで価格を比較して、お客様に選んでもらうシステムです。
価格比較サイトのデメリット
・価格比較サイトへの紹介マージンが10%程度発生している
・一人親方や数人規模の業者が多いため、施工技術の不安
解体業者へ直接発注のメリット
・価格比較サイトへの紹介マージンがかからない
・技術力のある職人による施工と豊富な建機所有
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