【解体屋が解説】旧耐震と新耐震の違いとは?いつから・見分け方と地震の危険性【木造住宅】

2026/07/23更新
目次
5.2 耐震リフォーム vs 建て替え(解体)|費用と特徴の比較
耐震基準の変遷

耐震基準には、主に3つの呼ばれ方があります。
旧耐震基準
新耐震基準
新耐震基準(現行基準)
です。
さて、、、
新耐震基準と呼ばれる建物が建てられ出したのはいつからかご存知ですか?
正解は、、、
1981年5月以降に建築許可が下りた建物です(建築日ではないことに注意)。
新耐震と呼ばれていますが、もう40年近くも昔なのですよね。
そして、2000年にも木造住宅に関して改正が行われ、より耐震性が強化されています。
建築の許可が下りてから、建築の竣工日にはタイムラグがあるので、間持たせてざっくり、、、
1981年(昭和56年)5/31以前の建築確認の建物は旧耐震
1981年(昭和56年)6/1以降の建築確認の建物は新耐震
2000年(平成12年)6/1以降の建築確認の建物は新耐震基準(現行2000年基準)
で覚えておきましょう。
築40年近い建物はすべて旧耐震基準となり、平成25年の国土交通省の調査では、全住宅は日本に約5,200万戸あり、その中で旧耐震基準の木造住宅は1,500万戸あり、耐震性がないとされる住宅は900万戸あるとされています。
ただでさえ、築40年を超えるような住宅は柱が腐ってきていて、耐震性が劣化しているのに加えて、旧耐震となると、大きな地震が来るとかなり危険な状況だと言えます。
それでは、耐震基準によって、どれだけ被害に違いがあるか見ていきましょう。
熊本地震における木造住宅の被害

出所:国土交通省資料参考弊社作成
実際に、平成28年に起きた熊本地震の状況を見てみましょう。
※熊本地震の被害割合(旧耐震45%以上/新耐震2割以下/2000年基準)は国土交通省資料に基づく目安。
旧耐震基準の木造住宅は、なんと、、、
倒壊・崩壊、大破が45%以上に及んでいます!
およそ半数がもう建物が倒れてしまったか、倒れてしまう寸前という状況です。
一方で、新耐震基準になると、、、
倒壊・崩壊、大破は2割以下となっています。
これは、新耐震基準以降、建築物の壁の量を1.4倍に増加させたことが、被害を拡大させなかった要因として考えられます。
倒壊・崩壊、大破が45%以上という状況は思ったよりもひどい印象がありませんか?
耐震基準の目安

旧耐震基準は震度5でも倒壊しない想定
新耐震基準は震度7でも倒壊しない想定
中規模の地震(震度5程度)には、ほとんど損傷しないという想定で、大規模の地震(震度6〜7程度)には、倒壊・崩壊しないという想定で、建物が建築されています。
しかし、これはあくまで建物が建築された当初の想定です。日本の気候は湿気が多いため、木造住宅は築40年も過ぎると、木が腐り、建物も傾いてくることもあります。
旧耐震基準に建てられた築40年を超える木造住宅に住み続けるということは、命の危険にも関わる本当に危険なことなのです。
旧耐震・新耐震・2000年基準の違い【比較表】
耐震基準は、大きく3つの時期に分かれます。本文でお伝えした内容を、一覧表にまとめました。
| 区分 | 建築確認の時期 | 想定する地震 | 熊本地震での木造の被害(目安) |
|---|---|---|---|
| 旧耐震基準 | 1981年5月31日まで | 震度5強程度で倒壊しない | 倒壊・崩壊・大破が45%以上 |
| 新耐震基準 | 1981年6月1日以降 | 震度6強〜7で倒壊しない | 倒壊・崩壊・大破が2割以下 |
| 2000年基準(木造の現行基準) | 2000年6月1日以降 | 新耐震に加え、接合部の金物・壁配置を強化 | 被害はさらに小さく、倒壊はごくわずか |
※基準は「建築確認」の時期で決まります。建物の竣工日ではない点に注意してください。被害の割合は国土交通省の熊本地震に関する調査などに基づく目安です。
ポイントは、2000年より前の木造住宅は、たとえ「新耐震」でも現行基準を満たしていないことです。1981年〜2000年に建てられた住宅は、接合部の金物や壁の配置の面で、現在の基準より弱いことがあります。
あなたの家は旧耐震?新耐震?調べる方法

自分の家がどの基準で建てられたかは、次の方法で確認できます。
- 建築確認済証・検査済証の日付を見る…「建築確認」の日付が1981年6月1日以降なら新耐震です。ここが最も確実です
- 登記の「新築年月日」で推定する…書類が手元にない場合の目安になります。ただし、建築確認から竣工まではタイムラグがあるため、1981〜1982年ごろの建物は要確認です
- 市区町村で「建築確認台帳記載事項証明」を取得する…書類を紛失した場合は、自治体で確認できることがあります
とくに、1981年(昭和56年)以前に建てられた木造住宅は旧耐震の可能性が高いため、まずは耐震診断を受けることをおすすめします。2000年5月以前の木造であれば、現行基準との差も確認しておくと安心です。
新耐震基準なら安心!?
新耐震基準だからと言って安心はしない!
新耐震基準は、大規模の地震(震度6〜7程度)には、ほとんど損傷しないという想定で、建物が建築されています。
実際に、住宅の不動産売買でも、新耐震基準かどうかが地震に対する安全性の一つの基準になっていると伝えることが多いです。
が、だからと言って必ずしも安心だとは言えず、1980~90年代に建てられた木造住宅は築30年を超え、建築当時の耐震性があるとは限りません。
実際に、熊本地震の際にも、新耐震基準であっても、2割弱の建物は倒壊・崩壊、大破となっているのです。
旧耐震の住宅を持ち続けるリスク・デメリット
旧耐震の住宅は、地震の危険性だけでなく、次のようなデメリットもあります。
- 大地震での倒壊リスク…熊本地震では旧耐震の木造の45%以上が倒壊・崩壊・大破しました
- 地震保険の割引が受けられない…新耐震や耐震等級による保険料の割引の対象外になります
- 売却しにくい…中古で売る際、買主が住宅ローン控除などを受けるには「耐震基準適合証明」が必要になることがあり、買い手がつきにくくなります
- 自治体からの耐震化の要請…緊急輸送道路の沿道などでは、耐震化が求められることがあります
一方で、旧耐震の住宅は、耐震診断・耐震改修や解体(除却)の補助金の対象になりやすいという面もあります。危険な状態を放置するより、補助制度を活用して、耐震補強か建て替えかを早めに検討することが大切です。
地震に対してどうすれば良いのか
耐震診断とは?費用と自治体の助成
対策を考える前に、まず受けておきたいのが「耐震診断」です。専門家が建物の耐震性を調べ、補強が必要かどうかを判断します。
- 調べること…壁の量とバランス、基礎や接合部の状態、老朽・劣化の程度など
- 費用の目安…木造戸建てで20〜50万円程度
- 助成…多くの自治体が費用を補助しており、無料〜数万円で受けられることもあります
診断の結果をもとに、「耐震リフォームで足りるのか」「建て替えたほうがよいのか」を判断できます。まずはお住まいの自治体の耐震診断の助成制度を確認してみてください。
各自治体では耐震診断の助成金をサポートしている市区町村も多いです。まずは、そういったサービスをご利用なさってください。
耐震リフォーム vs 建て替え(解体)|費用と特徴の比較
「耐震補強するか、いっそ建て替えるか」で迷う方は多いです。それぞれの特徴を比較しました。
| 耐震リフォーム | 建て替え(解体+新築) | |
|---|---|---|
| 費用の目安 | 100〜200万円程度 | 解体費用+新築費用 |
| 工期 | 比較的短い | 長い |
| メリット | 費用を抑えて耐震性を確保できる | 現行基準で一新でき、間取りも刷新できる |
| デメリット | 壁がむき出しになるなど生活への負担/老朽が激しいと限界がある | 費用が大きく、仮住まいが必要 |
| 向いているケース | 建物がまだ健全/予算を重視したい | 築古で老朽化が進んでいる/二世帯化などの計画がある |
建物がまだしっかりしていて予算を抑えたいなら耐震リフォーム、老朽化が進んでいたり、二世帯住宅などの計画があるなら建て替えが向いています。建て替えの場合は、解体費用がどれくらいかかるかもあわせて確認しておきましょう。
耐震リフォームで、約100~200万円程度で補強は可能です。
住宅性能表示という制度があって、耐震等級1ならば倒壊・崩壊、大破が6.3%、耐震等級3ならば倒壊・崩壊、大破が0%という結果が熊本地震から出ています。
このように、今住む自宅を耐震補強するというのが手っ取り早く耐震性を確保できます。
が、この耐震補強をするにあたって、室内の家財を移動させて、壁紙を剥がしてという作業になったり、補強壁むき出しで室内の見栄えがとてもいいとは言えない状態になったり。
補強工事するにしても、結構ハードルは高いんですよね。
古家を解体して新築に建て替える
もし、例えば子供が生まれた息子夫婦と住むための二世帯住宅などを建て替えする計画があるのであれば、新築しまうというのもあり。
2×4など耐震性に優れた構造にすれば、大型の地震が来てもひとまずは安心だと言えるでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 新耐震基準はいつからですか?
A. 1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けた建物が新耐震基準です。1981年5月31日までのものは旧耐震基準にあたります。建物の竣工日ではなく、建築確認の日付で決まります。
Q. 自分の家が旧耐震か新耐震か、どうやって調べますか?
A. 建築確認済証・検査済証の日付で確認できます。手元にない場合は、市区町村で「建築確認台帳記載事項証明」を取得する方法があります。
Q. 旧耐震の家に、そのまま住み続けても大丈夫ですか?
A. リスクがあります。熊本地震では旧耐震の木造の45%以上が倒壊・崩壊・大破しました。まずは耐震診断を受けて、現在の状態を確認することをおすすめします。
Q. 耐震診断の費用はどれくらいですか?
A. 木造戸建てで20〜50万円程度が目安ですが、多くの自治体が助成を行っており、無料〜数万円で受けられる場合もあります。お住まいの自治体にご確認ください。
Q. 耐震リフォームと建て替え、どちらがよいですか?
A. 建物の健全性・予算・将来の計画によります。建物がまだしっかりしていれば耐震リフォーム、老朽化が進んでいたり二世帯化などの計画があれば建て替えが向いています。
Q. 旧耐震の家の解体や耐震改修に、補助金は使えますか?
A. 多くの自治体で、耐震診断・耐震改修や、危険な住宅の解体(除却)に補助金が設けられています。着工前の申請が原則です。「自治体名+耐震 補助金(または 解体 補助金)」で確認しましょう。
Q. 「2000年基準」とは何ですか?
A. 2000年6月以降に建築確認を受けた木造住宅に適用される、現行の基準です。地盤に応じた基礎の設計、柱の接合部の金物、耐力壁のバランス配置などが定められ、新耐震よりさらに強化されています。
Q. 新耐震なら、地震で絶対に倒れませんか?
A. 絶対ではありません。熊本地震では、新耐震でも2割弱が倒壊・崩壊・大破しました。築年数による劣化もあるため、まずは耐震診断で現在の状態を確認しましょう。
Q. 中古住宅を買うとき、旧耐震は避けたほうがよいですか?
A. 地震のリスクに加え、保険や住宅ローン控除の面でも不利になりがちです。購入する場合は、耐震診断や耐震改修の費用も見込んだうえで判断することをおすすめします。
まとめ
- 耐震基準は「旧耐震(1981年5月まで)」「新耐震(1981年6月〜)」「2000年基準(2000年6月〜・木造の現行基準)」に分かれます
- 熊本地震では、旧耐震の木造の45%以上が倒壊・崩壊・大破しました
- 自分の家の基準は「建築確認の日付」で確認できます。1981年以前の木造は旧耐震の可能性が高いです
- 旧耐震は地震のリスクに加え、保険・売却の面でも不利になりがちです
- 対策は「耐震診断→耐震リフォーム or 建て替え」。補助金の活用もあわせて検討しましょう
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<解体費用を項目別に詳細を大公開!【木造住宅解体費用】>
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