ビルの屋上構造物のクレーン撤去作業を事例で紹介【解体業者が解説】
2022年05月18日更新
<解体業者が教える3つのポイント>
・ビル屋上の構造物の撤去方法を解説
・解体業者が気をつけているポイント2つを解説
・実際の解体作業を画像付きで解説
目次
ビル屋上構造物の撤去作業の概要
お疲れ様です!
石垣です!
今回は、ご依頼いただいた屋上防水改修工事に伴う撤去工事をご紹介していきます。
工事をする対象は、幼稚園とスクールがテナントとして入居している鉄骨造3階建ての建物です。
屋上防水改修を実施するため、屋上にある構造物を撤去してほしいということで、建物があったと思われるRCの立上りを解体するという作業です。
元々この立上りの上に何かあったのでしょうか?
何かの基礎のように見えますが、、
とにかく!
こちらのRCの立上りを解体して、クレーンによる荷下ろし作業を解説していきます。
今回の注目ポイントは、幼稚園とスクールがテナントとして入っているということです。
リプロでは、リプロ工法といった安心・安全な解体施工を実現する現場のルールがあります。今回は、そのうち2つのポイントに注意して、工事を行うように心がけています。
屋上の構造物のクレーン撤去費用を知りたいという方は、こちらのブログをご参考になさってください。
ビルなど建物の屋上構造物のクレーン撤去費用【見積り費用を項目別に解説】
騒音を抑えた工事を優先する
リプロ工法その①になります。
通常の工事では、たいてい電動ブレーカーやエアーブレーカーといった解体用の電動工具使用してハツリ作業で解体します。
しかし、そのハツリ作業において、ガガガガ、ドドドドっといった大きな騒音は避けられません。
周りに何もないビルや工場の屋上であれば、騒音や振動など気にせすガンガン壊せば早く解体もできるし、解体する業者も楽に作業できるかもしれません。
しかし、、、
今回は、幼稚園とスクールがテナントさんとして入っている建物だったため、私たちリプロは違う工法で施工しました。
使用工具
今回使用したのは、ウォールクラッシャー(ハンドクラッシャー)による解体です。
ウォールクラッシャーは、このクワガタのアゴのような部分で油圧の力で対象物を挟み込んで圧砕解体する工具です。
重機のアタッチメントのクラッシャー(大割機)を手作業用に小型化したイメージのものです。
ブロック程度のものであれば、100Vのクラッシャーで解体できますが、今回の相手はRCの立上りです。
大きめのサイズとなる200Vの動力発電機を用意して、クラッシャーの開口が430mmのものを用意しました。
こちらの重量はなんと約160kgです!
業者とすれば、ブレーカーでバキバキ壊していくのが楽かもしれません。
ですが、私たちはテナントさんを不安にさせないよう騒音・振動を極力減らすべく、このような工具を使って、バチンバチンとコンクリートをクレーンで荷下ろしできるサイズまで解体していきます。
安全を考慮したクレーン作業をする
リプロ工法その②です。
クレーンによる荷揚げ・荷下ろしは技術のいる作業です。
最近では、解体というと価格比較サイトから解体業者を安く紹介してもらえるサービスがずいぶん浸透して来ていますが、このあたりは大型施設の解体経験のある解体業者の方がまだまだ分があります。
もし、解体業者が安全を考慮しないで、利益ばかり追い求めるとどういうことが起こるかというと、、、
工期を短くするために早く作業を終わらせようとして、クレーンによる荷揚げ・荷下ろしを雑に扱って解体材の落下が起きてしまう
クレーンをレンタルすると利益が下がるので、なんとか手で屋上から解体材を運び出そうとして廊下の壁を損傷させてしまう
このようなあってはならないことが起きないように、リプロでは経験のある職長が現場を管理し、経験のある職人を配置して作業を行い、品質の管理を徹底しています。
それでは、実際のクレーン作業を解説していましょう!
クレーンによる解体材の撤去作業手順
荷揚げ
屋上への道具の荷揚げは13tラフタークレーンで行いました。
作業足場は一面組立ててありましたが、発電機=約600kgとウォールクラッシャー=約160kgを人力で3階建ての屋上まで荷揚げすることは出来ません。
ガードマンさんを配置し、前面道路を一時車両通行止めにして、荷揚げ作業を行いました。
解体
160kgのウォールクラッシャーを扱うために、今回は単管パイプを上手く組んで電動ホイストを利用してクラッシャーを吊りながら作業を進めました。
RCの立上りは、屋上のシンダーコンクリートにアンカーを打込んで配筋してありました。
シンダーコンクリートと立上りの縁が切れていたので、想定よりもスムーズに解体していけました。
鉄筋や鉄骨はサンダーとレシプロソー(セーバーソー)でカットして撤去していきました。
もし、シンダーコンクリートと立上りの縁が切れておらず、シンダーコンクリートの中まで立上りが入っていたら、ここまで上手く圧砕出来なかったと思います。
中まで入っていたら、ある程度圧砕した後に、さらに仕上げの切りつけハツリ作業を行わなければなりませんでした。
集積
鉄くずの集積
鉄筋・鉄骨などは、鉄くずとして荷下ろししやすいように集積しました。
コンクリートガラの集積
また、解体したコンクリートガラは、台車でラフタークレーンが届く位置まで小運搬して、フレコンパックに詰めて集積しました。
一つの袋があまり重くならないように、袋の半分程度しかコンクリートガラは入れていません。
重くても約500kg程度になるように考えて袋詰めしました。
ハツリガラとは言え、袋に目一杯ギュウギュウに詰めてしまうとかなりの重量になってしまいます。
準備したラフタークレーンでは吊り上げきれない、なんてことにもなりかねません。
荷下ろし
解体作業が完了したら、荷下ろし作業を行いました。
荷揚げの時と同じように、前面道路を車両通行止めにして、13tラフタークレーンを使用して荷下ろしを行いました。
無線でラフタークレーンのオペレーターさんと屋上の玉掛け者でやり取りをしながら吊り下ろします。
フレコンパックには解体したコンクリートガラが入っています。
地上には、10t車が待機しています。
どんどん吊り下ろして、10t車の積載重量になったところで中間処分場へ走ってもらいました。
3台分はあるかなと思っていたのですが、ピッタリ2台分で搬出できました。
コンクリートガラの搬出の後に、鉄くずと道具も荷下ろします。
荷下ろし後に、防水改修工事に使用される部材を荷揚げしてクレーン作業は終了しました。
まとめ
最後に、屋上と地上の道路(作業場)を清掃して撤去工事は無事完了しました。
今回は、かなり重量のあるハンドクラッシャーを使用しての解体・ラフタークレーンによる荷揚げ及び荷下ろしと、個人的にかなり面白い現場になりました。
人力で何とかなる作業があまり無く、作業前の工事計画・段取りをしっかりとやっていないと現場がストップしてしまうようなケースの工事でした。
「段取り八分」!
お客様と事前に良く打合せをして、計画通りに施工が出来て良かったです!
私自身、改修工事の現場は色々とやってきましたが、こういう現場も楽しいですね!
「建物を壊して更地になってしまえば、どこに頼んでも同じ。」
そんなことはありません。
費用の比較ばかりで解体業者を選ぶと、こんなところで痛い目に合ったりします。
お客様が本当に信頼できる一社を探してみてくださいね。
【解体業者へ直接発注】解体費用を抑えながら高い施工技術を実現します
解体業界では、価格比較サイトがとても増えました。複数業者の相見積もりで価格を比較して、お客様に選んでもらうシステムです。
確かに、業者同士でお見積りを競い合わせれば、お客様のお支払いする解体費用は安くなると思います。
ただ、あまりに行き過ぎた価格競争によって、現在では本来必要とされる正しい施工計画で解体をなされない現場が増えてきている懸念を感じています。
価格比較サイトのデメリット
・価格比較サイトから解体業者に紹介料マージンが10~20%発生している
・一人親方や数人規模の業者が多いため、施工技術にムラがある場合がある
・解体費用は安くなる一方で価格競争になる分、施工管理が煩雑になる場合がある
総合解体業者へ直接発注のメリット
・価格比較サイトへの紹介マージンがかからない分、正しい施工計画を立てられる
・様々な現場を経験した職人による施工で安心した施工ができる
・鉄骨造やRC造の解体に必要な建機を自社保有するためレンタルのマージンをカット
解体業者へ直接発注で紹介料マージンを抑えながら、、、
騒音・粉塵など近隣への配慮が必要な現場
鉄骨造、RC造など専用の建機とアタッチメントが必要な現場
アスベストがあって規則に沿った対応をすべき現場
これらのご相談は特に、総合解体業者であるリプロなら、お客様も納得のいく解体施工をご提供できるかと思います。
クレーン作業を伴う建物の解体・撤去は、ぜひリプロにご相談いただけると幸いです。
みなさまからのお問合せ、お待ちしております!
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