住宅の建替えで失敗しない解体工事|流れ・手続き・残すものの伝え方と5つのポイントを練馬区の事例【解体業者が解説】

2026年10月14日更新
<解体業者が教える3つのポイント>
- 建替えの解体は、解体した後もお施主様がその土地に住み続けるため、近隣への配慮が特に大切です
- 残したい植栽・庭石・塀などは、図面・現地でのマーキング・写真の3つで確実に伝えます
- 解体が終わったら、排水管の位置や試掘の結果などを新築の担当者に引き継ぐことで、新築工事がスムーズに始められます
目次
建替えの解体工事の概要
【地域】東京都練馬区大泉学園町7丁目
【構造】木造2階建て
【規模】延床 約99.28m2(約30坪)
【内容】建替えに伴う家屋解体
今回のお客様は、実は弊社が新座市野寺で住宅解体工事を行っていた際に現場の方へたまたまいらして、見積りのご依頼をお声がけいただき、弊社での施工が決まりました。
実際に新座市の現場で弊社で行なっている解体施工をご覧いただいた上で、弊社にご依頼いただきましたので、いつもより一層気合を入れて施工に臨みました!
昨今の解体業界では、見積り価格だけで比較されてしまうことが非常に多いので、、、
解体業者としても、施工の品質を見て決めていただくのは、大変ありがたいことなのです。
実際に、練馬区大泉学園町で行わせていただいた建替え工事に伴う木造家屋の解体工事を事例で紹介しながら、解体業者がどのようなポイントに気をつけて解体しているのかまとめました。
建替えの流れと、解体の前後に必要な手続き
建替えでは、解体工事は新築工事の前に行う「最初の工程」です。全体の流れと、解体の前後に必要な手続きは次のとおりです。
| 時期 | やること | 主な手続き・確認 |
|---|---|---|
| 解体の前 | 新築の計画、解体業者の見積り・現地調査 | 残すもの・撤去範囲の確認 |
| 解体の前 | 仮住まいへの引越し、残置物の片付け | 電気・ガス・電話などの停止(水道は散水に使うため残す) |
| 着工の7日前まで | 建設リサイクル法の届出 | 延床80㎡以上の解体で必要 |
| 着工の前 | アスベストの事前調査、近隣へのご挨拶 | 延床80㎡以上の解体は調査結果の報告も必要 |
| 解体工事 | 養生・解体・基礎撤去・試掘・整地 | ― |
| 解体後1か月以内 | 建物滅失登記 | 建物の所有者が法務局に申請 |
| 新築の前 | 地盤調査、新築工事の着工 | 解体業者から新築の担当者へ引き継ぎ |
今回の建物は延床約99㎡のため、建設リサイクル法の届出とアスベストの事前調査結果の報告の、両方が必要な規模にあたります。
解体業者が気をつけるべき5つのポイント
今回は、住宅の建替えにおける解体工事になります。
新築に関してはハウスメーカーや工務店さんにお願いして、既存の建物の解体に関しては解体業者に発注いただく、いわゆる分離発注の形でご依頼いただきました。
実際の解体施工を解説しながら、建替えの解体工事で、弊社が気をつけたポイントを5つご紹介していきたいと思います。
その1 撤去範囲の擦り合わせ

ハウスメーカーの方・発注者様との施工範囲の擦り合わせはとても大切です。
新築担当の住宅メーカーさん、そして発注していただくお客様と工事前に良く打ち合せをしないと、撤去範囲を間違えて解体してしまうなんてこともあり得ます。
建物はもちろん、基礎まで解体する予定だったのでしたが、、、
外構は全て撤去ではありませんでした。
今回は、、、
お施主様が大事にされている一部の植栽と庭石を残し、新築時にはお庭でこれまで植えられていた植栽と庭石は引き続きそのままにしてほしい
外構のブロック塀も全て撤去するのではなく、一部は上部のみをカットして下部は残してほしい
という内容でした。
今回は住宅メーカーさんの方で事前に打ち合わせをした撤去範囲の図面を作成して頂いておりましたので、着工初日に職人全員で図面を見ながら現場で再確認していきました。
現場では、テープ・チョーク・スプレー等を使用し、残すものと撤去する範囲をマーキングしていきました。
最近の解体業者の中には、、、
解体業者が利益を出すことが先行してしまって、早い工期で工事を終えようとして、現場でのこういった職長と作業員とのコミュニケーションが取れていない業者さんも中にはあるように見受けられます。日本語が不十分な外国籍の職人さんも増えていることも要因の一つかもしれません。
リプロでは、現場でのコミュニケーション不足から、お施主様にご迷惑をお掛けするなんてことがないように、細心の注意を払って施工するようにしています。
残すものを確実に伝える方法
建替えでは、思い出のある植栽や庭石、まだ使える塀などを残したいというご要望がよくあります。解体の際に残すことが多いものは、次のとおりです。
- 植栽・庭木、庭石、灯籠
- ブロック塀やフェンスの一部(隣地との境界の塀など)
- 境界杭・境界プレート
- 水道メーター、雨水桝などの設備
これらを確実に残すために、リプロでは次の3つの方法で確認しています。
- 図面で確認する:ハウスメーカーやお客様と、残す範囲を図面に書き込みます
- 現地でマーキングする:着工初日に職人全員で図面を見ながら、テープ・チョーク・スプレーで印を付けます
- 写真で記録する:工事前の状態を写真に残し、お客様と共有します
特にブロック塀の部分撤去は工事の最後に行うため、着工時の確認が工事の終わりまで伝わる仕組みが欠かせません。
その2 近隣へのご挨拶(お施主様はその土地に住み続ける)
また、この工事は建替え工事の一環であることを現場に周知し、近隣にお住まいの方々に、工事前に事前のご挨拶まわりをさせていただきました。
解体をした後にも、新築の建物にまたお施主様がお住まいになられるということ
ご近隣様への挨拶・騒音や粉塵などの配慮をいつも以上にしっかりとやる。
お施主様はその土地に住み続けるということ
もし、近隣の方と現場での職人の態度や騒音や粉塵などでトラブルを起こしてしまうと、その土地にこれからも長年住み続けるお客様の信頼を損なうことにつながって、今後の新生活に大きなご迷惑をお掛けしてしまうかもしれない
それを考慮した上で、施工管理が施工計画も立てていきました。
敷地内には駐車スペースが乗用車一台分あったので、産廃のダンプも敷地内に駐車できそうで、前面道路も広かったため、重機の搬入も大丈夫そうでした。
事前の注意ポイントのチェックはOK。
それでは、作業を開始していきます。
まず、庭で残さなければならない植栽と庭石を敷地の端に寄せて、誤って撤去・処分しないようにしました。
そして、処分予定の植栽を撤去して庭石は養生の中に入るようにし、養生を組立てる段取りを行いました。
その3 近隣への配慮(休日前にシートを張らない)

解体業者が住宅を解体する際に行う、いつも通りの手順で養生組立てから進めていきます。
ところが、、、
この写真を見ると「何でシートを張らないでまとめているの?」と思われるかもしれません。
この日は週末の土曜日で、日曜日は風雨が強い予報でしたのでこのような施工を行いました。
休日前に養生を組立てる際は、休日・週明けの天候に注意します。
もし、風が強い予報の休日前にシートを張ってしまい、休日に万が一、シートが単管パイプから剥がれてしまっても現場に誰もいません。
近隣の方への配慮
休日にシートが剥がれてしまうと現場での対応が出来なくなってしまい、この場合、困るのは近隣にお住まいの方々なのです。近隣の方からクレームのご連絡をいただくか、クレームとならなくとも近隣の方が不安な気分になるのは間違いないでしょう。
休日の天候が良くないようであれば、シートを張らずに骨組みだけを組立てるか、写真のような状態で休日を迎えるようにします。
シートを写真のようにまとめておけば、休日明けに一から張るよりもスムーズに張れて時間の短縮が出来ます。
当たり前の配慮ですが、事前にできることはきっちりやっていきます。
屋根瓦の撤去

養生設置が終わったら内装解体を行い、屋根瓦を撤去しました。
屋根の下地と2階の一部を手壊しして、躯体の重機解体がスムーズにいくように段取りしました。
重機による躯体解体

重機は8tクラス(0.25m3クラス)を選定して躯体解体を進めました。
壁を倒して分別積込を行い、建物が無くなった部分は、養生を払していきます。
こちらの写真は、壁倒し・解体作業を優先して進めている分別前の状況です。
解体作業を優先しているのでちょっと見た目は宜しくないタイミングですが・・。
木造住宅解体の場合は、手作業と重機作業を併用して、木くずとそれ以外に分けていきます。
大抵の場合、木くずの搬出が終わった後に混合廃棄物類を一気に搬出します。
しかし、今回は車両と運転手が回せましたので混合廃棄物も同時進行で搬出しています。
分別解体と解体材の積込み

分別解体・積込が終わった状態がこちらです。
外構の撤去

上屋を解体した後は基礎を撤去して、撤去範囲の外構を撤去しました。
その4 ブロック塀の部分撤去

全撤去しないブロック塀は、この写真のように、ダイヤモンドカッターを入れて上部数段のみを撤去しました。
なんてことはない作業なのですが、、、
ハウスメーカーの方、発注していただいたお客様と事前に撤去範囲を打ち合わせしたのに、現場との意思疎通が取れていなくて、ブロック塀は全部解体して撤去してしまった、、、
このようなことは実は、この業界では起こり得ることなのです。
それは、ブロック塀の撤去は、事前打ち合わせをしてから実際に工事が始まって、養生、屋根材の解体、内装解体、躯体解体、基礎解体を終えてからの最後の作業です。
施工管理が現場に張りついている訳ではないので、職人さんとのコミュニケーションが取れていないと、ついつい全部壊してしまったなんてことになってしまいます。
このようなことが絶対起きないように、リプロでは施工管理での現場とのコミュニケーションを徹底しております。
そして、道路面の一面のみ全撤去でしたので、道路側のブロック塀は全て撤去しました。
続いては、地中の埋設物がないかの試掘の工程になります。
その5 地中障害物の確認

試掘作業もしっかりと行いました。
ここで手を抜いてしまうと、地中に埋まった不用な埋設管や地中障害物を残してしまい、新築工事の工期延長の可能性があります。
地中障害物は必ず撤去する
地中障害物が残ったままだと、新築の工事日程の最初で行う根切り作業でいきなりつまずいてしまい、地中障害物を撤去するために、新築のハウスメーカーさんからまた解体業者に発注が来るなんてことが起きてしまうのです。
地中障害は、解体現場では本当によくあるケース。
ちょっとしたコンクリート片、屋根材などはよく埋まっていますし、最悪以前の建物の基礎が、地中に埋まっているなんてことも。
これら地中埋設物は、追加工事となるのですが、、、
安い見積りでとにかく受注しようとする業者さんの中には、工期が伸びるのを面倒がってしまい、見て見ぬふりをしてお客様に隠すような解体業者さんも中には一定数いるような気がします。
今回は元々、畑があった土地なのでしょうか?
ありがたいことに、地中障害物はほぼありませんでした。
新築側からの要望で残土鋤取り・搬出作業が追加になりましたが、ほぼ想定通りに作業は完了できました。
解体後の土地の仕上げは、新築の計画で決まる
解体後の土地の仕上げ方には、主に次の種類があります。建替えでは、新築の基礎や地盤の計画に合わせて、ハウスメーカーと相談して決めます。
| 仕上げ | 内容 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 整地 | 重機で土地をならし、ガラなどを取り除く | 一般的な建替え・売却 |
| 鋤取り(すきとり) | 表面の土を一定の深さで削り取って搬出する | 新築の基礎や地盤の高さを調整したい場合 |
| 砕石敷き | 整地した上に砕石を敷く | しばらく駐車場として使う場合など |
今回の現場では、新築側のご要望で残土の鋤取りと搬出を追加しました。どこまで仕上げるかで費用が変わるため、見積りの段階で新築の担当者と確認しておきましょう。
今回の建替え解体を数字でまとめると
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 地域・構造 | 東京都練馬区大泉学園町・木造2階建て |
| 規模 | 延床約99.28㎡(約30坪) |
| 発注の形 | 新築はハウスメーカー、解体はリプロ(分離発注) |
| 現場の条件 | 前面道路が広く、敷地内にダンプを駐車できた |
| 使用した重機 | 8tクラス(0.25㎥クラス) |
| 残したもの | 一部の植栽と庭石、ブロック塀の下部 |
| 追加の作業 | 残土の鋤取り・搬出(地中障害物はほぼなし) |
まとめ
今回は建替えに伴う工事でしたので、排水管の切断箇所・試掘の状況等の伝達事項を新築の担当の方に引継ぎました。
更地化工事の場合には、ライフラインの切断位置等はあまり気に掛けることではないかもしれませんが、建替え工事の場合はしっかりと引継ぎます。
時には、不明管が敷地内を横断しているなんてこともあります。
解体業者から新築の担当者へ引き継ぐ情報
建替えの解体では、工事が終わったら次の情報を新築の担当者へ引き継ぎます。
- 排水管・給水管を切断した位置:新築の配管計画に関わります
- 試掘の結果:地中障害物の有無と、撤去したものの内容
- 不明な配管の有無:敷地を横切る配管が見つかった場合は、その位置
- 残したものの位置と状態:植栽・庭石・塀など
これらを伝えておくことで、新築工事の根切り(基礎の掘削)でのトラブルを防げます。
一連の建替え工事の中で、最初に解体工事が入ります。
解体工事の段階でご近隣様へご迷惑をかけてしまったり、試掘作業を怠ったりしてしまうと、後の新築工事に影響が出てしまいます。
延いては、ご発注頂いたお施主様にもご迷惑をおかけしてしまいますので、こういった現場の意識を徹底しているのです。
弊社の施工現場をご覧になったのがきっかけで、お声がけいただいたお客様にご満足いただけて本当に良かったです!
よくある質問
Q. 建替えの解体は、ハウスメーカーと解体業者のどちらに頼むべきですか?
A. どちらでも依頼できます。ハウスメーカーにまとめて頼むと窓口が一つになり、解体業者に直接頼むと中間のマージンがかからず、施工内容を直接確認できます。今回のお客様は、解体業者に直接依頼する分離発注を選ばれました。
Q. 建物滅失登記は、誰が行いますか?
A. 建物の所有者が、解体後1か月以内に法務局に申請します。手続きは、土地家屋調査士に依頼することもできます。
Q. 解体中は、近隣の方にどのような配慮をしますか?
A. 工事前のご挨拶に加え、騒音や粉じんを抑える工夫をします。今回の現場では、強風の予報が出ていた休日の前に、養生シートを張らずにまとめておき、シートが飛ばされないようにしました。
Q. 地中障害物が見つかったら、費用はどうなりますか?
A. 見積りの段階では地中の状態が分からないため、見つかった場合は追加工事になるのが一般的です。内容と費用をご説明し、ご了承をいただいてから撤去します。
「建物を壊して更地になってしまえば、どこに頼んでも同じ。」
そんなことはありません。
費用の比較ばかりで解体業者を選ぶと、こんなところで痛い目に合ったりします。
お客様が本当に信頼できる一社を探してみてくださいね。
【解体業者へ直接発注】解体費用を抑えながら高い施工技術を実現します
解体業界では、価格比較サイトがとても増えました。複数業者の相見積もりで価格を比較して、お客様に選んでもらうシステムです。
確かに、業者同士でお見積りを競い合わせれば、お客様のお支払いする解体費用は安くなると思います。
ただ、あまりに行き過ぎた価格競争によって、現在では本来必要とされる正しい施工計画で解体をなされない現場が増えてきている懸念を感じています。
価格比較サイトのデメリット
・価格比較サイトから解体業者に紹介料マージンが10~20%発生している
・一人親方や数人規模の業者が多いため、施工技術にムラがある場合がある
・解体費用は安くなる一方で価格競争になる分、施工管理が煩雑になる場合がある
総合解体業者へ直接発注のメリット
・価格比較サイトへの紹介マージンがかからない分、正しい施工計画を立てられる
・様々な現場を経験した職人による施工で安心した施工ができる
・鉄骨造やRC造の解体に必要な建機を自社保有するためレンタルのマージンをカット
解体業者へ直接発注で紹介料マージンを抑えながら、、、
騒音・粉塵など近隣への配慮が必要な現場
鉄骨造、RC造など専用の建機とアタッチメントが必要な現場
アスベストがあって規則に沿った対応をすべき現場
これらのご相談は特に、総合解体業者であるリプロなら、お客様も納得のいく解体施工をご提供できるかと思います。
ぜひリプロにご相談いただけると幸いです。
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<職長が思う安心安全な住宅解体施工とは【近隣対応・品質管理】>
住宅解体の臨む職長の心構えについてはこちらにまとめてあります。
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