住宅の基礎解体費用【布基礎とベタ基礎】
2023年7月15日更新
<解体業者が教える3つのポイント>
・住宅の基礎について解体業者が解説
・基礎には布基礎とベタ基礎の2種類がある
・それぞれの特徴と費用を解説
目次
布基礎とベタ基礎の違い
ベタ基礎は、コストがかかる意外は地震への心配も減るし、湿気も減るし、シロアリの被害もなくなるし、新築時には、いいこと尽くめの説明を受けることもあるかと思います。
新築時に、より頑丈な基礎で地震に対する耐震性を高めようと、従来使われていた布基礎から、1980年代後半からベタ基礎が多くなってきました。
そして、1995年の阪神淡路大震災では、倒壊した家屋の多くが布基礎であったことから、それ以降はベタ基礎が主流となり、現在に至っています。
ここ数十年は、とにかく耐震性を高めるように、木造住宅は対策を取られ、基礎はベタ基礎が多くの新築住宅で採用されてきました。そのおかげもあって、大型地震が発生した際の、木造住宅の倒壊件数は以前と比較して、近年の建築の住宅の倒壊は非常に少なくなっています。
住宅の基礎と言えば、新築時にベタ基礎ならまずは安心と言ったところではあるのですが、、、
実は、30年以上前から主流となり出したベタ基礎なのですが、最近になって、ベタ基礎の住宅の解体が増えてきて、思いも寄らない問題が起こりはじめたのです。
ベタ基礎って、めちゃくちゃ解体しづらいのです汗
考えてみてください、住宅を支えていた床一面に敷かれた鉄筋コンクリートの構造を壊していくのです。実際布きそと比較して、どういうことになるかというと、、、
・重機で時間をかけて解体していくので、工期が伸びる
・大量のコンクリートガラが出るので、産廃ダンプの台数と作業員数、産廃費用が増える
・コンクリートに鉄筋が配筋されているので、これを分別する作業が発生する
このように、ベタ基礎を採用された住宅の解体では、工期は伸び、費用も高くなってしまいます。
以上を踏まえて、布基礎とベタ基礎のメリットとデメリットをまとめて解説していきましょう。
布基礎
・新築も解体もコストが抑えられる
・耐震性は高くはない
・床下の通気が悪いと湿気やシロアリの被害が起こる可能性がある
・施工はしにくい反面、解体はしやすい
布基礎とは、建物の壁に沿って、逆T字型のコンクリート打って配置された基礎のことです。縦方向に広がるのは、いわゆる基礎梁の部分で、横に広がるのはフーチングと呼ばれる部分です。
コンクリートを建物の外周や間仕切りの壁の下に感覚を開けて配置されて、住宅の重さをそれぞれの逆T字の基礎部分で均等に地盤に伝えている構造になっています。
住宅の荷重がそこまで大きくはなく、地盤がしっかりしていて、空気の通りも良い場所であれば、ベタ基礎でなくても、布基礎で十分な耐震性を維持できますので、条件によっては今でも布基礎を採用される場合はあります。
布基礎では、雨が降ったりすると地面からの湿気が木造住宅には非常に相性が悪く、数十年間も湿気に晒された木は、根元から腐ってしまって、耐震性が低くなってしまったり、シロアリの被害の元になってしまったりします。
布基礎の構造は、ベタ基礎のように床一面鉄筋コンクリートで覆われている訳ではないので、施工時にはまとめてコンクリートを流し込んでいくのではなく、しっかりと壁の配置位置を合わせて配置していく必要があります。一方、解体はそこまで難しくはなく、それぞれの基礎部分を重機で掘り起こせばいいので、一日の作業で通常は終わる場合が多いです。
ベタ基礎
・新築も解体もコストが高くなる
・耐震性の向上
・床下が一面コンクリートなので、湿気やシロアリの被害を抑えられる
・施工はしやすい反面、解体はしにくい
ベタ基礎とは、床下一面に鉄筋が配筋されたコンクリートを打たれた基礎のことです。布基礎のように、壁や間仕切り壁の下だけではなく、家屋の荷重を基礎全体で支えるようになるため、家屋の重さが分散されるのです。
耐震性は高まる一方で、使用されるコンクリート量が増えるため、新築時の基礎設置費用は、布基礎と比較して高くなります。そして、床下一面をコンクリートで覆うため、地面からの湿気の元を断つことで、木の柱が腐ってしまうのを防ぐだけでなく、シロアリの被害も同時に抑えることができるのです。
布基礎のように、コンクリート部分が壁や間仕切り壁に沿って部分的にある訳ではなく、床下全体になるので、新築時にはまとめてコンクリートを打てるので比較的楽に設置可能です。一方で、解体施工時には、全体を覆われたコンクリートを全て解体撤去していくので、作業は難しくなります。
ベタ基礎の解体で、丸2日以上はかかってしまうので、布基礎の解体と比較すると倍以上の工期が必要になります。
布基礎とベタ基礎の解体費用
ごく一般的な基礎解体で、例えば基礎が25坪(約82.5m2)のケースでは、
布基礎 82.5m2×2,800〜3,300円=231,000〜272,250円
ベタ基礎 82.5m2×4,000〜5,000円=330,000〜412,500円
弊社では、このような費用間で算出させていただいております。
弊社で施工した住宅解体の事例でお見積りをご紹介すると、こちらは横浜に所在していた軽量鉄骨造の布基礎だったのですが、木造と比べると少し単価が上がり47.32㎡に対して平米単価3,100円で解体し、146,692円の基礎解体費用となりました。
こちらは基礎部分の面積が狭かったので金額は安く済んでいます。
軽量鉄骨造住宅 解体工事の見積公開【外壁材=アスベスト含有サイディング】
詳しくは、こちらのブログで住宅解体のお見積りに関して、弊社の事例を詳しく解説していますので、ご興味がございましたらご覧ください。
布基礎とベタ基礎解体方法
布基礎は、壁に沿って設置された構造をそれぞれ重機で掘り起こして撤去するだけなので、比較的難しくはなく、一日の作業で終わることがほとんどになります。
ベタ基礎の場合、重機のブレーカーというコンクリートを破壊するアタッチメントを使用して、一面に敷かれたコンクリートを割っていくのですが、、、
コンクリートが頑丈すぎると、重機を使っても全然壊れないのです
そのため、壊れると想定されて運ばれてきた重機で壊れなかった場合、より大きなサイズの重機を用意して壊すことになるので、その作業は翌日以降に持ち越しになります。
そして、解体で発生するコンクリートの量がそもそも多いので、それをダンプに積み込むのですが、ダンプの台数も増えることになるため、そのダンプの使用量、運搬する人件費を合わせた運搬費用、そして産廃屋さんコンクリートガラで処分するための産廃費用が高くなってしまいます。
コンクリートには、鉄筋が配筋されていますので、これを分別する作業にも時間がかかります。コンクリートは産廃として捨てられるのですが、鉄筋はスクラップで買取になります。鉄筋を一緒にして捨てられないため、コンクリートに敷かれた鉄筋を分ける作業が費用になってしまうのです。
まとめ
家の解体をご希望される方は、古くなった戸建を更地にして二世帯住宅にするとか、もしくは資産の整理のために、古家のある土地の建物を解体して売却をするとか様々な理由があるかと思います。
住宅の解体なんて、どこでお願いしても同じでしょ、安い費用でさっと壊してよ、なんて思われていると、ベタ基礎を速やかに解体できずに、最初の見積金額では収まらずに追加料金が発生したりなんてのはよくあります。
せっかく愛着を持って過ごされた土地だと思います。しっかり、基礎の解体で起こりうるリスクを事前に知った上で、気持ちよく新築、または売却なさってくださいね。
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