スケルトンより難しい?内装解体の部分撤去を発注する前に注意すべき2つのポイント【解体業者が解説】
2022年6月20日更新
<解体業者が教える3つのポイント>
・内装の部分撤去で発注前に注意すべきポイントを解説
・内装解体の流れがわかるようになる
・実際の解体作業を画像付きで解説
目次
1 店舗・飲食店・オフィス・ホテル・カラオケ店の内装部分撤去で注意すべきポイント
1.1 解体業者が施主様のご意向をきっちりと理解できているか
1.2 現地調査時に、施工技術者目線の提案ができているかどうか
こんにちは!
内装解体職長の齋藤です。
今回は、内装解体において、スケルトンではなく部分撤去をお客様が解体業者に発注する前に、注意してほしい2つのポイントを解説していきます。
また、具体的にわかるように、先日施工が完了したホテルの内装解体の事例について、ご紹介していきます。
内装の部分撤去を発注する前に注意すべきポイント
解体業者が施主様のご意向をきっちりと理解できているか
店舗、飲食店、オフィス、ホテル、カラオケ店など内装を一部撤去してリフォームされたいケースも多いかと思います。
スケルトン解体でしたら、全部を壊していけばいいので比較的スムーズにいくのですが、、、
内装解体の部分撤去となると、解体業者は施主様のご意向を間違いなくお伺いしながら、現場の職人に伝えて施工管理をしていかなければいけません。
もし、現場の職人さんが今回が初めての外注さんだったり、外国人の方で日本語が慣れていなかったりで、うまくコミュニケーションが取れていないと、、、
「この壁は残して欲しかったのに」
「クロスはそのままにして欲しかったのに剥がされてしまった」
「買ったばかりのエアコンが撤去されてしまった」
このような信じられないことが、この業界では起こり得てしまうのです。
内装解体あるある
壊して欲しくないところまで壊してしまったケース。解体業者の担当が施主様のご意向をきっちり把握できているかどうか、そして施工管理と現場とのコミュニケーションが大事になります。
発注する予定の解体業者さんが、どのような施工管理をしてどのような職人体制を組むのか、事前に把握してみるのをおすすめします。
現地調査時に、施工技術者目線の提案ができているかどうか
先述の通り、スケルトン解体なら全部を壊して撤去すればいいので、多少荒く解体していっても大事にならないで済む場合もあるかと思います。
ですが、部分解体になると、残す部分と壊す部分があるので、、、
残す部分を傷つけたりせずに、バールや電動工具を使用しながら内装材を壊していく必要があるため、しっかりとした事前準備と施工計画が大事になります。
内装解体の現地調査
現地調査においては、平面図と断面図を見ながら、現地の状況を天井裏から目視で確認をして、どういった施工方法なら無理なく撤去できるかどうかをご提案する必要があります
解体業者が、お施主様のご意向を把握しながらも、平面図や断面図、そして現地調査で天井裏まで目視で確認して、施工計画を練っているかどうか確認していることをおすすめします。
それでは、実際の事例をご紹介しながら解説していきたいと思います!
実際の内装部分撤去の施工事例
ホテル内装工事の概要
キッチン、トイレ、洗面台など水回り撤去
間仕切り壁 約47m2撤去
ウッドデッキ 約23m2撤去
今回の工事はお客様から、建物の間取り変更のリノベーション工事のため、壁の一部と浴室、トイレの解体をご依頼いただきました。
部屋には残す予定のベッドやエアコンがあり、解体の前に移動したり養生設置など、工事の前に準備作業が必要な現場でした。
また、建物の1階がレストランで営業しながらの工事だったため、騒音や搬出などでご迷惑をお掛けしないよう注意しながら作業を行いました。
準備作業
まずは、荷物の搬出を行います。
移動の際に、汚れやキズに注意しながら、荷物保管スペースまで運びました。
移動が出来ないエアコンなどは、ホコリがつかないようにマスカーを使用して、養生を行いました。
次に、浴室とシャワーの給水を止めます。
他のフロアで水を使用している箇所があるため、止水バルブを閉めてキャップをしていきます。
バルブで水が止まりきらない場合があるので、必ずキャップ止めを行います。
解体中に、他のフロアから水漏れなんてことになったら大事です。
ここまで準備をして、やっとメインの解体作業に取り掛かります。
内装解体は、事前準備が大事です。
内装解体工事
まずは、トイレの便器や建具など、壁を解体するのに障害となるものから外していきます。
水も止めてありますし、エアコンも養生がしてあるので問題なく解体できました。
壁の解体ですが、作業前に天井裏から確認したところ、壁を先に作ってから天井工事をしている物件であることがわかりました。
図にするとこんな感じ。
平面図は、あらかじめお客様から頂いていましたが、断面図は無かったため図面からは見えない箇所でした。
ホテルやカラオケボックスなど、音を外に出したくない部屋は、天井からの音抜けを防ぐため、このように壁から作るのが基本的です。
このまま壁だけ撤去すると、天井の中に壁のボードと下地が残ることになるので、現場監督と相談をして、一部天井を開口してから壁を解体する事になりました。
ちなみに、天井材は躯体から数か所で吊ってあるので、壁を撤去しても十分保持されています。
躯体の構造の知識を持って、施工計画を立てないで部分撤去をしてしまって、施工後に思わぬ不具合など起こってしまわないように、施工計画を立てていきました。
浴室は、周りの壁がなくなったら配管を確認しながら、解体していきます。
部分撤去ですので、お施主様から事前に配管は再利用すると伺っていため、破損させないよう注意しながら作業していきますが、配管に使われていたパイプが細かったので、補強をとってから作業しました。
内装解体工事は、以上となります。
作業時間は、3人で3日、産廃は3トントラック3台でした。
現場の前に、トラックを停車させて作業しましたが、室内から外まで階段で搬出を行ったので、時間がかかりました。
ウッドデッキ解体
次に、ウッドデッキの解体です。
こちらも、施工管理と現場の職人さんとの事前打ち合わせで、材木に設置してある看板や照明など、残す物があったので先に外しておきました。
後は、木組みで作られたウッドデッキなので、上から順番に壊していきます。
解体はボルトを外すだけで十分でしたので、インパクトドライバーで撤去していきました。
とても大きな木でしたが、切断すると多少なりとも音とホコリが建つため、そのままのサイズでも十分車輛に乗るサイズだったため、そのまま車両に積み込みしました。
ただし、外す作業より、積み込み作業が大変でした。
今回は、チームワークがバッチリだったので、特に問題なく解体出来ました。
解体作業は、事前準備とチームワークが本当に大事です。
同じ位置に、ウッドデッキを再度設置するとのことで、基礎は残しでした。
後は、デッキがあった所の掃除をして完了です。
材木が古いとボロボロと木くずが出てくるため、掃除も一苦労ですが、まだ新しい木だったので大して散らからず助かりました。
作業は4人で1日、トラックを使用しました。
難しい所はありませんでしたが、木を外す時など危険を伴う場面があり気をつけて作業をしたので少し時間がかかりました。
まとめ
というわけで、スケルトンではなく、内装の部分撤去を発注する前に注意すべき2つのポイントを、解説しました。
その上で、ホテルのリノベーションのための内装の部分撤去解体の様子を、事例としてお伝えしました。
今回の現場では、間仕切り壁の撤去でテクニカルな作業はありましたが、お施主様には施工方法を事前にご提案した上で、無事作業終了しました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
内装解体は、お客様の大事な資産を蘇らせる過程になります。
リノベーション工事の部分撤去をご発注される際に、何かしらのヒントになっていただけましたら幸いです。
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