鉄筋コンクリート(RC)造のビルの解体費用と工事の流れを実際の施工事例で紹介【解体業者が解説】

2026/10/08更新
<解体業者が教える3つのポイント>
- RC造ビルの解体費用の目安と、5階建てビルの実際の総額・内訳
- 付帯設備・アスベスト・杭など、ビルならではの費用が上がるポイント
- テナント退去から整地までの全体スケジュール
目次
2.4 アスベストのレベル1〜3の違いと、ビルで注意すべき箇所
2.5 杭・ピット・フーチングの有無によって金額が全然変わる
4 鉄筋コンクリート(RC)造のビルはどこに解体を依頼すればいいの?
RC造ビルの解体費用の目安と、今回の事例の総額
RC造の解体費用は、建物本体で坪6〜8万円程度が一つの目安です。延床面積ごとの本体解体費は、次のとおりです。
| 延床面積 | 本体解体費の目安 |
|---|---|
| 100坪 | 600〜800万円 |
| 200坪 | 1,200〜1,600万円 |
| 300坪 | 1,800〜2,400万円 |
※建物本体の解体費の参考値です。アスベスト除去、杭抜き、付帯設備の撤去、交通誘導員などの費用は含みません。鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)は、RC造より高くなる傾向があります。
ただしビルの場合、本体以外の費用の比重が住宅よりも大きくなります。今回ご紹介する5階建てビル(工期約4ヶ月)の見積り総額は2,073万円でした。
| 項目 | 金額 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 仮設工事 | 584万円 | 防音パネル養生(約400万円)、仮設事務所・トイレなど |
| 解体工事 | 944万円 | 内装・躯体・基礎の解体。約半分が産廃処分費 |
| 付帯工事 | 156万円 | 屋上物置・浄化槽・受水槽などの撤去 |
| 杭引き抜き工事 | 234万円 | 杭の引き抜きと埋め戻し |
| その他(諸経費など) | 約155万円 | 交通誘導員・現場管理など(鉄筋の買取額は差し引き済み) |
| 総額 | 2,073万円 |
養生・産廃・杭抜きの3つが費用を押し上げていることが分かります。詳しい内訳は「RC造ビルの解体費用の見積り公開」の記事で解説しています。
鉄筋コンクリート(RC)造ビルの解体費用の特徴
解体費用の特徴

鉄筋コンクリート(RC)造ビルの解体費用の特徴として、まずは工期が長くなる傾向にあるのと、それに伴って解体費用も高くなる傾向にあります。
鉄筋コンクリート(RC)造の解体費用の相場は、他の解体サイトを見ても坪6~8万円くらいが相場ではないでしょうか。
鉄筋コンクリート(RC)造と言っても、周辺の環境、アスベストの有無、杭・ピット・フーチングの有無によって金額は全く異なってきます。
「特にビルとなると、都心部で狭い敷地にめいいっぱい建てられていて、隣地もビルで、歩行者も多いから時間をかけて壊すしかないよな。」
「そして、もしアスベストレベル1〜2があったら、その処理に建物全体を覆って外にアスベストが舞ってしまうことがないように養生で特別な除去をして、アスベスト用の特別産廃処理をして、、」
「ビルの階数も高くなると、杭やピット構造、フーチングで基礎をガチガチに固めていると杭抜きと基礎撤去で金額が、、」
などなど、多くの懸念材料が発生してきます。
現場を知れば知るほど、RC造を坪4万円で安く簡単に壊せます!なんて無責任なことはとても言えません。。
これって、最近は本当に多くなってしまいましたが、何社も解体業者で見積もりを競い合わせて、価格を安くして、、
というより、、、
そもそも原価計算がしっかりできているのか
施工管理計画がしっかりできているのか
懸念材料を見積もり段階で全て洗えていて発注者様に報告できているのか
安請負をして後で不当な追加費用の請求はないのかどうか
など。
解体業者の信頼性の問題の方が大事な気がしてなりません。
お客様が安心して発注できる解体業者を一社探してみてくださいね。
さて、それでは解体費用が大きく変わってしまう要因を一つ一つ見ていきたいと思います。
RC造ビルの解体費用について具体的に知りたい方は、実際のお見積りをこちらで公開していますので、ご覧になってください。
鉄筋コンクリート(RC)造ビルの解体費用の見積り公開【ビルならではの特徴を項目別に解説】
周辺環境によって金額が全然変わる

ビルとなると、都心部で駅が近く、歩行者が多い環境が考えられます。
そして、狭い立地で解体にあたって必要な産廃ダンプを置くスペースも限られていて、交通誘導員が必要になるパターンが多いです。
数ヶ月間にわたってビルを解体している間、交通誘導員(人件費1名で20,000円前後が相場)を数名置くだけで、数百万円以上のコストになることも多いです。
狭い立地のため、産廃の運び出しも丁寧にする必要があり、ダンプも多いなサイズが入らないと小さなサイズで何度も産廃処理場と現場を往復する必要が出てきます。
重機の解体は、屋上から解体を始めますが、こちらも隣もビルとなると日中は当然大きな音は出せないので、丁寧にゆっくりとした作業になってしまいます。
このように、周辺環境によって、交通誘導員の設置の必要性や、作業スピードは全く変わってきますので、解体費用に大きな影響が発生します。
アスベストの有無で金額が全然変わる

通常、木造住宅の解体などではアスベストレベル3が多く、金額にして十万数円規模で除去できることも多いので、そこまで大掛かりな工事にはならないのですが、ビルのような大きな建物になると、アスベストレベル1~2が出てしまうと、、、
アスベストの撤去に、建物の解体費用総額ほどの金額がかかる場合もあります。
最近は法令改正もあり、アスベストの除去の規制がとても厳しくなりました。法令遵守をし、きっちりとした除去をするのはいいのですが、その分発注者様のご負担も増えており、なかなか難しいなとも感じます。
解体をする建物にアスベストが入っている可能性のある建材が含まれている場合は、アスベストが入っているかどうかの検体検査は必ず必要になってきますので、ご注意ください。
アスベストのレベル1〜3の違いと、ビルで注意すべき箇所
アスベスト(石綿)含有建材は、飛散のしやすさでレベル1〜3に分かれます。
| レベル | 主な建材 | ビルで見つかりやすい場所 |
|---|---|---|
| レベル1 | 吹付けアスベスト、吹付けロックウール | 機械室・駐車場の天井、鉄骨の耐火被覆 |
| レベル2 | 保温材・耐火被覆材・断熱材 | 配管・ダクト・ボイラーまわり |
| レベル3 | スレート・床タイルなどの成形板、仕上塗材 | 外壁の塗膜、床、天井ボード |
住宅ではレベル3がほとんどですが、ビルではレベル1・2が見つかることがあります。その場合は作業場所の隔離や負圧除じん機の設置が必要となり、除去費用が解体費用の総額に匹敵することもあります。レベル1・2の除去では、作業開始の14日前までに自治体への届出も必要です。
2022年4月からは床面積80㎡以上の解体で事前調査結果の報告が、2023年10月からは有資格者による調査が義務化されています。築年数の古いビルほど、調査の精度が費用の精度に直結します。
杭・ピット・フーチングの有無によって金額が全然変わる

ビルとなると、階数も高くなるので建物を支えるために、地中に杭やピット構造、フーチングが埋められている可能性が高いです。
もし、建築時の設計図面があれば、事前にお見積り金額に杭抜きなどの費用をご提示できますので、図面がある場合は解体業者に見せることをお勧めしています。
もし、設計図面がなかった場合、地中に何が埋まっているかわからないので、建物を壊した後になってから杭抜きやフーチングの撤去の追加費用で数百万円以上の請求が発生する場合がありますので、できる限り事前に把握されることをお勧めします。
いかがでしょうか。さまざまな懸念材料があることがお分かりいただけましたでしょうか?
それでは、実際に弊社で解体した鉄筋コンクリート(RC)造ビルの工事の流れをご紹介していきたいと思います。
鉄筋コンクリート(RC)造ビルの解体工事の流れ
隣地・道路使用許可申請・各種届出

この事例では、ビルの立地は駅から近く、歩行者も多く、解体するにあたって決してやりやすい環境ではなかったのですが、隣地が空き地になっていたので助かりました。
こちらの使用許可をいただき、また道路部分も行政に使用許可を得ることで、狭いながらも産廃搬出のスペースを確保することができました。
道路部分を使うので、交通誘導員を1名40日間置くことになりました。
防音パネル養生

まずは、解体する前に養生を防音パネルで行っていきます。
住宅の解体ですと、養生シートで済みますが、ビルの場合は解体材が地上に落ちてしまうなんてことが絶対ないようにパネルで頑丈に養生をする必要があります。
また、工期が長くなるため、仮設の事務所とトイレも設置していきます。
屋上物置・浄化槽・受水槽の撤去

屋上部分には、物置と、浄化槽、受水槽が設置されていたため、これらを手壊し解体でまず撤去していきました。
ビルならではの付帯設備と撤去の注意点
ビルには、住宅にはない設備が多く残っています。見積りの段階で、撤去範囲に含まれているかを確認しましょう。
| 設備 | 注意点 |
|---|---|
| 受水槽・高架水槽 | 水抜き後に撤去。屋上設置の場合は手壊し・吊り下ろしが必要 |
| 浄化槽 | 清掃・消毒をしてから撤去 |
| エレベーター | 専門業者による解体・撤去が一般的 |
| キュービクル(受変電設備) | 電力会社への受電停止の手続きが必要。古いトランスやコンデンサはPCBの確認が必須 |
| 業務用エアコン | フロン排出抑制法により、解体前の確認とフロンの回収が必要 |
| 屋上看板・広告塔 | 高所作業となるため、手壊しや揚重の計画が必要 |
特にPCB(ポリ塩化ビフェニル)は、高濃度のものはすでに処分期限を過ぎており、低濃度のものも2027年3月末が処分期限です。古いビルでは照明の安定器なども含めて早めに確認しておくことが大切です。
内装材の撤去

屋上をあらかた綺麗にしたら、今度は内装を撤去して、室内をできるだけ何もない状態にしていきます。
当然、内装も分別解体で木屑、混合廃棄物に分けて搬出していきます。
もし内装を残したまま、ぐちゃぐちゃに重機で解体を始めてしまったら、後から分別できなくなり、産廃費用が高額になってしまいます。
きっちり分けて綺麗に搬出する方が、実は早いし、費用も安く済むのです。
重機養生・重機解体

内装を撤去できたら、今度は重機を屋上に揚重して上から建物を解体していきます。
建物の真ん中にダメ穴という1階下に解体材を落とす穴を作り、解体材の搬出は1階部分に産廃ダンプに乗せていきます。
地上解体と階上解体はどう決まる?
RC造ビルの解体方法には、地上から大型重機で解体する「地上解体」と、重機をクレーンで屋上に揚げて上の階から解体する「階上解体」があります。
今回の5階建てビルは駅に近い都心部で、敷地や前面道路に大型重機を据えるスペースがなかったため、重機を屋上に揚重する階上解体を選びました。中央に開けた開口部(ダメ穴)から解体材を1階へ下ろすことで、歩行者の多い道路側への落下リスクを抑えています。
工法ごとの特徴は「RC造建物の解体費用と解体方法」で詳しく解説しています。重機揚重の様子は、動画でもご覧いただけます。
基礎解体・杭抜き

建物部分の解体を終えたら、今度は基礎の撤去をしていきます。
この建物は設計図面から杭が地中に埋まっていましたので、杭抜きをして杭のあった穴を埋め戻しをしました。他に地中埋設物がないか、試掘をしていき、地中埋設物の撤去を終えたら整地をして完了となります。
杭の種類と杭抜き費用の考え方
ビルの多くは、地盤に杭を打って建物を支えています。杭には、工場で作られたコンクリート杭や鋼管杭を打ち込む「既製杭」と、現場で穴を掘ってコンクリートを流し込む「場所打ち杭」があり、場所打ち杭は口径が大きく、引き抜きの費用も高くなる傾向があります。
杭を残したままにすると、土地の売却時に地中障害物として問題になったり、建て替えで新しい杭と干渉したりするおそれがあります。今回の事例では設計図面で杭の位置と本数を事前に把握できたため、杭抜きと埋め戻しを見積りに反映でき(234万円)、着工後の追加費用を防げました。
整地

このように、5階建てのビル綺麗に解体することができました。
4ヶ月間の工期となりましたが、無事に解体をすることができました。
RC造ビル解体の全体スケジュール
ビルの解体は、工事そのものより前の準備に時間がかかります。
| 段階 | 期間の目安 | 主な内容 |
|---|---|---|
| テナント退去 | 半年〜1年以上 | 退去交渉・原状回復 |
| 現地調査・見積り | 1〜4週間 | 図面確認、アスベスト事前調査 |
| 各種届出 | 着工の2〜4週間前 | 建設リサイクル法(7日前まで)、道路使用許可、石綿の報告 |
| 解体工事 | 2〜4ヶ月 | 今回の事例は約4ヶ月 |
| 解体後 | 1ヶ月以内 | 建物滅失登記 |
テナントが入居中の段階からご相談いただければ、退去のスケジュールに合わせて施工計画を立てられます。
鉄筋コンクリート(RC)造のビルはどこに解体を依頼すればいいの?
鉄筋コンクリート(RC)造のビルの解体の注意すべきポイントと、実際の解体の流れは掴めましたでしょうか?
最近は、弊社でも鉄筋コンクリート(RC)造のビルの解体のご依頼をいただくことも増えてきています。
ビルはこれまでオーナー様が所有されていた大事な資産ですし、ビルの解体は、気を遣う部分が通常の解体とは異なるポイントもいくつかございます。
ビルを解体するって、意外といろんなことに気を遣って工事をしているのがわかっていただけたかもしれません笑
お見積り時点で、事前に施工計画をしっかり説明してくれる解体業者に発注することをお勧めします。
「建物を壊して更地になってしまえば、どこに頼んでも同じ。」
そんなことはありません。
費用の比較ばかりで解体業者を選ぶと、こんなところで痛い目に合ったりします。
お客様が本当に信頼できる一社を探してみてくださいね。
【解体業者へ直接発注】解体費用を抑えながら高い施工技術を実現します
解体業界では、価格比較サイトがとても増えました。複数業者の相見積もりで価格を比較して、お客様に選んでもらうシステムです。
確かに、業者同士でお見積りを競い合わせれば、お客様のお支払いする解体費用は安くなると思います。
ただ、あまりに行き過ぎた価格競争によって、現在では本来必要とされる正しい施工計画で解体をなされない現場が増えてきている懸念を感じています。
価格比較サイトのデメリット
・価格比較サイトから解体業者に紹介料マージンが10~20%発生している
・一人親方や数人規模の業者が多いため、施工技術にムラがある場合がある
・解体費用は安くなる一方で価格競争になる分、施工管理が煩雑になる場合がある
総合解体業者へ直接発注のメリット
・価格比較サイトへの紹介マージンがかからない分、正しい施工計画を立てられる
・様々な現場を経験した職人による施工で安心した施工ができる
・鉄骨造やRC造の解体に必要な建機を自社保有するためレンタルのマージンをカット
解体業者へ直接発注で紹介料マージンを抑えながら、、、
騒音・粉塵など近隣への配慮が必要な現場
鉄骨造、RC造など専用の建機とアタッチメントが必要な現場
アスベストがあって規則に沿った対応をすべき現場
これらのご相談は特に、総合解体業者であるリプロなら、お客様も納得のいく解体施工をご提供できるかと思います。
空き家の解体は、ぜひリプロにご相談いただけると幸いです。
もし、お見積りのご依頼ございましたら、ぜひ弊社までご連絡いただけましたら幸いです!
【まとめ】この記事のまとめ
- RC造ビルの本体解体費は坪6〜8万円程度が目安ですが、養生・産廃・杭抜きの比重が大きくなります
- 今回の5階建てビルは、総額2,073万円・工期約4ヶ月でした
- 受水槽・キュービクル・業務用エアコンなどの付帯設備や、レベル1・2のアスベストの有無で費用は大きく変わります
- テナント退去や届出を含め、計画の初期段階から施工計画を相談できる総合解体業者への直接依頼が安心につながります
【FAQ】よくある質問
Q. テナントが入居中でも、見積りを依頼できますか?
A. 可能です。退去の時期に合わせて施工計画を立てられるため、早めのご相談をおすすめします。立ち入りできない区画がある場合は、図面をもとに概算をお出しします。
Q. 杭は必ず抜かなければいけませんか?
A. 必須ではありませんが、売却や建て替えの予定がある場合は抜くのが一般的です。残すと地中障害物として扱われ、後から撤去費用が発生することがあります。
Q. 設計図面がない場合はどうなりますか?
A. 見積りは可能ですが、杭やピットの有無が分からず、着工後に追加費用が発生するリスクがあります。試掘で事前に確認する方法もあります。
Q. ビルの解体費用は、会計上どのように扱われますか?
A. 建物の帳簿価額は除却損、解体費用は原則として費用として計上できますが、取得してすぐ取り壊す場合などは土地の取得価額に含める扱いになります。顧問の税理士にご確認ください。
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