天候が良くない日にも解体工事は行うのか
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天気が良くない日も解体作業は行われる
こんにちは!木造解体の職長です!
着工前や着工時にお客様と工期のお話しをする際、雨天でも作業は行うのかとご質問を頂くことがあります。
それもそのはず。
もし、雨が何日も続いてしまうと、建物を解体して土地を更地にした後に予定している新築が遅れてしまったり、更地にして売却する予定が遅れてしまったりするかもしれないと、不安になるのは当然のことだと思います。
解体作業は実際のところ、、、
天候が良くない日も住宅解体工事は作業を行うことが多いです。
もちろん、視界が遮られるような豪雨の場合には、お休みを頂くか、または様子をみて作業を行うかどうか判断します。ですが、多少の雨なら解体作業は行います。
内装解体作業は影響を受けませんし、躯体の解体作業時には散水と併せて、雨が降る事でホコリの発生を抑えることができます。
実際に仕事を行う作業員の方々は大変ですが、、、
作業員の皆は、雨天時の作業は慣れたものなのです笑
安全長靴に雨カッパをしっかり準備して現場に入ります。状況により着替えも用意して、体調を崩さないように気を付けます。
この世界は、身体が資本のお仕事です。
皆、自分の身体は自分で守ります。
天気が良くない日に行われない解体工事
ただ、作業内容によっては天候の影響を受けてしまい解体施工が出来ない場合もあります。
雨天の解体作業
雨天時に行わないことが多い作業としては、、、
養生組立て
屋根葺き材撤去(下地手壊し)
基礎解体・試掘・整地
です。
養生組立て
養生とは、解体する建物の周りをシートで囲って、単管パイプ等を使用して組立てていく保護することを言います。
雨が降っていると、このパイプが濡れてしまって、作業員がパイプに足を掛けるにしても持つにしても、滑って危険な場合があります。
木造住宅の解体の場合、建物の側面全体を囲う必要があるため、1日がかりで養生をするので、雨の降っていない日に一気にやってしまった方が危険性の面でも、効率の面でも良いのです。
屋根葺き材撤去(下地手壊し)
屋根葺き材撤去作業と、屋根下地撤去作業も、雨天時には基本的には行いません。
土瓦やスレート瓦は濡れるとやはり滑ってしまいます。養生を組立てた後の作業とはいえ、屋根の上で滑って体勢を崩してしまうことは避けたいです。もし、作業員が滑って屋根から落ちるなんてことになってしまったら大変なことです。
そうならなくても、屋根材を手から滑って隣地に落としてしまうなんてことがあっても大変なことになってしまいます。
それでは、雨の日は全く施工が進まないかというと、そうではありません。
これらの作業は、工程の中で比較的初めのうちに行う作業のため、予定していた日が雨の場合は、同じく工程の初めの方にくる内装解体作業を代わりに行うことが多いです。
内装解体では、例えば畳を剥がしてみたり、内装ボードを撤去してみたり、造作された収納を撤去したりといった作業になります。
基礎解体・試掘・整地
基礎解体、試掘、整地作業時には、土が見えている状態になります。
土が雨で濡れてしまうと、ベトベトになってしまい重機が動けなくなってしまったり、土と撤去したい工作物の分別が難しくなったりします。
最後の整地作業は、基本的には晴れた日に行いたいです。
なんと言っても、最後にどう綺麗に仕上げてお客様にお渡しできるのか、解体業者の腕の見せどころや解体への姿勢が決まる整地作業なのですが、濡れてしまった土をいくらいじっても綺麗な仕上げはできません。
小雨で且つ多少濡れても変わらないような土質であれば、作業を行うこともあります。また、重機を一箇所から動かさずに、コンクリートガラの破砕作業のみを行うケースはあります。
しかし、上記のようなケースを除き、土が見えている状態になってからの作業は、雨天時にはお休みを頂くようになってしまうことが多いかと思います。
風の強い日の解体施工
風が強い日に行わない可能性がある作業は、、、
養生のシート設置
躯体の壁倒し
飛散の恐れがある積込み
などでしょうか。
養生のシートは約1.8m×5.4mのものを使用することが多いです。
結構大きいのです笑
これを強い風が吹く中で、一枚一枚上手く張っていくのは難しいです。
上の方を最初に結んで下を順番に結んでいこうとして、風を受けたシートが鯉のぼり状態になってしまった、なんてことになりかねません。
シートが広がった先に何もなければ問題無いですが、電線に絡まってしまったりしたら大事故につながってしまいます。
ですので、基本的に風が強い日にはシート類は施工しないようにします。
台風の前日には、設置した養生シートをカーテンのように丸めて単管パイプに結び付けておきます。
こうしておけば、シートが風を受けることがなくパイプにも影響はありません。
壁倒しと養生を下げる作業はセット
躯体の壁倒しも風の強い日には控えたい作業です。
倒す壁が風を受けてしまうと上手く解体出来ない可能性があります。
そして、壁を倒した後は養生を下げなければなりません。
躯体の壁が無くなり、単管とシートだけになった養生をそのままの高さで残しておくと、シートが風をモロに受けてしまいます。この力は相当なものです。パイプを曲げてしまうこともありますし、場合によっては養生が倒れてしまいます。
壁倒しと養生を下げることはセットの作業です。
強風の中、壁倒しが上手くいったとしても、養生を下げる作業は危険でリスクが高い作業になってしまいます。
積雪の解体施工
雪が降ってしまった場合は、積雪・凍結による危険が無ければ躯体解体工事は行うことが多いです。
しかし、雨の場合と同じく、基礎解体・試掘・整地作業は難しいです。積雪の状況によっては、雪がとけて土が乾くまで2~3日お休みを頂くようになってしまいます。
以上のように、私たちは天候が良くない日でも、危険や作業内容に支障が無ければ基本的に現場に行き施工を行います。
現場の職長は、週間の天候チェックも仕事の一つです。天候に合わせて週間の工程をイメージし、作業内容を決めていきます。現場を休工にするかどうかの判断も必要となります。
まとめ
住宅解体工事は天候と密接に関わってきます。
特に今の梅雨時期は、天候チェックに気を使います。
小雨予報だから、基礎上げだけはやっておこうと思い今日も現場に向かいます。
ただ、本心としては、スッキリと晴れた青空の下で爽やかな気分で仕事をしたいですけどね(笑
<住宅解体の事例紹介 その1【解体業者の心配りと気遣い編】>
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