鉄骨造(S造)のマンション解体の解体費用と工事の流れを実際の施工事例で紹介
<解体業者が教える3つのポイント>
・鉄骨造のマンションの解体の特徴を解説
・施工にあたって解体業者の目線で解説
・実際の解体作業を画像付きで解説
目次
3 鉄骨造(S造)のマンションはどこに解体を依頼すればいいの?
鉄骨造(S造)のマンションの解体費用の特徴
解体費用の特徴
鉄骨造(S造)のマンションの解体費用の特徴として、まずは工期が長くなる傾向にあるのと、それに伴って解体費用も高くなる傾向にあります。
鉄骨造(S造)の解体費用の相場は、他の解体サイトを見ても坪4~6万円くらいが相場ではないでしょうか。
ただ、坪4~6万円というと、価格に1.5倍の差が発生しています。
これって相場って言えますでしょうか?
しかも、この価格は、もしアスベストレベル1があった場合、坪6万円なんて金額で済む訳がありません。インターネットでの解体価格の相場ほど、適当なものはないような気がしてなりません。
なぜこのようなことが起こるかというと、、、
鉄骨造(S造)と言っても、周辺の環境、アスベストの有無、地中埋設物の有無によって金額は全く異なってくるからです。
「特に鉄骨造のマンションとなると、都心部の閑静な住宅地で狭い敷地にめいいっぱい建てられていて、隣地も住宅やマンションで、歩行者も多いから時間をかけて壊すしかないよな。」
「そして、鉄骨造のマンションで多いのが、鉄骨にアスベストの吹き付けがあったら、それはアスベストレベル1。レベル1の除去なんて作業があったら、その処理に建物全体を覆って外にアスベストが舞ってしまうことがないように養生をしてから石綿除去をして、アスベスト用の特別産廃処理をして、作業員の防護服とマスクなど含めてトータルで600万円くらいか、、(アスベスト除去だけで坪6万円を超えます)」
「鉄骨造だとマンションといえども、地中に杭やピット構造、フーチングがあると、コンクリート製の地中梁やスラブの撤去に100〜200万円くらいかな、、」
などなど、多くの懸念材料が発生してきます。
現場を知れば知るほど、鉄骨造を坪4万円で安く簡単に壊せます!見積もりを他社と比較すれば安くできます!なんて無責任なことはとても言えません。。
これって、最近は本当に多くなってしまいましたが、何社も解体業者で見積もりを競い合わせて、価格を安くして、、
というより、、、
そもそも原価計算がしっかりできているのか
施工管理計画がしっかりできているのか
懸念材料を見積もり段階で全て洗えていて発注者様に報告できているのか
安請負をして後で不当な追加費用の請求はないのかどうか
など。
解体業者の信頼性の問題の方が大事な気がしてなりません。
鉄骨造のように、解体施工に技術と経験と知識が必要となる場合は、お客様が安心して発注できる解体業者を一社探してみるというのが良いのではないでしょうか。
さて、それでは解体費用が大きく変わってしまう要因を一つ一つ見ていきたいと思います。
鉄骨造のマンションの解体費用について具体的に知りたい方は、実際のお見積りをこちらで公開していますので、ご覧になってください。
鉄骨造(S造)のマンションの解体費用の見積り公開【鉄骨アスベスト吹き付けアスベストレベル1除去】
周辺環境によって金額が全然変わる
鉄骨造のマンションとなると、弊社にお問い合わせいただくのは、都内の静かな高級住宅地で、前面道路は歩行者が多い環境が考えられます。
そして、狭い立地で解体にあたって、必要な産廃ダンプを置くスペースも限られていて、交通誘導員が必要になるパターンが多いです。
数ヶ月間にわたって戸建て住宅を解体している間、交通誘導員(人件費1名で20,000円前後が相場)を数名置くだけで、百万円前後のコストになることも多いです。
狭い立地のため、産廃の運び出しも丁寧にする必要があり、ダンプも多いなサイズが入らないと小さなサイズで何度も産廃処理場と現場を往復する必要が出てきます。
特に、鉄骨造となると、鉄骨のおろし作業と積み込み、運搬処理が多く発生してしまいます。現場管理がしっかりできていないと、周りに住む通行人の方に大変危険な状態を起こしてしまう可能性もあるのです。
重機の解体は、マンションの場合、屋上に重機を揚重して、上から壊していきます。隣地は住宅やマンションで隣地との距離も狭く、日中は当然大きな音は出せないので、丁寧にゆっくりとした作業になってしまいます。
特に、建て替えの場合、施主様はその土地に一生住み続けます。
見積もりを安くするために、交通誘導員の不設置や、大きな騒音や粉塵など発生させながら短い工期の無理な施工計画で工事を行い、歩行者への事故や近隣トラブルを起こすことの方がよっぽどリスクだと考えています。
このように、周辺環境によって、交通誘導員の設置の必要性や、作業スピードは全く変わってきますので、解体費用に大きな影響が発生します。
鉄骨にアスベスト吹き付けの有無で金額が全然変わる
通常、木造住宅の解体などでは屋根材または外壁材のアスベストレベル3が多く、金額にして十万数円規模で除去できることも多いので、そこまで大掛かりな工事にはならないのです。
が、鉄骨造の場合、鉄骨へのアスベスト吹き付けがある場合が考えられます。この場合、アスベストレベル1となり、最も注意を払わないといけない除去となります。
アスベスト吹き付けの場合、建物全体をアスベストが飛散しないように養生で覆いながら、作業員はアスベストが付着しないように防護服とマスクを装着し、内装や床は全て養生を行なって、吹き付けは剥離剤で剥がして、特別管理の産廃処理を行う必要があります。
この場合、、、
アスベスト吹き付けの撤去に、数百万円規模の金額がかかる場合があります。
最近は法令改正もあり、アスベストの除去の規制がとても厳しくなりました。
法令遵守をし、きっちりとした除去をするのはいいのですが、その分発注者様のご負担も増えており、なかなか難しいなとも感じます。
解体をする建物にアスベストが入っている可能性のある建材が含まれている場合は、アスベストが入っているかどうかの検体検査は必ず必要になってきますので、ご注意ください。
地中埋設物の有無によって金額が全然変わる
鉄骨造となると、低層のマンションといえども、建物を支えるための杭やピット構造、フーチングが埋められている可能性が高いです。
この写真は、今回ご紹介する現場で埋められていたラップルコンクリート。道路側の地中に、昔の基礎がそのまま埋まっていて、昔の基礎部分を避けるように、コンクリートのかたまりを埋めて、建物を支えていたようです。
もし、建築時の設計図面があれば、事前にお見積り金額に床下基礎の解体費用のご提示ができますので、図面がある場合は解体業者に見せることをお勧めしています。
もし、設計図面がなかった場合、地中に何が埋まっているかわからないので、建物を壊した後になってから杭やフーチングの撤去の追加費用で数百万円以上の請求が発生する場合がありますので、できる限り事前に把握されることをお勧めします。
ただ、平面図があったとしても、基礎はわかりません。このように予期せぬ地中障害物はあることがございます。マンションやビルなど、大型の建物の場合は特に地中障害物には注意が必要になります。
いかがでしょうか。
さまざまな懸念材料があることがお分かりいただけましたでしょうか?
それでは、実際に弊社で解体した鉄骨造のマンションの工事の流れをご紹介していきたいと思います。
鉄骨造(S造)のマンションの解体工事の流れ
アスベスト除去の養生
今回の現場では、事前の現地調査時に、天井のデッキと鉄骨へのアスベスト吹き付けの恐れがありました。
ですので、検体検査を行ったところ、含有が認められたため、建物を解体する前に先行して、アスベストの除去を行なっていきます。
今回はアスベストレベル1ですので、写真のように、内装や床にアスベストが落ちても除去できるように、隔離養生を徹底して行います。
鉄骨アスベスト吹き付け除去作業
天井を開けると、このようにデッキと鉄骨が剥きだしになるのですが、このようにアスベストは綺麗さっぱり除去しました。
木造住宅などで多いレベル3とはわけが違い、天井デッキと鉄骨への吹き付けなので、アスベストもすごい量が発生します。近隣に飛散するなんてことが絶対ないように、特に丁寧に作業を行いました。
防音シートの養生
先行で、アスベストの除去作業が終わったら、今度は防音シートで建物を解体するための養生を行なっていきました。
内装材の撤去
躯体の解体作業を開始する前に、間仕切りや造作などの内装材を撤去していきます。
躯体は重量鉄骨でしたが、内装は軽量鉄骨での間仕切りとなっていました。
事前に、内装を分別して解体することで、混合廃棄物の排出量を減らすことができるので、トータルの解体の産廃費用は安くなります。
ミニショベル揚重
内装を撤去し、できるだけ躯体部分のみになったら、今度はミニショベルをクレーン車で揚重していきます。
鉄骨造の場合、屋上がデッキスラブ(RC造のようのコンクリートではない)なので、できるだけ重量のある大きな重機は乗せたくはありません。
ですので、重量の軽いミニショベルと手壊し解体で、屋上から3階部分を解体を始めました。
屋上・3階部分重機解体
屋上と3階部分は、このようにミニショベルで解体した解体材をまとめて、クレーンで1階の産廃ダンプまで搬出していきます。
1階から強引に大型重機を伸ばして解体すると、1階・2階は解体材でぐちゃぐちゃになってしまいます。
そして、近隣は歩行者も多い住宅街です。
解体材の落下など、もしものことがないように、丁寧に素早く分別して解体していきます。
1階・2階部分重機解体
1階と2階部分は、地上から大きめの0.45クラスの重機で、ガンガン壊していきます。
躯体の鉄骨部分は、重機2台で、支える役、切断する役と分かれて速やかに鉄骨をカットしていきます。
鉄骨の解体は技術がいる作業です。
もし、重機で強引に鉄骨を引き剥がそうとすると、現場および歩行者に危険が及んでしまいます。
酸素ガスで熱で溶かして解体するケースもありますが、重機2台で綺麗に切断していくのは、解体重機オペレーターとして職人の腕の見せどころになります。
基礎解体・地中埋設物撤去
重量のあるマンションを支える基礎ですので、写真のようにこれだけのコンクリートガラが発生します。
そして、前半部分でお伝えした、予期せぬ地中障害のラップルコンクリートも出てきました。
2㎥ほどのコンクリートのかたまりを複数地中から撤去しました。
もし、これらの地中障害物を埋めたままにしてしまうと、新築の際に建物を建てられなくなりますし、土地を売却する際には、買主さんとのトラブルが発生してしまいます。
弊社では、基礎撤去後に、約50cm~1mほど、土地全体を試掘し、地中に埋設物が残ってしまって、施主様が将来にわたってトラブルを起こさないように施工しています。
整地
地中に埋まったコンクリートガラを搬出したら、重機で土地を綺麗にして完工となります。
地中埋設物はありましたが、それ以外は順調に施工が進み、予定より2週間早く工事を終わらせることができました。
鉄骨造(S造)のマンションはどこに解体を依頼すればいいの?
鉄骨造のマンションの解体の注意すべきポイントと、実際の解体の流れは掴めましたでしょうか?
最近は、弊社でも鉄骨造のマンションの解体のご依頼をいただくことも増えてきています。
住宅はこれまでオーナー様が所有されていた大事な資産ですし、鉄骨造のマンションの解体は、気を遣う部分が通常の解体とは異なるポイントもいくつかございます。
鉄骨造のマンションを解体するって、意外といろんなことに気を遣って工事をしているのがわかっていただけたかもしれません笑
お見積り時点で、事前に施工計画をしっかり説明してくれる解体業者に発注することをお勧めします。
「建物を壊して更地になってしまえば、どこに頼んでも同じ。」
そんなことはありません。
費用の比較ばかりで解体業者を選ぶと、こんなところで痛い目に合ったりします。
お客様が本当に信頼できる一社を探してみてくださいね。
【解体業者へ直接発注】解体費用を抑えながら高い施工技術を実現します
解体業界では、価格比較サイトがとても増えました。複数業者の相見積もりで価格を比較して、お客様に選んでもらうシステムです。
確かに、業者同士でお見積りを競い合わせれば、お客様のお支払いする解体費用は安くなると思います。
ただ、あまりに行き過ぎた価格競争によって、現在では本来必要とされる正しい施工計画で解体をなされない現場が増えてきている懸念を感じています。
価格比較サイトのデメリット
・価格比較サイトから解体業者に紹介料マージンが10~20%発生している
・一人親方や数人規模の業者が多いため、施工技術にムラがある場合がある
・解体費用は安くなる一方で価格競争になる分、施工管理が煩雑になる場合がある
総合解体業者へ直接発注のメリット
・価格比較サイトへの紹介マージンがかからない分、正しい施工計画を立てられる
・様々な現場を経験した職人による施工で安心した施工ができる
・鉄骨造やRC造の解体に必要な建機を自社保有するためレンタルのマージンをカット
解体業者へ直接発注で紹介料マージンを抑えながら、、、
騒音・粉塵など近隣への配慮が必要な現場
鉄骨造、RC造など専用の建機とアタッチメントが必要な現場
アスベストがあって規則に沿った対応をすべき現場
これらのご相談は特に、総合解体業者であるリプロなら、お客様も納得のいく解体施工をご提供できるかと思います。
鉄骨造のマンションの解体は、ぜひリプロにご相談いただけると幸いです。
もし、お見積りのご依頼ございましたら、ぜひ弊社までご連絡いただけましたら幸いです!
<パートナー企業・協力会社様募集♪>
リプロでは、現在協業していただけるパートナー企業・協力会社様を募集しております。
工務店様、設計事務所様、不動産会社様、士業様など、お気軽にご連絡いただけますと幸いでございます。
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