住宅解体における地中障害物の種類と撤去費用
<解体業者が教える3つのポイント>
・住宅解体において地中障害物が出ることはよくあります
・地中障害物の種類と追加費用について解説
・地中障害物をそのままにしてしまった時に起こるトラブルについて解説
目次
地中障害物って何?
解体作業を行う時に、避けて通れないのが地中障害物です。地中埋設物とも言います。
その名の通り、地面に埋まっている邪魔になってしまう「モノ」。
解体工事は、建物の解体を終えた後、建物の基礎を撤去する工事を行います。建物の基礎を撤去し終えると、試掘と言って、綺麗になった更地の上から、重機で50cm〜1m掘って、土をかえしていきます。
この試掘の作業中に、地中に埋まった障害物は発見されることが多いです。
この地中埋設物は、何が怖いって、、、
上物の建物を解体して更地になってから掘ってみないと、何が出てくるのかわからないのです!
出てくるのは、、、
瓦、瓦礫、井戸、浄化槽、昔の住宅の基礎だったり。
浄化槽や井戸であれば、所有者様が過去に撤去したか覚えていらっしゃったら事前にわかるのですが、コンクリート塊など以前の建物のコンクリート基礎、がれき、瓦などでは予想もつきません。
また、住宅を中古で買われてお住まいになっていたり、ご両親から相続されたりしていた場合、基本的にはわからないことが多いです。
ほんの二十数年前ほど前までは、このような解体から発生した基礎や、がれきなどは産廃費用を浮かすために、地中に埋めてしまうなんてことが当たり前のように行われていた時代があったのです。
しかも、この撤去費用は想定施工範囲外となるため、「施主」様の負担となります。
解体工事は、見積りの段階で目視で見える範囲を想定としています。もし、地中に埋まっている障害物が発覚した場合、数万円で済むものから、数十万円も追加費用が発生するなんてことも。
ここで、事前に聞いていた見積りとはかけ離れた追加費用を、請求されるなんてことはよくあります。
ですので、建物を解体する前に、必ず地中埋設物の可能性と、もし出てきた場合どうするのか事前に話し合っておいてください。
事前に連絡もなく、工事が終わってから、地中埋設物があったからと、追加費用を平気で上乗せされるなんてことは、この業界ではざらにあります。
いくら費用がかかったと言われても、壊して処分されてしまえば、後からはどれだけ費用がかかったのか、確認の取りようがありません。
安い見積りで安心したと思いきや、後からとんでもない費用を請求される可能性があるのです。
これが地中障害物でよく起こるトラブルの元になっています。
いかがでしょう?
この記事では解体作業に入る前に、この地中埋設物の存在の可能性を、事前に解体業者と確認し合う必要性をご理解してもらいたいと思います。
地中障害物の種類と費用
浄化槽が埋まっているケース
浄化槽とは、水洗トイレではなかった時代、各住宅の地中に浄化槽があって、下水に流す水を綺麗にしてから排水していたのです。
水洗トイレが当たり前となってから建築された住宅は問題はないのですが、築40年、50年前の住宅では当時は浄化槽があるのが普通でした。
浄化槽が埋まっているかどうかは、建物の所有者に聞けばある程度予測がつくため、最初の見積もりでも、浄化槽の撤去費用を計上しやすいです。
もし、浄化槽が埋まっているかわからない場合は、見積りではない想定で原価計算を行い、試掘であることが発覚した場合は、追加費用を請求することとなります。
浄化槽の撤去費用は約10~20万円が一般的となります。
過去の建築廃材を不法投棄したケース
過去の建築廃材が埋まっているかどうかは建物を解体して、掘り起こしてみないと全くわからないことです。
以前は、ミンチ解体で、とにかく建物をぐちゃぐちゃに油圧ショベルで壊していました。その際に、発生するコンクリのガレキや、瓦なども廃棄物として捨てるとお金がかかるので、油圧ショベルで穴を掘って、土に埋めてしまうなんてことはよくあったそうです。
費用に関しては、ケースバイケースです。
ちょっとした瓦やコンクリートの瓦礫であれば、特にお客様にも報告もせずに、解体業者のサービスで撤去し、産廃処分することが多いのです。
ですが、それがどこかの道路工事で撤去されたアスファルトガラであったり、大量のコンクリートガラが発見された場合は、その撤去に重機と作業員を半日〜1日稼働させて、産廃のダンプを追加して、産廃の運搬費用、処分費用が新たに発生することになります。
この場合、撤去範囲にもよりますが約10~30万円は追加されるケースが多いです。
何十年とお住まいになったご自宅の地中に、アスファルトや瓦礫が埋まっているなんて想像ができないと思いますが、解体してみると普通によくあることなのです泣
しかも、ご自身で埋めたわけではない、昭和の時代に悪さをした解体業者のせいなのに、地中障害物のせいで、土地の売却でトラブルになったり、住宅の新築時に結局撤去しなくては建てられなくなってhしまうのです。
過去の住宅の基礎が埋まっているケース
これは良くあります。
建物の躯体の解体を終えて、コンクリート基礎を撤去終えたと思いきや、試掘と言って、重機で土を50cm〜1m掘り起こす作業をしていると、土しかないはずなのに「ガリッ」とバケットの先に嫌な音と感触が。
そうです、基礎の下に、その前の住宅のコンクリート基礎が埋まっているのです。
昭和の昔の時代は住宅が足りなくて、とにかく住宅を建てる必要があったので、以前の建物の基礎を多少残してでも、その上に無理やり新築するなんてのは当たり前だったみたいです。
また、昔の悪い解体業者は、コンクリート基礎の撤去は時間も費用も取られてしまうので、雑な工事で費用を浮かしていたみたいです。
このように、昔の住宅のコンクリート基礎がガッツリ残っているようであると、その埋設物の撤去に、重機と作業員を1日がかりで撤去して、産廃のダンプを追加して、産廃の運搬を行い、大量のコンクリートガラを産廃処分することとなります。
この場合、撤去範囲にもよりますが約20〜40万円程は追加費用となることがあります。
古い井戸が埋まっているケース
もし、古い井戸が埋まっていた場合、地下に埋まった井戸全てを撤去するのは難しいため、井戸の底部分には地下水の流れを堰き止めないように、砂や砂礫で埋め戻し、その上には地上から雨水が入り込まないように土で埋め戻す工事を行うのが一般的となります。
井戸埋め戻し費用は、約10~20万円が一般的になります。
この埋め戻しをしっかりやらないで、建物を新築してしまった場合、地盤が緩い上に建物が乗っかってしまうため、非常に危険な状況になってしまいますのでご注意下さい。
井戸には水の神様が宿るとされ、お払いや魂抜き、息抜きと呼ばれる風習を行うこともございます。ここでも、神主への依頼で数万円前後費用が発生するため、ご自身のご判断でお願いします。
地中障害物をそのままにしてしまうリスク
地中に埋まっていたものだから、そのままにしておいて問題ないでしょ?と思われがちなのですが、そんなことはありません。
地盤沈下のリスク
地中の埋設物をそのままにすると、大地震が発生した場合、あるはずの耐震性が担保できずに地盤の強度の低下から、建物に大きな損傷が発生する恐れがあります。
住宅を支える土台は、基礎です。その基礎が斜めに傾いたりしてしまうとどうにもなりません。
このリスクに関しては、当たり前ですが建築された住宅の地中を掘り起こすことはできません。
ですので、できる限り築年数の新しく、信頼性のある工務店やハウスメーカーの建築の住宅に住むというのが解決案になるかと思います。
新築の基礎工事に支障
建て替えの時には、新築の基礎工事ができません。基礎の上に砕石を敷いて、その上にコンクリート基礎を作ったりしていたみたいですが、そんなこと今ではできません笑
ですので、昔のコンクリート基礎があることが発覚した場合、まずはその基礎を重機で撤去する工事を行って、土で埋め戻しをしてから、新しい住宅の基礎を施工することになります。こうなると、当然元の新築工事計画には支障が発生し、工期の遅れ、追加費用の発生が考えられます。
土地売却後に買主とのトラブル
まだ、新築する分には迷惑がかかるのは自分ですが、土地の売却をしたらもう大変。
土地を売却する場合、契約不適合責任や損害賠償責任に問われる可能性が考えられます。
土地の買主さんが新築しようとした時に、地中に障害物があってしまったら、数十万円単位の撤去費用が発生するため、そんなことは聞いていないと不動産会社巻き込んで、訴訟だなんだとトラブルに巻き込まれる可能性があります。
以上から、地中障害物をそのままにしてしまうリスクがあることを知ってください。
もし、地中埋設物が埋まっていた土地にそのまま建物を建てて、ご自身で住まわれる場合ならいいのですが、土地を売却しようとする場合には、大きなトラブルにもなり得ますので、必ず適正な処理を行ってください。
まとめ
地中障害物があった場合の処置を、事前に説明してくれる解体業者に発注することをお勧めします。
「建物を壊して更地になってしまえば、どこに頼んでも同じ。」
そんなことはありません。
費用の比較ばかりで解体業者を選ぶと、こんなところで痛い目に合ったりします。
お客様が本当に信頼できる一社を探してみてくださいね。
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価格比較サイトのデメリット
・価格比較サイトへの紹介マージンが10%程度発生している
・一人親方や数人規模の業者が多いため、施工技術の不安
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<木造住宅を解体してみないとわからない地中障害物【現場事例での撤去費用公開】>
実際に地中障害物があった場合の事例を、詳しくこちらでまとめていますので、ご覧になってくださいね。
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