住宅解体の追加費用の解説【地中障害物・基礎・杭】
<解体業者が教える3つのポイント>
・住宅解体において追加費用はよくあります
・住宅解体でおこりうる追加費用を解説
・追加費用を項目ごとに細かく解説
目次
解体施工における追加費用
世間一般的には、追加費用があると言われるとどのように思われるでしょうか?
普通の感覚では、「そんなのありえない」「約束と違うじゃないか!」と思われるでしょう。解体の施工を知らないと、当然の反応だと思います。ですが、、、
解体施工では、追加費用の請求はよくあるのです
なぜなら、解体施工において地中には、、、
地中障害物・予期せぬ頑丈な基礎・想定できない杭が埋まっている可能性があるからです。
要は見積り段階での目視では想定できない工事というのが発生する可能性があるのです。実際、木造住宅の解体施工をやってみると、、、
地中に何も埋まっていないことの方が珍しいです
正直、毎回どこを解体しても、何かしら予期せぬ埋設物は出てきます泣
瓦だったり、瓦礫だったり、コンクリート基礎だったり。
少量の場合でしたら、お客様にお伝えすることなく、わざわざ追加費用として請求はせずに、実は解体業者のサービスで撤去して、産廃処分しているのが現状です。
もちろん請求金額は変わらないので、この地中埋設物の撤去と産廃費用分、解体業者の利益は減ってしまいますが泣。
ここで問題なのが、この地中障害物は、掘ってみないと、何がどれだけ埋まっているのかわからないのです。
試掘といって、丁寧な解体業者さんでしたらやってくれるのですが、住宅基礎の撤去まで終わった後に、全体的に土を50cm〜1m程掘って、埋設物がないか確認してくれます。
試掘の度に、我々解体業者はドキドキ、ハラハラします。
「頼む!」
「何も出て来ないでくれ、、、」
、、、ですが、どうしても住宅解体において、何件かに1件は出てしまうのです。
この追加工事と追加請求を嫌がって、試掘をしない解体業者さんもいるかもしれません。その場合、後々土地を売却したり、住宅を新築するときに、地中障害物があると必ずトラブルになってしまいます。
それでは、実際どんなものが埋まっているのかみていきましょう。
地中障害物(地中埋設物)
昔の住宅のコンクリート基礎がガッツリ残っていた
瓦やコンクリートガラ、アスファルトガラが埋まっていた
使っていない大昔の浄化槽があった
古い昔の井戸があった
築40〜50年を超えた住宅が建設された当時の解体業界と言うのは、本当に酷いものでして、、、1960~80年代の高度経済成長期の住宅解体などでは、分別解体などされていなかったのです。
ですので、今みたいに解体材を土から綺麗に排出したり、コンクリート基礎を全部綺麗に撤去したり、重機で土の上を踏み固めて整地した状態にするわけではなかったのです。
当時は、ミンチ解体といって、屋根の瓦、構造の木材、外壁材、内装材、ガラス、コンクリート基礎など全て重機でグチャグチャに解体するのが普通でした。
ミンチ解体でグチャグチャになった解体材は、産廃のトラックに載せられて廃棄されるのですが、全て綺麗にさっぱり捨てられるわけではなく、だいたい解体を終えた土地は解体材が散乱したまま、その上から新築の住宅が建てられることが当たり前だったのです。
今ではそんなことはないのですが、今解体する建物はちょうど高度経済成長期の環境問題が取り沙汰される前の建築が多いので、今頃になってこの地中に埋まったも障害物の問題が起こっているのです。
一つ一つみていきましょう。
昔の住宅のコンクリート基礎がガッツリ残っていた
これは本当によくあります泣
基礎撤去してスッキリしたと思いきや、、、
「ガリッ」
と、重機のバケットの先に嫌な感触が。
ちょっと掘ってみたら、基礎の下に昔の住宅の基礎が出てくるのです泣
基礎の撤去ってなかなか骨が折れる作業なので、昭和の昔の人は住宅の構造を解体したら、基礎の上から大量に砕石を敷いて、その上に新築の住宅を建てるなんて良くあったみたいなのです。
瓦やコンクリートガラ、アスファルトガラが埋まっていた
これも昔の解体業者は、住宅を解体する時に出てきた瓦やコンクリートなどの解体材、ひどい場合だと、該当の住宅に関係ない道路工事などで出たアスファルトを新築する住宅の地中に埋めてしまうなんてことはよくあったみたいです。
これまで何十年と住んでいたご自宅の地中に瓦礫の山があるなんて、びっくりですよね。
でも、解体業者からすると瓦礫が出てきても、「ああ、またか、、、」と埋まっているのが、当たり前のような認識です。
何故こんなことをするかと言うと、これら産業廃棄物を処分すると、処分費用がかかってしまうので、処分費用を浮かすために埋めているのです。
ちなみにこれは悪質な業者ですと、今でも起こり得ることかもしれません。
使っていない大昔の浄化槽があった
これもよくあります。今は、水洗トイレが当たり前になっていますが、昭和の昔はどのご家庭も浄化槽を使っていました。
これを撤去していないと、住宅の解体をするときにやっぱり地中から出てきます。
昔の建築時の図面があれば前もってわかるのですが、流石に40年50年前の建物だと大体が残っていないことが多いので、、、
現状、お客様に確認を取って、見積りにあらかじめ費用を計上するかどうか決めています。
浄化槽を撤去したと覚えていらっしゃった場合いいのですが、浄化槽を撤去してあるかどうかわからない場合は、お見積りでは浄化槽が埋まっていない想定で金額を出させていただき、もし出てきた場合は、別途追加のお見積りとさせていただくこともございます。
古い昔の井戸があった
これもあります。
水道が当たり前のように使える今からすると想像できませんが、以前は東京都内の住宅でも井戸から水源をとっていた住宅も多かったのです。
井戸があった場合、基礎の解体中に突然ズボッと穴が出てきます泣
井戸専門業者さんもいらっしゃいますので、もし心配で本格的な井戸の埋め戻し工事をされる場合は、専門の方に別途発注した方がいいです。
解体業者で埋め戻しを行う場合、井戸が出てきたら、川砂(かわすな)という川の底や河川敷に積もっている砂をダンプ1台分どさっと入れて、その後に再生砂(さいせいすな)というコンクリートガラを細かく砕いた砂をさらに上から埋めてしまいます。
これは、井戸の水源を利用している周りの住宅の人たちがいる可能性がありますので、井戸の水源に当たる部分にいきなり再生砂をかけると水が濁ってしまうのです。
これで、水が下から沸いてきたらもう大変。ポンプアップして、水を出すしかありません。
これらは現状、想定外の工事で追加費用とさせていただいています。
もし井戸が出てきた場合、お客様の多くが、神主さんを呼んで御祓いをされていらっしゃいます。
以上が、地中障害物があった時の対応になるかと思います。
ベタ基礎
以前は木造住宅であれば布基礎の構造がほとんどだったのですが、ここ20年くらいですが、ベタ基礎が多くなってきています。
築年数の経った住宅の解体であれば、まずまず大丈夫なのですが、道路区画整理などで引っ掛かった新しい住宅などではベタ基礎の解体となります。
建築時の図面があればわかるのですが、建築図面がない場合、外観からでは区別がなかなかつかず、これも住宅構造を解体し終えて、基礎が出てきて、
「あ、、、ベタ基礎だ、、、」
となることが多いです。
問題となるのが、地面全体に一面コンクリートが打たれているので、ベタ基礎になると使用されるコンクリートの量が全く違うため、撤去にかかる労力が段違いになります。
布基礎であれば1日で終えた工事が、ベタ基礎では2日以上はかかることになります。
撤去費用が10~20万円は変わってきますので、こちらも別途追加費用とさせていただくことが多いです。
もしくは、昔の住宅でもベタ基礎とまでは言わずとも、防湿コンクリートが1階の和室の下に打たれていることもありますが、こちらでしたらそこまで大掛かりではないので、特にお客様にも伝えずに、通常の撤去範囲とさせていただき、追加費用にはしないことが多いです。
鉄骨造・RC造の基礎の耐圧板
2階建ての木造住宅でしたら多くが布基礎なのですが、3階以上で鉄骨造、RC造となると、構造上、非常に重量がかかりますので、通常の基礎の下に、とんでもなく分厚い耐圧板が敷かれることがあります。
床下PIT構造といって、通常の基礎の下に給水配管、ガス配管が通っている空間があって、その下に耐圧板という頑丈な鉄板が敷かれているのです。
これが本当に頑丈で、全く壊れないのです泣
敷地の広いところで、大きな重機を入れて工事ができれば、なんてことはないのですが、狭い現場で入れられる重機が限られてしまっていると、何日かけても壊れるかわからないのが現状です。
解体施工の目線で言うと、木造の見積りはおおよそ金額感を伝えられますが、鉄骨造、RC造、SRC造は基礎があまりに頑丈にできているので、見積り段階で正確な施工の原価計算が不可能だと思ってください。
建築時の図面があれば、ある程度の見積り金額は算出できますが、なければもう全然わかりません泣
そうなると、例えば上物の建物の解体にかかる費用と同じくらいの費用が基礎の撤去だけにかかったり、なんてことも普通にあります。
鉄骨造の住宅で、見積りが300万円で解体できると聞いて工事を開始したのに、後から基礎の撤去で300万円が追加でかかって、合計600万円ですなんてことになるのです。
鉄骨造、RC造、SRC造であれば、正確な見積りはほぼほぼ不可能だと思った方がいいくらいです。
追加費用が前提の工事となります。
3階建て以上の鉄骨造・RC造の杭抜き
3階建て以上となると、木造でも、鉄骨造でも、RC造でも杭が入っていることが多いです。
杭に関しては、地盤との関係もあるので、マチマチなのですが、地盤が緩いエリアだと2階建ての木造でも杭が入っているなんてこともあります。
この杭なのですが、、、
本当にエリアによって、杭の長さ、大きさ、深さが全く異なるのです。
建築時の図面があれば、ある程度の見積り金額は算出できますが、なければもう全然わかりません泣
もし、地中めちゃめちゃ深くささる杭だったら、建物の費用以上の金額が杭の撤去だけにかかってきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
追加費用請求なんてありませんなんて無責任なこと、とてもではありませんがお客様には言えません。
「追加費用請求はあり得ます。」
と、弊社でははっきりと言わせていただいております。
住宅は見えている部分だけではなく、何が埋まっているかわからない地中の解体工事まで含まれます。
住宅解体において、とにかく価格で競い合わされてしまうのは、施工側に大きな負担が入ってしまいます。
【解体業者へ直接発注】解体費用を抑えながら高い施工技術を実現します
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・価格比較サイトへの紹介マージンが10%程度発生している
・一人親方や数人規模の業者が多いため、施工技術の不安
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・価格比較サイトへの紹介マージンがかからない
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<木造住宅を解体してみないとわからない地中障害物【現場事例での撤去費用公開】>
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