鉄骨造(S造)の内装リノベーション時の内装解体を事例で紹介
<解体業者が教える3つのポイント>
・鉄骨造の内装解体での注意すべきポイントについて解説
・内装解体の流れがわかるようになる
・実際の解体作業を画像付きで解説
目次
2 鉄骨造(S造)の内装解体でお問合せ前に確認しておくべき事項
2.1 解体業者と施工範囲をきっちり打ち合わせする必要がある
2.2 鉄骨造は鉄骨吹きつけにアスベストが使用されている可能性
鉄骨造(S造)の内装の解体費用
運営していた店舗を閉店・移転するにあたって、内装を撤去しなければならなくなってしまった・・。
でも、内装解体工事の費用ってどのくらいなのだろう?まずは、費用が気になりますよね?
ところが、、実際にこれまで2,500件の内装解体をおこなってきた弊社に言わせると、、
内装解体工事の費用の相場はあってないようなものなのです。
というのも、撤去範囲・作業内容・産廃の種類によって、金額が大きく変動してしまうからです。
<内装の解体費用の相場>
撤去範囲・作業内容・産廃の種類によって、金額は大きく変わるため、相場と呼べるものはないと考えた方がいい
例えば、RC造の建物でスケルトン解体と言われれば、天井・壁・床の躯体コンクリートを表すまで内装材を撤去します。
しかし、同じスケルトン解体であっても、内装の状況によって作業内容・産廃の種類が異なってきます。
事務所として使用されていたのか、飲食店を運営されていたのか、それともマッサージ店なのか?
事務所であれば内装はシンプルなケースが多いので費用が抑えられる場合が多いですし、飲食店等はやはり凝った内装が多いので、間仕切り壁をどこまで取るのか、残すのかによって金額は全く異なります。
また、産廃の搬出に関しても費用に大きく影響があります。
解体材の搬出をエレベーターを利用できるのか、それとも階段で下ろさないといけないのか。
はたまた、内装解体の現場に産廃トラックを横付けできるのか、近くのコインパーキングに駐車して小運搬しないといけないのか。
これらの要因によって、かかる金額は数十万から、施工範囲が広いと100万円単位で変わってきてしまいます。
となってしまうと、相場って言えないのはご理解いただけるかと思います笑
ですので、内装解体は特にオーナー様または、借主様との現場での施工範囲の確認作業が非常に大事になります。
<内装解体の施工範囲の確認>
相場と呼べるものがない分だけ、内装の解体は施工範囲の事前打ち合わせが大切。トラブルを未然に防ぐために、弊社では事前の打ち合わせを必須にさせていただいています。
今回は、実際に弊社にお問い合わせいただいた、部分撤去の内装解体工事の流れをご紹介していきたいと思います。
鉄骨造(S造)の内装解体でお問合せ前に確認しておくべき事項
アパートなどの鉄骨造の内装リノベーションをする際に、気をつけておくべきポイントを解説していきたいと思います。
通常のマンションの内装解体や木造住宅の内装解体では、特に気にしなくても良かった部分が出てきますので、発注される前の参考になっていただければ幸いです。
解体業者と施工範囲・施工方法をきっちり打ち合わせする必要がある
鉄骨造ですので、通常の木造と比較しても施工面積は広く、事前の打ち合わせは非常に大切になります。
間仕切り壁も通常のボードではなく、ALCパネルという硬く頑丈な軽量気泡コンクリート建材が使用されている可能性があります。
ですので、マンションの内装リノベーションのように、簡単にボードの壁を取って間取り変更ということができにくい構造になっていることが多いです。
普段はマンション専業の内装解体を行なっている業者さんに発注すると、実際工事が始まってみるとマンションに使われている建材とは異なっているため、意外と施工方法がわからなかったりすることはあるかもしれません。
鉄骨造は鉄骨吹きつけにアスベストが使用されている可能性
最も注意すべきポイントが、もし鉄骨への吹きつけがあった場合、アスベストの含有の有無の確認です。
通常、マンション内装リノベーションだけを行なっていると、鉄骨の吹きつけと出会う場面はそうそうありません。
マンションの内装材にアスベストが含有されていた処理と、鉄骨の吹きつけがあった場合のレベル1のアスベスト処理は全く重要度が異なります。
もし、鉄骨への吹きつけがあり、アスベストの含有が認められた場合、建物全体を密閉して作業員は防護服に身を包み、除去されたアスベストは最終処分場に直行させるような大掛かりな施工が必要になっていきます。
また施工にかかる金額も、アスベスト撤去だけでも通常の工事費用総額以上の請求になります。つまり、少なくとも、2倍の見積もり金額になるということです。
それだけ、アスベストレベル1の除去は、慎重に、きっちりと考えていかなければなりません。
鉄骨造(S造)の内装リノベーション時の注意ポイント
マンションの内装と比較して構造や建材の種類が異なるため、マンション専業の内装解体業者よりも総合解体業者へ発注するのが望ましい
このように、鉄骨造(S造)の内装リノベーションの内装解体の場合、マンションの内装解体だけを行なっている専業の業者さんよりも、鉄骨造やアスベスト処理を普段から行なっているような少し規模の大きめの解体業者へ発注されることを検討ください。
実際の施工事例
対象:アスベスト検体検査・内装材撤去・ALCパネル撤去
地域:大田区
工期:2週間
鉄骨吹きつけののアスベスト検査
事前の現地調査時に、ユニットバスの点検口から鉄骨に吹きつけがあったのは確認していました。
もし、この吹きつけがアスベストが含まれていた場合は、前述の通りかなり大掛かりな施工にもなりますし、撤去するとなると金額も相当なものになります。
しかし、アスベストの検体検査に出したところ、結果はアスベストの含有は認められないとのことでした。
つまり、通常のロックウールに耐火被膜としての吹きつけということでしたので、工事を行なっても人体の影響はありません。
これで、一安心でした。
内装撤去の作業に入れそうです。
残すものの確認
実際に解体作業を始める前に、どこを撤去して、どこを残すのかしっかり確認していきます。
特に、今回は鉄骨造でしたのでマンションの内装解体のように、とにかく全部を壊していってしまうと、後々壊して欲しくないところまで壊してしまったトラブルにもなりかねません。
内装材の撤去
ボードや扉、柱などの木くずやトイレ、バスなどの水回りの撤去を行なっていきます。
解体の後に、リノベーションが行われるので配線類はまとめて残しておきます。
ALCの界壁(かいへき)の撤去
今回は2部屋を1部屋にされるとのことで、間仕切り壁のALCパネルを撤去していきます。
写真の通り、かなりの厚みがありました。
時間はかかりましたが、なんとか撤去完了です。
完工
写真のように、床材を残しています。
それは、この後に入るリノベーション工事時に、この上から床を新築していくからです。
このように、リノベーション業者さんにも確認をしていただき、事前にどこまで解体で撤去するのかを打ち合わせしていました。
壊して欲しくないところまで壊してしまったトラブルに巻き込まれ内容に、内装解体は事前の打ち合わせを大事になさってください。
リプロでは現地調査を必須とさせていただく理由
リプロでは正確なお見積もり算出を目指します
今回はの撤去作業は、現場の前に、トラックを停車させて作業をすることができました。
ですが、室内から外まで階段で搬出を行ったので、3人で3日間の作業時間がかかりました。
また、今回は壁の残し方にも注意が必要な現場でした。
このように、搬出経路や残す建具などによって、現場での作業時間は全然変わってきます。
この辺りも、現地調査を行うことで、正確なお見積もり算出ができるのです。
よくお問い合わせでいただくのは、
「概算でいいから、とりあえず価格出してよ」
「相場でいくらなの?」
というご依頼が多いのですが、この業界では、まず概算でなんて数字は出せません。
搬出経路が違えば、現場ごとにかかる日数・作業員の数は異なりますので、費用は大きく変わって来ます。
リプロでは現地調査で、しっかりと根拠のあるお見積もり算出に努力しております。
撤去範囲の認識の不一致で起こるトラブルを防ぐため
内装の解体のお問い合わせをいただく際には、、、
「スケルトン解体でお願いします」
「原状回復工事をお願いします」
とよくご依頼をいただきます。
ところが、この「スケルトン解体」・「原状回復」という用語の認識のあいまいさが、トラブルの多くを引き起こします。
というのは、今回のように部分撤去で残す部分があるとなると、もしスケルトンだと思って、全部解体してしまうと大変なことになってしまいます。
スケルトン解体というと、本当に何も残っていない状態にすることをスケルトン解体というのです。
意外とオーナー様自身や借主様自身、残すべきもの・撤去すべき部分や、ご自身で後付けした内装ボードなどを共有できていないことが多いのです。
いざスケルトン解体をしてみると、、、
オーナー様からは、「ここは残してくれるんじゃなかったの?」
借主様からは、「ここって撤去するはずなのになんで残っているの?」
など、施工範囲の認識の不一致から、トラブルが起こってしまうのです。
弊社では、貸主の方と借主の方との作業内容の確認は必須だと考えます。
また、原状回復工事の場合、借主の方が私たちのお客様になることが多いです。最初の状態の記憶が曖昧で、スケルトンにするように言われていると話されます。
このスケルトンという言葉が実は微妙で、私たち専門業者からしたら「スケルトン=内装材を全て撤去して躯体をむき出しする」なのです。
営業が現場調査の時点で、撤去範囲を詳しく伺うのはこのためです。
内装解体で起こる可能性のある3つのトラブルとその解決方法、店舗ごとの解体費用のイメージ、施工事例をこちらでまとめていますので、ご覧になってください。
まとめ
いかがでしょうか?
鉄骨造(S造)の内装解体は、マンションの内装解体のように簡単にはいかないことが多いです。
弊社は、木造の住宅解体、マンションの内装解体、工場やショールームなどの大型施設解体を普段から行なっており、アスベストの対応にも慣れておりますので、総合的に解体サービスをご提供することができます。
鉄骨造の内装解体で、不安に思われるオーナー様や不動産会社様には、ぜひ弊社までご相談なさっていただけると幸いです。
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