内装解体のスケルトン解体と原状回復工事の違い【解体業者が解説】

2026/10/09更新
<解体業者が教える3つのポイント>
- 原状回復・スケルトン解体・居抜き・部分解体の違い
- 原状回復の範囲を決める契約と法律のルール、費用の違い
- 店舗の原状回復で見落としやすい撤去項目と、退去までの流れ
目次
1.3 解体業者と施工範囲をきっちり打ち合わせする必要がある
1.4 オーナー様・テナント様・不動産会社さんの認識の擦り合わせ
スケルトン解体と原状回復の違い
こんにちは!
弊社に内装の解体に関してお問合せをいただく際に、、、
「スケルトン解体をお願いします」
「原状回復工事をお願いします」
と、お客さまからご連絡いただくことが多いです。
スケルトン解体とは
建物の躯体以外の床や壁、天井、そして配線、給排水設備などを全部撤去すること
原状回復工事とは
賃貸契約に基づいて入居時の状態に戻すこと
ここで気をつけないといけないのは、、、
一般に、スケルトン解体というと、このように何もないコンクリ剥きっぱなしの状態を指します。もちろん配線も通っていませんし、エアコンもありません。
そして、原状回復工事というと、入居時の状態に戻すことを指します。
最初にテナントとして借りる際に、オーナー様と賃貸契約を結んでいるかと思いますが、、、
その契約に基づいて、元々がスケルトンであればまっさらな何もない状態に戻すことを言いますが、元々が内装工事がなされている場合は、汚れた壁紙をもとの新品の壁紙に戻すことや、壁に傷があった場合は修復することで済む場合もあります。
「スケルトン解体」
「原状回復工事」
同じようで、実は結構意味が違う言葉なんですよね。
原状回復・スケルトン解体・居抜き・部分解体の比較
テナントの退去や改装でよく使われる4つの言葉を、撤去する範囲と費用の傾向で比べると、次のようになります。
| 用語 | 撤去する範囲 | 範囲を決めるもの | 費用の傾向 |
|---|---|---|---|
| 原状回復 | 借りたときの状態に戻すために必要な部分 | 賃貸借契約の内容 | 契約で決まる範囲によって変わる |
| スケルトン解体 | 建物の構造部分以外の内装・設備をすべて撤去 | 契約で「スケルトン返し」と定められている場合など | 撤去範囲が広く、高くなりやすい |
| 居抜き | 原則として撤去せず、内装や設備を次の借主に引き継ぐ | オーナー・次の借主との合意 | 解体費用を抑えられる |
| 部分解体(リノベーション) | 改修に必要な部分だけを撤去 | 改修の設計 | 撤去範囲によって変わる |
ポイントは、「原状回復」と「スケルトン解体」は同じ意味ではないことです。スケルトンの状態で借りた物件なら原状回復はスケルトン解体になりますが、今回の事例のように、天井やクロスが付いた状態で借りた物件なら、それらを残すのが原状回復になります。
原状回復の範囲は何で決まる?
原状回復の範囲は、まず賃貸借契約の内容で決まります。
2020年4月に施行された改正民法では、借主の原状回復義務が明文化されました。借りた後に生じた傷みを元に戻す義務がある一方、通常の使い方で生じた傷みや、年数の経過による劣化は、原則として借主が直す必要はないとされています。
ただし、店舗や事務所などの事業用物件では、契約の特約で「通常の傷みも含めて借主が直す」「スケルトンの状態で返す」などと、範囲が広く定められていることが少なくありません。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」も主に住宅を想定したものです。
事業用物件では、契約書の特約を確認し、不明な点は工事の前にオーナーや管理会社に確認しておくことが大切です。
解体業者と施工範囲をきっちり打ち合わせする必要がある

お客様からお問合せをいただいて、実際にお話を伺っていくと、、、
「エアコンはそのままにしてほしい」
「床や配線は残してほしい」
「トイレはそのままにしてほしい」
などなど、実は解体業者がお客様のご要望をしっかりヒアリングしないまま工事を始めてしまうと、、、
施工範囲の認識の擦り合わせ不足から、壊さないでほしかった箇所まで、壊してしまったトラブルに巻き込まれてしまうケースが起こってしまうのです。
解体業者全てが普段から一般のお客様とのコミュニケーションに慣れている訳ではなく、また現場では日本語が得意ではない外国人労働者も増えてきています。
解体業者がお客様の話をきっちり聞いて、施工計画を練れているかを、見積り作成のため現地調査の訪問時に確認してみてください。
オーナー様・テナント様・不動産会社さんの認識の擦り合わせ

そして、内装解体は関係者も多いので、スケルトン解体または原状回復におけるオーナー様、テナント様、不動産会社さんの認識が一致しているかを、ご確認ください。
弊社にお問合せいただくのは、オーナー様・テナント様・不動産会社さんのパターンそれぞれあるのですが、オーナー様に確認を取らないとわからないこと、不動産会社さんに確認を取らないとわからないことなど結構あるものです。
ある程度、認識が一致なさった上で、解体業者にお問合せしていただくと、スムーズに解体作業に入ることができます。
このように、内装解体は、事前の打ち合わせと確認、認識の擦り合わせが非常に大事になります。
スケルトン解体と原状回復の費用の違い
一般に、スケルトン解体は天井・壁・床・設備まですべて撤去するため、原状回復より費用が高くなる傾向があります。当社では、スケルトン解体の参考価格を店舗で8,000円〜/㎡、事務所で6,000円〜/㎡としています。
今回の写真店の事例は、天井・クロス・床を残す原状回復だったため、工期4日間・費用約40万円でした。同じ店舗でもスケルトン解体であれば、撤去する量が増え、費用と工期も大きくなります。
用途別の実際の見積りは、事務所・カフェ・倉庫の見積り公開記事で項目ごとに解説しています。
実際の施工事例
対象:造作壁、照明、エアコン、看板、カッティングシート撤去
地域:川崎市
工期:4日間
費用:約40万円
今回ご紹介するのは、川崎市の写真店の内装解体の事例になります。
弊社HPからのお問合せで施工させていただきました。
残すものの確認

オーナーのご親族から弊社にご連絡があり、現地調査は親族の方にご対応いただきました。
2階はアパートとして貸していらっしゃるようで、1階はテナントが3つ入っている木造の建物でした。
原状回復とのことでお伺いさせていただき、現地調査でオーナーご親族の方と打ち合わせを行った結果、造作壁の撤去、さらに照明、天井埋め込み式のエアコン、看板、カッティングシートの撤去が施工範囲となりました。
つまり、、、
今回の内装の原状回復工事では、天井も、クロスも、床のPタイルもそのまま残すのです。
特に、今回の現場は木造でしたので、もしスケルトンという言葉そのまま解体をしてしまうと、2階の床が見えるところまで解体することにもなります。
木造、S造か、またはRC造なのかなど、構造によって、どこまで取るべきなのか、解体業者からも提案があるか大事なポイントにもなります。
また、何点か事前に知りたい確認事項がありましたので、一部は管理をしている不動産会社さんに確認してもらいました。
内装解体では、オーナー様だけでなく、不動産会社さんへの認識の一致は欠かせません。
このように、現状回復工事といえども、スケルトンでまっさらにするだけではなく、現地調査でオーナー様、不動産会社さん含めて、原状回復工事の施工範囲の認識を確定させるが非常に大切になります。
看板の撤去

外の看板を上記の写真のように撤去させていただきました。
撤去作業は、3人の作業員でインパクト、セーバーソー、バールを使用しながらの手壊しによる撤去になりました。
エアコンの撤去
埋め込み式エアコンの撤去

天井に埋め込み式のエアコンを撤去しました。
写真を見ての通り、木造の建物なので、天井埋め込み式のエアコンを撤去すると、その上は2階の床部分になります。
もし、天井まで全部撤去すると、次のテナントさんが入る際に、天井を作り直す必要が出てしまいます。
室外機の撤去

室外機を撤去しました。
フロン回収を空調業者さんにお願いして回収してもらいます。
店舗の原状回復で見落としやすい撤去項目
店舗の原状回復では、室内の造作だけでなく、次のような項目の撤去も必要になることがあります。見積りに含まれているかを確認しましょう。
| 項目 | 注意点 |
|---|---|
| 屋外の看板 | 高所作業になることが多い。許可を受けて設置した看板は、撤去後に自治体への届出が必要な場合がある |
| 業務用エアコン | 法律にもとづき、専門業者によるフロンの回収が必要。埋め込み式は天井の撤去範囲にも影響する |
| カッティングシート | ガラス面の文字やロゴ。きれいに剥がさないと跡が残る |
| 造作壁・カウンター | 入居後に設けたものは撤去の対象になることが多い |
| 増設した電気配線・照明 | 入居時の状態まで戻す範囲をオーナーと確認する |
今回の事例でも、看板は3人で手壊しにより撤去し、室外機のフロン回収は空調業者に依頼しました。埋め込み式エアコンは、残す天井を傷めないよう撤去範囲を絞って取り外しています。
完工

最後に、オーナーご親族様と現地を確認して完工になります。
ご覧の通り、今回の原状回復工事は天井も、クロスも床Pタイルもそのままです。
退去から引き渡しまでのスケジュール
原状回復は、退去日から逆算して早めに準備を始めることが大切です。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 解約予告 | 契約で定められた期限(事業用では3〜6か月前が多い)までにオーナーへ通知 |
| 契約書の確認 | 原状回復の範囲、指定業者の有無を確認 |
| 現地調査・見積り | 撤去範囲と残すものを業者と確認 |
| オーナーとの範囲確認 | 見積りの範囲で問題ないかを事前に確認 |
| 工事 | 今回の事例は4日間 |
| 立ち会い・引き渡し | オーナーと仕上がりを確認 |
| 敷金・保証金の精算 | 契約にもとづいて精算 |
工事の前にオーナー・テナント・不動産会社の三者で範囲を確認しておくことが、追加工事や引き渡し後のトラブルを防ぐいちばんの近道です。
【FAQ】よくある質問
Q. スケルトンの状態で借りた物件は、返すときもスケルトンにする必要がありますか?
A. 多くの場合、そうなります。借りたときの状態に戻すのが原状回復のため、スケルトンで借りた物件はスケルトン解体が必要です。ただし契約の内容が優先されるため、契約書を確認しましょう。
Q. 原状回復の費用は、敷金や保証金から差し引かれますか?
A. 契約によります。オーナー側が工事を手配して費用を差し引く場合と、借主が自分で業者に依頼して工事を行う場合があります。どちらの方式かを、解約予告の段階で確認しておきましょう。
Q. オーナーが指定する業者以外に、原状回復を頼むことはできますか?
A. 契約で業者が指定されていなければ、借主が自分で業者を選べることが一般的です。指定がある場合でも、範囲や金額について相談の余地があることもあるため、まずは契約書を確認しましょう。
Q. 居抜きで次のテナントに引き継げば、解体は不要ですか?
A. オーナーと次の借主の合意があれば、内装や設備を残したまま引き継げます。合意が得られない場合は原状回復の義務が残るため、早めにオーナーへ相談することが大切です。
リプロでは現地調査を必須とさせていただく理由
リプロでは正確なお見積もり算出を目指します
今回はの撤去作業は、現場の前に、トラックを停車させて作業をすることができました。
ですが、室内から外まで階段で搬出を行ったので、3人で3日間の作業時間がかかりました。
また、今回は壁の残し方にも注意が必要な現場でした。
このように、搬出経路や残す建具などによって、現場での作業時間は全然変わってきます。
この辺りも、現地調査を行うことで、正確なお見積もり算出ができるのです。
よくお問い合わせでいただくのは、
「概算でいいから、とりあえず価格出してよ」
「相場でいくらなの?」
というご依頼が多いのですが、この業界では、まず概算でなんて数字は出せません。
搬出経路が違えば、現場ごとにかかる日数・作業員の数は異なりますので、費用は大きく変わって来ます。
リプロでは現地調査で、しっかりと根拠のあるお見積もり算出に努力しております。
撤去範囲の認識の不一致で起こるトラブルを防ぐため
内装の解体のお問い合わせをいただく際には、、、
「スケルトン解体でお願いします」
「原状回復工事をお願いします」
とよくご依頼をいただきます。
ところが、この「スケルトン解体」・「原状回復」という用語の認識のあいまいさが、トラブルの多くを引き起こします。
というのは、今回のように部分撤去で残す部分があるとなると、もしスケルトンだと思って、全部解体してしまうと大変なことになってしまいます。
スケルトン解体というと、本当に何も残っていない状態にすることをスケルトン解体というのです。
意外とオーナー様自身や借主様自身、残すべきもの・撤去すべき部分や、ご自身で後付けした内装ボードなどを共有できていないことが多いのです。
いざスケルトン解体をしてみると、、、
オーナー様からは、「ここは残してくれるんじゃなかったの?」
借主様からは、「ここって撤去するはずなのになんで残っているの?」
など、施工範囲の認識の不一致から、トラブルが起こってしまうのです。
弊社では、貸主の方と借主の方との作業内容の確認は必須だと考えます。
また、原状回復工事の場合、借主の方が私たちのお客様になることが多いです。最初の状態の記憶が曖昧で、スケルトンにするように言われていると話されます。
このスケルトンという言葉が実は微妙で、私たち専門業者からしたら「スケルトン=内装材を全て撤去して躯体をむき出しする」なのです。
営業が現場調査の時点で、撤去範囲を詳しく伺うのはこのためです。
内装解体で起こる可能性のある3つのトラブルとその解決方法、店舗ごとの解体費用のイメージ、施工事例をこちらでまとめていますので、ご覧になってください。
まとめ
いかがでしょうか?
スケルトン解体と原状回復工事の違いを少しご理解いただけましたか?
解体業者に壊して欲しくないところまで壊されてしまったなんてことが起きないように、この記事を参考にしていただけましたら幸いです。
弊社では、内装解体のお見積りを随時無料でご対応させていただいております。
皆様からのお問合せ、お待ちしております!
<パートナー企業・協力会社様募集♪>
不動産会社様との協業体制を強化しています!
リプロでは、不動産案件の解体を得意とする施工管理スタッフの採用に伴い、不動産会社様との協業体制をさらに強化しております!
リプロの特徴である丁寧な近隣対応や解体施工はもちろんのこと、低価格での解体サービスやスピーディなスケジュール調整まで、不動産案件と親和性の高い担当者がスムーズに対応いたします。
担当者ベースで、不動産会社の営業のご担当者様から、直接携帯にご連絡いただくのも歓迎です!
土地売却前の上物の解体、建替え、相続案件など、「不動産案件をまず何かと相談ができる解体業者の担当」として、ぜひお気軽にお声がけください!
不動産会社様の施工管理担当:工藤(携帯:090-1672-5517)
<リプロの施工事例はこちらをご覧ください>

















