内装解体のスケルトン解体と原状回復工事の違い【解体業者が解説】
2023/03/20更新
<解体業者が教える3つのポイント>
・スケルトン解体と原状回復工事の違いについて解説
・内装解体の流れがわかるようになる
・実際の解体作業を画像付きで解説
目次
1.1 解体業者と施工範囲をきっちり打ち合わせする必要がある
1.2 オーナー様・テナント様・不動産会社さんの認識の擦り合わせ
スケルトン解体と原状回復の違い
こんにちは!
弊社に内装の解体に関してお問合せをいただく際に、、、
「スケルトン解体をお願いします」
「原状回復工事をお願いします」
と、お客さまからご連絡いただくことが多いです。
スケルトン解体とは
建物の躯体以外の床や壁、天井、そして配線、給排水設備などを全部撤去すること
原状回復工事とは
賃貸契約に基づいて入居時の状態に戻すこと
ここで気をつけないといけないのは、、、
一般に、スケルトン解体というと、このように何もないコンクリ剥きっぱなしの状態を指します。もちろん配線も通っていませんし、エアコンもありません。
そして、原状回復工事というと、入居時の状態に戻すことを指します。
最初にテナントとして借りる際に、オーナー様と賃貸契約を結んでいるかと思いますが、、、
その契約に基づいて、元々がスケルトンであればまっさらな何もない状態に戻すことを言いますが、元々が内装工事がなされている場合は、汚れた壁紙をもとの新品の壁紙に戻すことや、壁に傷があった場合は修復することで済む場合もあります。
「スケルトン解体」
「原状回復工事」
同じようで、実は結構意味が違う言葉なんですよね。
解体業者と施工範囲をきっちり打ち合わせする必要がある
お客様からお問合せをいただいて、実際にお話を伺っていくと、、、
「エアコンはそのままにしてほしい」
「床や配線は残してほしい」
「トイレはそのままにしてほしい」
などなど、実は解体業者がお客様のご要望をしっかりヒアリングしないまま工事を始めてしまうと、、、
施工範囲の認識の擦り合わせ不足から、壊さないでほしかった箇所まで、壊してしまったトラブルに巻き込まれてしまうケースが起こってしまうのです。
解体業者全てが普段から一般のお客様とのコミュニケーションに慣れている訳ではなく、また現場では日本語が得意ではない外国人労働者も増えてきています。
解体業者がお客様の話をきっちり聞いて、施工計画を練れているかを、見積り作成のため現地調査の訪問時に確認してみてください。
オーナー様・テナント様・不動産会社さんの認識の擦り合わせ
そして、内装解体は関係者も多いので、スケルトン解体または原状回復におけるオーナー様、テナント様、不動産会社さんの認識が一致しているかを、ご確認ください。
弊社にお問合せいただくのは、オーナー様・テナント様・不動産会社さんのパターンそれぞれあるのですが、オーナー様に確認を取らないとわからないこと、不動産会社さんに確認を取らないとわからないことなど結構あるものです。
ある程度、認識が一致なさった上で、解体業者にお問合せしていただくと、スムーズに解体作業に入ることができます。
このように、内装解体は、事前の打ち合わせと確認、認識の擦り合わせが非常に大事になります。
実際の施工事例
対象:造作壁、照明、エアコン、看板、カッティングシート撤去
地域:川崎市
工期:4日間
費用:約40万円
今回ご紹介するのは、川崎市の写真店の内装解体の事例になります。
弊社HPからのお問合せで施工させていただきました。
残すものの確認
オーナーのご親族から弊社にご連絡があり、現地調査は親族の方にご対応いただきました。
2階はアパートとして貸していらっしゃるようで、1階はテナントが3つ入っている木造の建物でした。
原状回復とのことでお伺いさせていただき、現地調査でオーナーご親族の方と打ち合わせを行った結果、造作壁の撤去、さらに照明、天井埋め込み式のエアコン、看板、カッティングシートの撤去が施工範囲となりました。
つまり、、、
今回の内装の原状回復工事では、天井も、クロスも、床のPタイルもそのまま残すのです。
特に、今回の現場は木造でしたので、もしスケルトンという言葉そのまま解体をしてしまうと、2階の床が見えるところまで解体することにもなります。
木造、S造か、またはRC造なのかなど、構造によって、どこまで取るべきなのか、解体業者からも提案があるか大事なポイントにもなります。
また、何点か事前に知りたい確認事項がありましたので、一部は管理をしている不動産会社さんに確認してもらいました。
内装解体では、オーナー様だけでなく、不動産会社さんへの認識の一致は欠かせません。
このように、現状回復工事といえども、スケルトンでまっさらにするだけではなく、現地調査でオーナー様、不動産会社さん含めて、原状回復工事の施工範囲の認識を確定させるが非常に大切になります。
看板の撤去
外の看板を上記の写真のように撤去させていただきました。
撤去作業は、3人の作業員でインパクト、セーバーソー、バールを使用しながらの手壊しによる撤去になりました。
エアコンの撤去
埋め込み式エアコンの撤去
天井に埋め込み式のエアコンを撤去しました。
写真を見ての通り、木造の建物なので、天井埋め込み式のエアコンを撤去すると、その上は2階の床部分になります。
もし、天井まで全部撤去すると、次のテナントさんが入る際に、天井を作り直す必要が出てしまいます。
室外機の撤去
室外機を撤去しました。
フロン回収を空調業者さんにお願いして回収してもらいます。
完工
最後に、オーナーご親族様と現地を確認して完工になります。
ご覧の通り、今回の原状回復工事は天井も、クロスも床Pタイルもそのままです。
リプロでは現地調査を必須とさせていただく理由
リプロでは正確なお見積もり算出を目指します
今回はの撤去作業は、現場の前に、トラックを停車させて作業をすることができました。
ですが、室内から外まで階段で搬出を行ったので、3人で3日間の作業時間がかかりました。
また、今回は壁の残し方にも注意が必要な現場でした。
このように、搬出経路や残す建具などによって、現場での作業時間は全然変わってきます。
この辺りも、現地調査を行うことで、正確なお見積もり算出ができるのです。
よくお問い合わせでいただくのは、
「概算でいいから、とりあえず価格出してよ」
「相場でいくらなの?」
というご依頼が多いのですが、この業界では、まず概算でなんて数字は出せません。
搬出経路が違えば、現場ごとにかかる日数・作業員の数は異なりますので、費用は大きく変わって来ます。
リプロでは現地調査で、しっかりと根拠のあるお見積もり算出に努力しております。
撤去範囲の認識の不一致で起こるトラブルを防ぐため
内装の解体のお問い合わせをいただく際には、、、
「スケルトン解体でお願いします」
「原状回復工事をお願いします」
とよくご依頼をいただきます。
ところが、この「スケルトン解体」・「原状回復」という用語の認識のあいまいさが、トラブルの多くを引き起こします。
というのは、今回のように部分撤去で残す部分があるとなると、もしスケルトンだと思って、全部解体してしまうと大変なことになってしまいます。
スケルトン解体というと、本当に何も残っていない状態にすることをスケルトン解体というのです。
意外とオーナー様自身や借主様自身、残すべきもの・撤去すべき部分や、ご自身で後付けした内装ボードなどを共有できていないことが多いのです。
いざスケルトン解体をしてみると、、、
オーナー様からは、「ここは残してくれるんじゃなかったの?」
借主様からは、「ここって撤去するはずなのになんで残っているの?」
など、施工範囲の認識の不一致から、トラブルが起こってしまうのです。
弊社では、貸主の方と借主の方との作業内容の確認は必須だと考えます。
また、原状回復工事の場合、借主の方が私たちのお客様になることが多いです。最初の状態の記憶が曖昧で、スケルトンにするように言われていると話されます。
このスケルトンという言葉が実は微妙で、私たち専門業者からしたら「スケルトン=内装材を全て撤去して躯体をむき出しする」なのです。
営業が現場調査の時点で、撤去範囲を詳しく伺うのはこのためです。
内装解体で起こる可能性のある3つのトラブルとその解決方法、店舗ごとの解体費用のイメージ、施工事例をこちらでまとめていますので、ご覧になってください。
まとめ
いかがでしょうか?
スケルトン解体と原状回復工事の違いを少しご理解いただけましたか?
解体業者に壊して欲しくないところまで壊されてしまったなんてことが起きないように、この記事を参考にしていただけましたら幸いです。
弊社では、内装解体のお見積りを随時無料でご対応させていただいております。
皆様からのお問合せ、お待ちしております!
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