アパートの解体費用と軽量鉄骨造アパートの実際の解体の流れ【解体業者が解説】

2026/10/09更新
<解体業者が教える3つのポイント>
- アパートの解体費用の目安と、費用が大きく変わる5つのポイント
- 入居者の立ち退きの進め方と、解体・建て替え・売却の判断の軸
- 解体完了までのスケジュールと、固定資産税などの税金の注意点
目次
構造別・規模別のアパート解体費用の目安
アパートの解体費用は現場の条件で大きく変わるため、正確な金額は現地調査のうえでお出しします。そのうえで、入口の目安としては次のとおりです。
| 延床面積(戸数の目安) | 木造(坪4〜5万円) | 軽量鉄骨造(坪5〜7万円) | RC造(坪6〜8万円) |
|---|---|---|---|
| 40坪(2階建て・6戸前後) | 160〜200万円 | 200〜280万円 | 240〜320万円 |
| 60坪(2〜3階建て・8〜10戸前後) | 240〜300万円 | 300〜420万円 | 360〜480万円 |
| 100坪 | 400〜500万円 | 500〜700万円 | 600〜800万円 |
※建物本体の解体費の参考値です。戸数は間取りによって変わります。アスベストの除去、残置物の処分、外構の撤去、地中埋設物の撤去などは含みません。
ただし、この表はあくまで入口の目安です。同じ広さのアパートでも、次にご説明する5つのポイントによって、数十万円から百万円単位で費用が変わります。
アパートの解体費用に影響のある5つのポイント

こんにちは!
昭和後期や平成初期にアパートを新築して、これまで賃貸収入を得ていたけれど、老朽化によって新築したい、または、取り壊して更地で売却されたいといったオーナー様も多いはずではないでしょうか。
でも、解体業者を探すにしても、いったいどこに頼んだらいいのかわからないし、解体費用の基準もよくわからない。
そんな方にアパートの解体を解体業者に発注する前に、解体業者が施工するに当たってどんなところを見ているのか、事前に注意すべきポイントを解説していきたいと思います。
建物の構造

アパートの解体費用で最も大きく影響を受けるのが、建物の構造です。
アパートの解体はプレハブ造が最も安く、次に木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造と続きます。
これは単純に構造の撤去にかかる解体工事費用が変わるためで、プレハブ造であれば狭い作業スペースしか確保できなくて重機を使わずに手壊しでもある程度解体できてしまいますし、プレハブ構造の撤去も木造や鉄骨と比較するとそこまで重量はないので解体材の運び出しに苦労しません。
木造だと、アパートはバスユニットやトイレの数は多いですが、通常の住宅解体と大きく違わずに解体手順を組むことができます。
一方で、鉄骨造や鉄筋コンクリート造となると、大型の重機や解体専用のアタッチメントが必要になり、もし隣地との距離が狭く作業スペースが確保できない場合は、手壊しに向かない鉄骨造や鉄筋コンクリート造でも、ある程度手壊し解体をした上での作業になってしまいます。
このように、アパートの解体費用は、構造によって費用が変わるというのを一番最初に知っておいてください。
あとは、アスベスト問題。
木造やプレハブ造などでアスベスト含有建材があった場合はそこまでで多額の費用になることはないのですが、、、
鉄骨造や鉄筋コンクリート造の場合、アスベストの鉄骨への吹き付けやアスベストの外壁塗膜などがあった場合は、大幅に金額が高くなりますので、アスベストがあった場合はご注意ください。
このように、解体の相場を教えてほしいとよく聞かれるのですが、正直相場なんてものはありません笑
実際に見積もり担当が現地調査に出向いて、構造やアスベストや立地、周りの周辺環境など総合的に価格は決まってきます。
隣地との距離

都内など狭い立地で敷地ぎゅうぎゅうに建物が建てられてしまっている場合、もし隣地との距離が十分に保てないと、重機を搬入することができません。
その場合、手壊し解体である程度まで進めていくことになります。
手壊し解体ですと、前述の通り、プレハブ造や木造では規模が小さければ、数十万円程度のアップで済むためそこまで解体費用に大きな影響はないのですが、、、
鉄骨造や鉄筋コンクリート造となると、百万円単位で大幅に解体費用に影響が出てしまいます。
対象の建物が隣地との距離が狭いと、このように施工計画に影響が出てきますので、ご注意ください。
前面道路の広さ

ご所有のアパートの前面道路の幅員を確認してください。
重機置き場から建物を取り壊す重機を、ダンプに乗せて回送してくるのですが、、、
もし前面道路または大通りからの動線で狭い道路があると、ダンプ回送車がアパートの前まで来ることができない場合があります。
このように道路が狭い場合、2tまたは3tトラックなどに、小型の重機を乗せて解体することになるのですが、、、
小型の重機で施工する場合、アームが届かない箇所が出てきて手壊し範囲は増えてしまったりして、躯体解体に時間がかかってしまうケースが出てきます。
施工範囲が広いと大きめの重機が入るかどうかがポイントに
通常の規模の木造住宅では、お見積り金額にそこまで大きな影響はない
アパートですと施工範囲が広いため、解体費用にわりと影響が出てきます
小型の重機よりも、少し大きめのサイズの重機が稼働した方が解体費用が安くなることを知っておいてください。
現場の道路状況を見て、どのサイズの重機を入れて、作業員は何人で、ここからここまでは手壊しで、ここからは重機を入れて、何日間の施工になるのかななど、施工計画を練っていきます。
ダンプの駐車・解体材一時保管スペースの有無

通常の住宅と違ってアパートの解体ですと、内装材が多くなるのが特徴になります。
面積に比べて住戸が多くなるので間仕切り壁、トイレ、バスの解体、撤去が増えます。
この場合、解体業者目線で考えて大変になるのが、解体した内装材を運搬するダンプまで運ぶ作業なのです。
解体した内装材の運搬距離
敷地内にダンプが駐車できると解体費用は安く済む
アパートの敷地にダンプが横付けできるといいのですが、もし近くのコインパーキングに駐車して運搬し積み込みするとなると、作業員の数も増えますし、作業日数も増えます。
実はこの運搬処理の距離によって、解体費用に影響が出てくるのを知っておいてください。
残置物の有無
アパートの中に、タンスや机、椅子、テーブル、ベットなどの残置物があった場合、解体業者で処分するとなると、それらは全て産業廃棄物としての処理となってしまい、ゴミを捨てるだけで数が多いと数十万円規模の金額になってしまいます。
できるだけ、残置物は施主様の方で、事前に一般ごみや粗大ゴミで処分されることをおすすめしています。
意外と盲点なのですが、このような部分も事前に知っていただけると、解体費用を抑えることができますので知っておいてください。
以上、これらの5つの要因で、アパートの解体費用が変わるということを知っていただいたら、実際のアパートの解体の流れを見ていきましょう!
解体業者がアパートの解体施工するに当たって、だいたいこんな作業工程があるのだなとイメージがついてもらえれば幸いです。
解体・建て替え・売却、どれを選ぶ?
古くなったアパートをどうするかは、建物と土地の状態、今後の収益の見通しによって変わります。
| 選択肢 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| 解体して建て替え | 立地がよく、新築でも入居が見込める | 立ち退き・解体・新築の費用と期間がかかる |
| 解体して更地で売却 | 買い手が新築を前提にしている | 解体費用が先にかかる。固定資産税が上がる |
| 古家付きのまま売却 | 解体費用を負担したくない | 売却価格が下がることがある |
| 修繕して運用を続ける | 建物の状態がよく、修繕費が見合う | 将来の修繕費・空室の増加 |
判断の目安になるのは、築年数、空室率、今後の修繕費、そして耐震性です。1981年5月以前に建築確認を受けた旧耐震基準の建物は、耐震補強の費用もかかるため、建て替えや売却を検討するきっかけになりやすいといえます。
入居者の立ち退きの進め方
入居者がいるアパートを解体するには、まず立ち退きを進める必要があります。一般的な賃貸借契約(普通借家契約)では、次の点に注意が必要です。
- 通知の期限:オーナーから契約を終える場合、少なくとも6か月前までに入居者へ通知する必要があります
- 正当な理由が必要:オーナーからの解約には「正当事由」が求められます。建物の老朽化だけでは足りないとされることも多く、立退料を支払うことで補うのが一般的です
- 立退料に決まった金額はない:引越し費用や新居の初期費用、家賃の差額などをもとに、入居者ごとに話し合って決めます
一方、定期借家契約であれば、原則として契約期間の満了で契約が終わります。立ち退きの交渉は法律の判断がからむため、不動産会社や弁護士に相談しながら進めると安心です。
解体工事の流れ
解体工事の概要
【地域】東京都世田谷区
【構造】軽量鉄骨造
【工期】1ヶ月
今回は、世田谷区に所在する軽量鉄骨造のアパートの解体のご依頼でした。
建築された年代を考えて、屋根はスレートだったので、アスベストが入っているとみなしてアスベスト含有建材として処理を行いました。
外壁材は、アスベスト検査に出したところ、無石綿との調査結果でしたので、通常の産廃処理を行いました。
内装解体

躯体を解体する前に、まずは先行で内装の解体を進めていきます。
住宅の解体では、もしかすると外国籍の職人さんたちが内装解体をせずに、いきなり重機で解体している現場も中にはあるのかもしれません。
もし、それを内装材の多いアパートの解体でやってしまうと、もう現場のあたり一体が解体材でぐちゃぐちゃになってしまいます。
その場合、解体材を仕分けするのは難しくなり、混合廃棄物として割高で産廃処分をすることになりますので、場合によっては追加請求などトラブルの元になってしまうケースもあるかもしれません。
アパートの解体
内装材の撤去を丁寧にやってくれる業者かどうかを事前に見極めることをおすすめします
内装解体材の搬出
木くず・内装ボード・バストイレの搬出

内装材をあらかた撤去した状態がこちらです。
おおむね躯体の軽量鉄骨と、屋根、外壁だけの状態になりました。
内装材の積み込み

今回の現場では、2tダンプをアパートの敷地内に駐車できたため、このように運搬と積み込み作業を楽に行うことができました。
木くず、陶磁器くず、廃プラスチックなど産廃はできるだけ混合廃棄物で出さないように、きっちり分けて産廃処理をしていきます。
養生

養生をして、足場を組んでいきます。
屋根材・外壁・床材の撤去

屋根材と外壁を撤去して、軽量鉄骨の骨組みだけにします。
今回珍しかったのが、2階床材はALC板だったことです。アパートで多いのは床を剥がしたら断熱材しかないのが多いのですが、こちらも撤去していきます。
同時に、1階部分の内装材の撤去を行っていきます。
重機解体

躯体部分を解体していくため、重機を搬入します。
ロングアームで屋根まで届く重機を選択して、作業を行っていきました。
軽量鉄骨の躯体を半分くらい壊してスペースができた後で、もう1台重機を入れて、1台は壊していく役割、もう1台はダンプに積み込んでいく役割の2台体制で、躯体解体作業を行っていきます。
住宅街の中での重機作業になりますので、騒音・粉塵など近隣への配慮は怠らずに進めていきます。
基礎解体

基礎は、アパートはベタ基礎も多いのですが、今回は布基礎でした。
基礎のコンクリートガラはそこまで多くななかったですが、コンクリート土間もあったので、コンクリートガラの搬出はけっこうな量があり、ダンプが何度も現場を行き来することになります。
ここで、弊社で注意したのが近くに商店街があったことです。
近隣配慮(リプロ工法)
警備員さんを配置して、人々の通行に配慮しながら、産廃を積み込んだダンプの搬出を行っていきます
一般の人々の通行がある中ですので、もしもの事故など絶対起こさないよう進めていきます。
試掘

基礎やコンクリート土間を全部撤去した後、試掘といって地中を約1mほど掘っていきます。
今回は、以前の建物に使われていたと見られる地中埋設物が多量に出てきました。
こちらの撤去をしっかりしておかないと、次に建物を新築する際に邪魔になってしまい、新築の工期が遅れます。
地中埋設物は残さず撤去(リプロ工法)
地中埋設物があった場合は次に新築することを考えて、解体の段階で残さずに撤去していきます
完工

最後は、整地をしてロープで括って完工となります。
お客様にも、完了の報告をして立ち会っていただき、綺麗になったとお褒めの言葉をいただきました。
この度は、弊社にご発注いただき、誠にありがとうございました!
立ち退きから解体完了までのスケジュール
アパートの解体は、工事そのものより、立ち退きに時間がかかるのが特徴です。
| 段階 | 期間の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 立ち退き | 半年〜1年以上 | 入居者への通知・交渉・退去 |
| 現地調査・見積り | 1〜2週間 | 建物・道路・隣地の確認、アスベスト事前調査 |
| 届出・近隣へのご挨拶 | 着工の1〜2週間前 | 建設リサイクル法の届出、石綿の報告など |
| 解体工事 | 1か月前後 | 今回の軽量鉄骨造アパートは約1か月 |
| 建物滅失登記 | 解体後1か月以内 | 法務局へ申請 |
最後の入居者が退去する時期が見えた段階で解体業者に相談すれば、退去後すぐに着工でき、空室のまま固定資産税やローンを払い続ける期間を短くできます。
アパートの解体と税金
固定資産税
アパートの敷地には住宅用地の特例が適用されており、1戸あたり200㎡までの部分は税負担が大きく軽減されています。戸数の多いアパートは敷地のほとんどが軽減の対象になっていることが多いため、解体して更地になると、土地の固定資産税が大幅に上がることがあります。税額は毎年1月1日時点の状況で決まるため、解体の時期は建て替えや売却の予定とあわせて検討しましょう。
解体費用や建物の帳簿価額の扱い
アパートの取り壊し費用や、建物の残りの帳簿価額は、不動産所得の必要経費にできる場合があります。ただし、賃貸の規模や建て替えの有無などによって扱いが変わるため、税理士に確認することをおすすめします。
【FAQ】よくある質問
Q. 入居者が残っている段階でも、解体の見積りを依頼できますか?
A. 可能です。空室の部屋や外観、道路や隣地の状況から見積りを作成し、退去の時期に合わせて施工計画を立てます。早めにご相談いただくほど、退去後すぐに着工しやすくなります。
Q. 立退料はいくら必要ですか?
A. 法律で決まった金額はありません。引越し費用や新居の初期費用、家賃の差額などをもとに入居者ごとに話し合って決めるのが一般的です。不動産会社や弁護士に相談しながら進めましょう。
Q. アパートの解体費用は、経費にできますか?
A. 不動産所得の必要経費にできる場合がありますが、賃貸の規模や建て替えの有無で扱いが変わります。具体的には税理士にご確認ください。
Q. 解体後に地中から埋設物が見つかったら、追加費用になりますか?
A. 追加費用になることがあります。今回の事例でも、基礎の撤去後に約1mの試掘をしたところ、以前の建物の埋設物が多量に見つかりました。次の新築に支障が出ないよう撤去しましたが、見つかった場合の対応方針と費用の考え方は、契約前に確認しておくと安心です。
まとめ
軽量鉄骨造のアパート解体の発注前に注意すべきポイントと、実際の解体の流れは掴めましたでしょうか?
最近は、弊社でもアパート解体のご依頼をいただくことも増えてきています。
アパートはオーナー様が所有されていた大事な資産ですし、アパートの解体は、気を遣う部分が通常の住宅とは異なるポイントもいくつかございます。
アパートを解体するって、意外といろんなことに気を遣って工事をしているのがわかっていただけたかもしれません笑
お見積り時点で、事前に施工計画をしっかり説明してくれる解体業者に発注することをお勧めします。
「建物を壊して更地になってしまえば、どこに頼んでも同じ。」
そんなことはありません。
費用の比較ばかりで解体業者を選ぶと、こんなところで痛い目に合ったりします。
お客様が本当に信頼できる一社を探してみてくださいね。
【解体業者へ直接発注】解体費用を抑えながら高い施工技術を実現します
解体業界では、価格比較サイトがとても増えました。複数業者の相見積もりで価格を比較して、お客様に選んでもらうシステムです。
確かに、業者同士でお見積りを競い合わせれば、お客様のお支払いする解体費用は安くなると思います。
ただ、あまりに行き過ぎた価格競争によって、現在では本来必要とされる正しい施工計画で解体をなされない現場が増えてきている懸念を感じています。
価格比較サイトのデメリット
・価格比較サイトから解体業者に紹介料マージンが10~20%発生している
・一人親方や数人規模の業者が多いため、施工技術にムラがある場合がある
・解体費用は安くなる一方で価格競争になる分、施工管理が煩雑になる場合がある
総合解体業者へ直接発注のメリット
・価格比較サイトへの紹介マージンがかからない分、正しい施工計画を立てられる
・様々な現場を経験した職人による施工で安心した施工ができる
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解体業者へ直接発注で紹介料マージンを抑えながら、、、
騒音・粉塵など近隣への配慮が必要な現場
鉄骨造、RC造など専用の建機とアタッチメントが必要な現場
アスベストがあって規則に沿った対応をすべき現場
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アパートの解体は、ぜひリプロにご相談いただけると幸いです。
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