倉庫・工場など事業用重量シャッターの撤去事例
<解体業者が教える3つのポイント>
・大型の倉庫・工場の部分撤去の一部始終を解説
・撤去の流れを項目ごとに細かく解説
・必要になった人工・車両などを解説
目次
先日、事業会社のお客様から、倉庫や工場など使用される重量シャッターの撤去のご依頼をいただきました。
倉庫や工場でスイッチを押して、自動で開け閉めできる電動のシャッター。
とても便利ですよね。。
あれって、事業用なので基本的には耐久性は優れているのですが、、、
やっぱり20年、30年使用するとガタがきます。
電気系統が壊れてスイッチを押しても反応しなくなったりした場合は修理で対応できますが、モーターの劣化から開閉が途中で止まってしまった場合は、撤去して新設するしかありません。
あまり、倉庫や工場で使用されている大きな電動シャッターの撤去を紹介した内容はあまり世の中に出回っていないと思います。
ですので、今回は解体屋がどうやって大きな構造物を撤去しているか、使用する車両や電動工具などをご紹介しながら、その一部始終を解説したいと思います!
撤去に必要な車両と人工、使用される工具
ユニック 1台
高所作業車 2台
作業人工 5人
1日で作業を終わらせるためには、シャッターの両端から高所作業車は2台で解体工事を行う必要があり、作業員は5人で行いました。そして、シャフトを吊り下げるため、人では運べない解体材を積込むために、ユニックを1台使用しました。
サンダー(ディスクグラインダー)
セーバーソー
バール
活躍してくれる工具は、解体の三種の神器であるこの三つです。
それでは、実際に重量シャッターを撤去した事例をご紹介していきます!
事業用重量シャッター撤去の流れ
埼玉県新座市某所の事業会社様の電動のスチール製重量シャッターになります。
今回の施工のポイントとして難しかったのは、、、
重量シャッター道路側に、事業者様の企業看板が取り付けられていたことです。
シャッターを撤去するだけならば、ユニックで吊りながら門柱とシャッターの接続部分をセーバーソーで切断して下ろしてしまえばいいのですが、、、
道路側の企業看板をそのまま門柱に残して、電動シャッター部分だけを撤去する工事になり、解体の技術が必要な現場でした。
スチール製シャッターボックスの撤去
まずは、この重量シャッタ―は巻き取り式であったため、巻き取り部分のスチール製ボックスをバラバラにしていきます。
この作業には、高所作業車に作業員が二人で乗っかって工事していきます。
まず作業員の一人がこの巻き取り部分のボックスのスチール板の側面は、もう経年劣化でビスが潰れて電動インパクトでは回らないので、サンダー(ディスクグラインダー)で飛ばしていきます。
後はもう一人の作業員がバールでこじって、側面部分のスチール板を外していきます。一枚のスチール板が外れたら、上から吊るして地上で待機していた作業員に渡してダンプへ積込みます。
このように、側面部分全てのスチール板を外したら、上部と下部のスチール板をセーバーソーで切断して、地上の作業員に渡すと言う作業を繰り返していきます。
これでスチール製のボックスは撤去できたので、続いてはシャフトと固定具の取り外しです。
シャフトは、左右ともサイズの大きなボルトとナットで止まっていました。こちらは、バールでこじりながら、スパナで回して外していきました。
問題は、モーターとシャフトの接続部分です。
結構頑丈で、高所作業車からモーター付近をサンダーとセーバーソーを使いながら切断していきました。30分ほど電動工具を動かし続けて、なんとか切断に成功しました。
工事は続いて、シャフトの吊り下げに入ります。
シャフトの吊り下げ
ここが今回の山場!
シャフトをユニックで吊すと決めたものの、シャフトが長いのでもしもバランスを崩してシャフトを落としてしまったら、大惨事になる場合も考えられます。
左右に高所作業車に乗った作業員がそれぞれバランスを見ながら、ゆっくり下ろしていきました。
ちなみに、シャフトに重さで負けてユニックが前につんのめって倒れないように、ユニックの荷台には、解体使用の重機のアームに使う大割アタッチメントを載せています。
ゆっくりゆっくり時間をかけて吊り下げに成功しました。
シャフトの切断とダンプへの積込み
続いては、地上面に下ろしたシャフトをダンプで運べるようにセーバーソーで3等分に切断していきます。このシャフトがなかなか頑丈で、作業員2人が押さえながらでセーバーソーの刃を何本もダメにしながら切断していきました。
切断ができたら、後はユニックで吊り上げてダンプに載せていきます。
この後、門柱とモーターの接続部分の切断に、2人がかりでセーバーソーとサンダーを使いながら2時間ほどかかりました。
これでなんとか、予定していた全ての撤去が終わりました。
事業用シャッターの素材と種類
素材
スチール製 or アルミ製 or ステンレス製 or 木製
種類
手動シャッター or 電動シャッター
軽量シャッター or 重量シャッター
防火シャッター or 防犯シャッター
最後に、事業用で使用される重量シャッターはどんな素材と種類があるのでしょうか?
シャッターを製造するメーカーは、文化シャッター、鈴木シャッター、三和シャッター工業などがございます。
これらの企業が製造したシャッターは、私たちの生活のどこに使われているかと言うと、戸建住宅の窓から、ガレージ、マンションの駐車場、小さな店舗から商業施設、学校、工場・倉庫などと、本当に幅広く使用されているのです。
素材に関しては、工場や倉庫での用途の場合、やはりスチール製が多いです。
スチールと言うと錆びやすいと言う印象が強いですが、特殊塗装を行ったカラー鋼板を使うので、錆に比較的強い構造となります。また、用途がマンションやガレージなどで、予算の縛りがない場合は、錆びないスチール製、ステンレス製で作られたものもあります。
種類は、電動シャッターなのか手動シャッターなのか、または戸建の駐車場や小さな店舗で使用されるような軽量なシャッターか、大きな工場や倉庫で使用される重量シャッターなのかで分かれて来ます。
ちなみに、工場や倉庫で使用される重量シャッターの場合、特定防火設備として防火に対応している場合も多いです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
解体屋の工事は、一体どんな方法で、どんな手順で工事が勧められていくのか、触れる機会がない方が当たり前だと思います。
私どもは、日々こうして事業者様の工場や倉庫、ビル、個人のお客様のご自宅の解体やブロック塀などの住宅外構の撤去を行なっております。
これからも、実際にあった事例をご紹介しながら、解体屋がどんな工事を行なっているのか知ってほしいなと考えております。
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