
解体を発注するにあたる大手と中小の解体業者の選び方
2025/04更新
目次
1. はじめに
住宅の解体を検討されている方にとって、信頼できる解体業者を選ぶことは、建て替えまたは土地のご売却にとって必要不可欠なものです。
全国におよそ3万社はあると言われる解体業者。法人が解体工事を行うには、建設業法に基づく建設工事業、土木工事業、解体工事業の許可、または500万円以下の請負の場合は都道府県に解体業の登録を得る必要があるのですが、正直、何をもって解体業者というのが難しいのです。
それこそ、許可を得ているといえば、鹿島建設、大成建設、清水建設、大林組、竹中工務店のスーパーゼネコンと呼ばれる売上規模数兆円の会社も含まれてしまいます。
建設業界は、ピラミッド型の構造になっている場合が今でも多いです。
ゼネコンが建物の解体を行う際は、自社で解体作業を行うのではなく、下請けの協力会社に仕事を発注することがほとんどとなります。
ここが一般の方には、イマイチわかりづらいところですよね。
「自宅を解体したい、自宅のお家周りの工作物の撤去をしてもらいたいけど、どこに頼んだらいいのかわからない。」
「資産として所有するビルやマンションを解体したいけれど、どこに頼んだらいいかわからない。」
「できれば、直接解体業者に依頼して、紹介手数料はかからない方がいい。」
このブログでは、大手と中小の解体業者の定義、特徴、メリット・デメリット、サービス内容の違いを詳細に比較し、解体工事を依頼する際の判断基準がわかるようにお伝えしていきたいと思います。
大手と中小の解体業者の定義
解体業においては、建設業のように明確な法律上の定義が存在するわけではないので、建設業界における大企業と中小企業の定義は、従業員数や資本金によって区別されることが一般的で、解体業に特化した明確な基準はありません。
解体業においては、一般的に以下が企業規模を判断する上で用いられます。
従業員数
大手企業は50名から300名以上の従業員に対し、中小規模の業者は1名から50名程度のことが多いです。
施工の規模と種類
大手は大規模な商業施設、工場、インフラなどの施工を手がける一方で、中小は住宅解体や小規模な商業施設の施工を中心に行う傾向があります。
保有重機
大手解体業者は、多様な解体工事に対応できる豊富な重機を保有していることが多い一方で、中小解体業者では、小規模な解体現場に特化した重機を保有していることが多いです。
売上高
一般的に、より大規模なプロジェクトに対応し、多くの顧客を持つ大手企業の方が売上高は高くなる傾向にあると考えられます。
これらの指標は一般的な目安であり、中小企業であっても大規模な施工現場に対応できる技術や設備を持つ場合や、大手企業が小規模な解体工事を下請けに委託するケースもあります。
大手解体業者の一般的な特徴
大手解体業者は、その企業規模により、中小企業とは異なる特徴を持っています。
地域密着型の事業展開
そのエリアで長年解体工事をしてきた実績があり、地域内の企業や自治体、政治家とのつながりを持っていることが多く、全国展開の大手企業が地域で展開する際にも施工を請け負うこともあります。
多様な現場案件
大手解体業者は、高層ビル、工場、倉庫、商業施設、橋梁などのインフラといった、大規模な解体案件を主に手がけます。公共工事や大手ゼネコンからの下請けも多く、大企業やデベロッパー、政府機関などを顧客に持つことが多いです。
高度な技術力と設備
大手は、高層解体に適した高所作業車や、大型破砕機など、多様な重機を保有しています。比較的大きな建物専用の重機を揃えており、工場や倉庫などRC造り、SRC造りの大きな構築物の解体に熟練した職人が多いです。
徹底した安全対策とコンプラ意識
大規模で危険を伴う現場に対応するため、粉塵、騒音、廃棄物処理に関する環境規制を厳格に遵守し、アスベストなどの有害物質の適切な除去・処理に関する専門知識と経験も豊富です。
大規模プロジェクトにおける独自の技術や工法の活用で、大規模な解体工事を効率的に、安全に、環境負荷を減らしながら、解体作業を行うのが大手企解体業者の強みです。
中小解体業者の一般的な特徴
中小解体業者は、大手とは異なる規模と特性を持っています。
地域密着型の事業展開
サブゼネコン、ハウスメーカーや工務店、新興の不動産会社などの下請けであったり、または自社でHPなどから顧客を獲得しています。
住宅解体や小規模工事が中心
戸建て住宅、アパート、小規模な商業施設、内装解体(原状回復工事)などを主な業務としています。カーポートや塀などの小規模な解体工事(プチ解体)も請け負うことがあります。
標準的な設備と技術
小規模な施工に適した解体重機(小型の油圧ショベル、トラックなど)を保有していることが多いです。特殊な機材が必要な場合は、レンタルで対応することもあります。
規模に応じた安全対策
施工規模に応じた安全対策を実施し、住宅解体などにおける一般的な安全対策を講じます。基本的な安全規制や業界の慣行を遵守します。
また、さらに小規模となる、従業員が1~5名程度の小規模な解体業者がたくさん存在します。
解体業者というは独立がしやすく、独立前に在籍していた中小解体業者の下請けとして活動していたり、重機や職人を少規模にしか持たず、木造住宅解体の職人として個人事業主でやっていたりします。また、まだ創業して間もない会社も多く、小さなサイズの重機とトラックが数台で、社長自ら解体していたりします。
外国人だけで運営されている会社も最近はとても増えてきていて、あまり日本語が得意ではない場合や日本の商慣習や法律を守られていないケースも増えてきました。
大手解体業者のメリットとデメリット
大手解体業者に依頼する主なメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
大規模・複雑な施工への対応力
より多くの人員、特殊な重機、高度な技術を有しているため、大規模かつ複雑な解体現場を施行する力が高いです。
高度な技術力と専門知識
最新の解体技術や独自の工法、専門的な知識を持つ人材が豊富です。
地域に根ざした専門知識と規制への理解
地元の有力者や自治体など地域社会の特性に関する深い知識や人脈を持っています。
安定したサービス品質
分業化された組織体制と標準化された施工管理体制により、サービスの品質が安定している傾向があります。
デメリット
高価格
一般的に、中小企業に比べて人件費、設備投資、間接コストなどが高いため、解体費用も高くなる傾向があります。
柔軟性の欠如
組織が大きいため、個々の顧客の細かな要望や急な変更に対応しにくい場合があります。
下請けへの委託によるコスト増
小規模な工事の場合、自社で直接施工せず下請け業者に委託することがあり、中間マージンが発生する可能性があります。
大手解体業者は、大規模で複雑な施工を高い技術力と安全管理で遂行できる一方で、どうしてもコストが高くなってしまうのと、柔軟性に欠ける場合があります。
中小解体業者のメリットとデメリット
中小解体業者に依頼する主なメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
競争力のある価格設定
大手に比べて間接コストが低いため、より競争力のある価格で解体工事を提供できることが多いです。
高い柔軟性と迅速な対応
個々の顧客のニーズに合わせて柔軟に対応でき、スケジュール調整なども比較的容易です。
経営者や担当者との直接的なコミュニケーション
オーナーやプロジェクトマネージャーと直接連絡を取りやすく、意思疎通がスムーズに行えることが多いです。
デメリット
大規模な施工の対応の難しさ
人員や保有する重機の数に限りがあるため、大規模な現場には対応できない場合があります。
最新技術や特殊設備の不足の可能性
最新の特殊な解体重機や技術を導入していない場合があります。
サービス品質のばらつき
担当者の経験やスキルによって、サービスの質に差が出ることがあります。外国人施行で、日本語のコミュニケーションが難しい場合もあります。
中小企業は、地域密着型で価格競争力があり、柔軟な対応が期待できる一方で、大規模な施工管理への対応力や最新技術の導入においては限界がある可能性があります。
解体工事を依頼する基準について
解体工事を依頼する際には、施行の規模や特性に応じて、大手と中小のどちらの業者を選ぶべきか、慎重に判断する必要があります。
施工の規模と複雑さ
大規模で複雑な解体工事(高層ビル、工場、特殊な構造物など)には、豊富な経験、高度な技術力、特殊な設備を持つ大手解体業者が適しています。一方、住宅や小規模な商業施設の解体には、地域に密着した中小解体業者でも十分に対応可能です。
予算
予算が限られている場合は、中小解体業者に見積もりを依頼することを検討すべきです。複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが重要です。
特殊なニーズ
アスベスト除去などの特殊な作業が必要な場合は、その分野の専門知識や資格を持つ業者を選ぶ必要があります。大手企業はこれらの対応に慣れていることが多いですが、専門性の高い中小企業も存在します。
地域性
地域特有の規制や近隣住民への配慮が必要な場合は、地元の事情に詳しい解体業者が有利な場合があります。
信頼性と実績
業者の信頼性や過去の実績を確認することも重要です。大手企業は実績が豊富である一方、中小企業でも地域で長年の信頼を得ている業者は多く存在します。
許認可と保険
解体工事を行うためには、解体工事業登録または建設業許可が必要です。また、万が一の事故に備えて、適切な損害賠償保険に加入しているか確認することも重要です。
大手または中小の解体業者を選ぶ基準
施工の特徴 |
推奨業者 |
主な考慮すべき内容 |
大規模な現場(高層ビル、工場、インフラ) |
大手 |
技術力、設備、実績、安全対策 |
小規模な現場(住宅、小規模商業施設) |
中小 |
価格、柔軟性、直接的なコミュニケーション |
予算重視 |
中小 |
複数の見積もり比較、サービスの範囲確認 |
特殊な作業が必要(アスベスト除去など) |
大手または専門の中小 |
専門知識、資格、実績 |
地域特有の規制や配慮が必要 |
大手 |
地域知識、地域社会との関係 |
短納期 |
大手または中小 |
業者のリソース、スケジュール調整能力 |
まとめ
このブログでは、解体業における大手と中小企業の特徴について解説しました。
大手解体業者は、大規模で複雑なプロジェクトに対応できる高い技術力と豊富な資源を持つ一方、コストが高く、柔軟性に欠ける場合があります。
中小解体業者は、地域密着型で価格競争力があり、柔軟な対応が期待できる反面、大規模プロジェクトへの対応力や最新技術の導入には限界がある可能性があります。
解体工事を依頼する際には、施工規模、予算、特殊なニーズ、地域性などを総合的に考慮し、最適な業者を選択することが重要です。
複数の業者から見積もりを取り、実績や信頼性を確認した上で、慎重に判断することをお勧めします。
大手と中小解体業者の比較表
特徴 |
大手解体業者 |
中小解体業者 |
定義 |
従業員数50名以上、大規模プロジェクト対応 |
従業員数1名~50名程度、住宅・小規模工事中心 |
プロジェクト規模 |
大規模(高層ビル、工場、インフラ) |
小規模(住宅、小規模商業施設、内装) |
技術力 |
高度、最新技術・独自工法あり |
標準的、熟練した職人の技術力 |
設備 |
豊富、特殊重機を保有 |
標準的、必要に応じてレンタル |
価格 |
高価格帯 |
比較的低価格帯 |
顧客対応 |
組織的、部門ごとの担当 |
直接的、パーソナル |
地理的範囲 |
地域密着型(都道府県) |
地域密着型(市区町村) |
メリット |
大規模・複雑な施工対応、高い技術力、高い信頼性、包括的な安全対策 |
価格競争力、地域知識、柔軟性、直接的なコミュニケーション |
デメリット |
高価格、柔軟性の欠如、下請けによるコスト増、地域事情への不慣れ |
大規模施工への対応の難しさ、最新技術・設備の不足の可能性、信頼性・安全基準の確認が必要、サービス品質のばらつき |
住宅解体希望の個人の方が関わりうる解体業者
住宅解体をご希望の個人の方が関わるとすれば、この中で言えば、
中規模の解体業者と小規模の解体業者
となります。
「住宅 解体」
「住宅 解体 費用」
などでgoogle検索した時に、上位に表示される多くが、
相見積もりサイト
と呼ばれるものです。
こちらは、マーケティング会社さんがやっているもので、解体に関する記事がとても多く、提携の解体業者を三社で見積りを取って費用を抑えるというものです。
まず、住宅の解体を検討し始めた人が検索によって、上位に表示されたり、広告で見ることになると思います。
このような相見積もりサイトのページが何社もあった後に、解体業者のホームページが検索に引っかかると思います。
または検索の仕方によっては、上位に解体業者のホームページにたどり着くはずです。
住宅を解体したい、お家周りの工作物の撤去をお願いしたいという個人の方が関わり合うなら、
ホームページを持つ中規模の解体業者とその提携の小規模の解体業者
相見積もりサイトとその提携の小規模の解体業者
になるのです。
解体業者の大手と中小の特徴について説明してきました。お客様のご希望に合う業者をお選びください。
【解体業者へ直接発注】解体費用を抑えながら高い施工技術を実現します
解体業界では、価格比較サイトがとても増えました。複数業者の相見積もりで価格を比較して、お客様に選んでもらうシステムです。
価格比較サイトのデメリット
・価格比較サイトへの紹介マージンが10数%程度発生している
・一人親方や数人規模の業者が多いため、施工技術の不安
解体業者へ直接発注のメリット
・価格比較サイトへの紹介マージンがかからない
・技術力のある職人による施工と豊富な建機所有
解体業者へ直接発注で解体費用を抑えながら、狭い立地、騒音など近隣への配慮や、鉄骨造、RC造など少し難しい現場のご相談ならぜひリプロまでお問合せお待ちしております!
<住宅の解体を発注する基準は?【解体業者の選び方】>
こちらのブログで、解体業者の選び方を説明しているのでご覧ください。
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<リプロの解体の特徴はこちらをご覧ください>