【解体屋が解説】解体費用はローンで払える?分離発注・補助金・つなぎ融資【完全ガイド】

2026/07/23更新
目次
家の建て替えを分離発注するときの資金

家の建て替えをハウスメーカーに発注する際に、銀行と提携された住宅ローンがあるのが普通です。ですので、建て替え費用の中の解体費用も、住宅ローンで賄うことが可能となります。
一方で、分離発注によって、建て替え工事の新築をハウスメーカーに、解体を解体業者に発注する場合は、住宅ローンが適用になりません。
建て替えの場合、分離発注が注目されだしてからまだ期間が短く、解体業者が個人のお客様との過去の取引実績が少ないために、どうしても解体業者に対する信頼がまだまだ低いのが現状で、銀行側に解体にかかるローンの商品自体がないのが普通です。
ただ、最近マスコミにたびたび話題に上がる「空き家」の解体に関しては、社会的な問題でもあるために、「空き家解体ローン」を商品とする銀行も多くなってきました。
理屈としては、ハウスメーカーから新たに住宅を建てるならば、解体費用も住宅建設費用の中に入るが、分離発注で解体ということだけになると、建物が何もなくなってしまうので、住宅ローンは下りないということみたいです。
そもそも「分離発注」とは?なぜローンが組みにくいのか
まず、記事のテーマである「分離発注」を整理しておきましょう。
分離発注とは、家の建て替えの際に、新築工事をハウスメーカーや工務店へ、解体工事を解体業者へ、それぞれ別々に発注する方式です。これに対して、解体も新築もまとめてハウスメーカーに任せるのが「一括発注」です。
なぜ分離発注だとローンが組みにくいのか
分離発注で解体だけを単独で発注すると、住宅ローンの対象になりにくくなります。理由は主に2つです。
- 解体するとその時点で建物がなくなり、住宅ローンの担保となる新築住宅がまだ存在しないため
- 建て替えの分離発注はまだ歴史が浅く、金融機関側に「解体単独」のローン商品が少ないため
それでも分離発注には費用のメリットがある
一方で、分離発注には費用面のメリットがあります。ハウスメーカーに一括で発注すると、解体工事は下請けの解体業者へ流れ、そこに中間マージンが上乗せされることが多いのです。解体業者へ直接依頼すれば、このマージンがかからない分、解体費用を抑えられます。
「住宅ローンにまとめられる一括発注」と「費用を抑えやすい分離発注」。資金計画とあわせて、どちらが総額で有利になるかを検討してみてください。
銀行からローンを組むにはどうすればいいの?

もし、分離発注で解体のローンを組みたいと言う場合は、都市銀行でもどこでも商品が多い「フリーローン(無担保ローン)」と呼ばれる住宅に限られないローンを選択する方法があります。
一般的に、どんな目的にも適用になるローンです。都市銀行などでも扱いがありますので、まずは都市銀行の内容を見ていきましょう。
みずほ銀行(2026/07現在)
金額:10~300万円
期間:6ヶ月〜7年
金利:6.525%(変動)・8.4%(固定)
三菱東京UFJ銀行
2018年5月31日を最後に、新規での多目的ローンの取り扱いを停止しています。
三井住友銀行(2026/07現在)
金額:10万円以上300万円以内
期間;1年以上10年以内
金利:6.625%(変動) ※住宅ローンとセットで金利優遇あり
※本ローンお申込時、三井住友銀行から住宅ローンをご利用中で、ご返済の遅延がないお客さまにつきましては、お借入時からご完済時までのお借入利率を店頭金利より▲年3.0%とする金利優遇。
以上が各都市銀行のフリーローン(無担保ローン)の内容となります。
現実的には、借入金額や借入期間に制限があり、金利もかなり高くなっているため、どうしても現金が必要な時以外は利用することはないかもしれません。
建て替えの解体費用は、基本は「現金」で
実際には、建て替えの解体費用は、現金でのお支払いが多くなっています。
現在お住いの住宅の解体費用に関しては、現金での費用算出となっている一方で、昨今多いのが「空き家の解体ローン」。
空き家の解体費用に関しては、かなり各地方銀行、信用金庫で商品が増えてきています。
市区町村など自治体からの補助金ってあるの?
解体費用は、ローンが組めないことがわかったけど、自治体によっては補助金や助成金が支払われることがあります。
特定緊急輸送道路沿道、または防火不燃化促進事業の区域に当たる建築物で、各自治体が指定する地区にあたり、新耐震基準(1981年5月)以前の建物に対して、または倒壊の危険があるとされた建物などそれぞれの基準に合った建物に助成金が支給されたりすることがあります。
金額も工事費用の1/2(目黒区)であったり、150万円(品川区)と金額が指定されていたり、自治体によってそれぞれになります。
また、外構部分のブロック塀の撤去や生垣の新設に助成金が支払われることもありますので、お住いの自治体に確認なさってください。
ローンを組む場合のそれぞれのローンの特徴

住宅の解体を発注する際に、主なローンの種類と注意点は以下の通りです。
住宅ローン(建て替えの場合)
特徴
新築や中古住宅の購入、建て替えに利用できます。建て替えの場合、解体費用を建築費用に含めて融資を受けられることがあります。
注意点
- 解体工事のみの場合は対象外
基本的に、解体工事だけを行う場合は住宅ローンの対象になりません。解体後の新築が前提となります。
- 融資実行のタイミング
融資は建物が完成した時点で実行されることが多いため、解体費用の支払いタイミングと合わない場合があります。解体業者が融資実行まで支払いを待ってくれるか、事前に確認が必要です。
- 分離発注の場合は対象外
解体工事と建て替え工事を別々の業者に依頼する場合、住宅ローンが利用できないケースが多いです。
空き家解体ローン
特徴
空き家問題を背景に、地域金融機関(地元の銀行や信用金庫など)が提供しているローンです。
- 補助金を利用している場合、金利が優遇されることもあります。
- 審査が通りやすい傾向にあります。
- 金利が比較的低い傾向があります。
- 担保や保証人が不要なケースが多いです。
注意点
- 利用条件(居住地や勤務地が営業地区内であること、安定収入があることなど)があります。
- 融資限度額が500万円程度と、他のローンに比べて低めに設定されていることがあります。
- あくまで「空き家」の解体費用に特化しているため、自宅の建て替えに伴う解体などには適用されない場合があります。
フリーローン
特徴
使用目的が原則自由なローンで、解体費用にも利用できます。
注意点
- 住宅ローンや空き家解体ローンに比べて金利が高めに設定されていることが多いです。
- 借入可能額が比較的少額(10万~500万円程度)な場合が多いです。
プロパーローン
特徴
金融機関独自のローンで、多目的に利用できることがあります。
注意点
フリーローンと同様に、金利や借入額、返済期間が金融機関によって異なります。
リフォームローン(一部対応)
特徴
自宅のリフォームに利用できるローンですが、一部の金融機関では「空き家の解体費用」や「リフォームに伴う解体費用」も対象としている場合があります。
注意点
全てのリフォームローンが解体費用に対応しているわけではないため、事前に確認が必要です。
ローンを組む際の一般的な注意点
- 複数の金融機関を比較検討
金融機関によってローンの内容、金利、借入期間、借入可能額、審査条件などが異なります。出来るだけ複数の金融機関から情報を集め、比較検討するのをお勧めします。
- 解体費用の見積もりのご用意
ローンの審査を受ける際には、解体費用の見積もりが必要になります。
- 支払いタイミングと融資実行タイミングの確認
解体業者への支払いタイミング(着工前や完了時など)と、融資が実行される時期が異なる場合があるため、事前に確認し、業者と相談しておくことが大切です。特に、融資の実行が工事完了後になる場合、解体業者への支払いを一時的に立て替えるか、「つなぎ融資」の利用を検討する必要があります。
- ローンと併用して補助金の活用
地域によっては空き家の解体に対して補助金制度が設けられている場合があります。ローンと併用できる場合もあるため、事前に自治体に確認してみると良いでしょう。
ご自身の状況(解体のみか、建て替えを伴うか、空き家かなど)や、必要な金額に合わせて最適なローンを選ぶことが重要です。
まずは複数の金融機関に相談し、詳細を確認することをおすすめします。
解体費用に使えるローンの比較表
解体費用に使える主なローンを、一覧表にまとめました。それぞれの特徴を押さえておくと、ご自身の状況に合った選択がしやすくなります。
| ローンの種類 | 主な対象 | 金利の傾向 | 借入限度額の目安 | 担保・保証人 |
|---|---|---|---|---|
| 住宅ローン(建て替え) | 新築を伴う建て替え(解体費を含められることも) | 低め | 数千万円規模 | 建物・土地 |
| 空き家解体ローン | 空き家の解体 | 中程度 | 〜500万円程度 | 不要が多い |
| フリーローン(無担保) | 使途自由(解体にも利用可) | 高め | 10〜500万円程度 | 不要 |
| リフォームローン | リフォーム(一部は解体費も対象) | 中程度 | 数百万〜1,000万円程度 | 不要が多い |
| つなぎ融資 | 住宅ローン実行までの一時的な立替 | 高め | 必要額に応じる | 案件による |
※金利・限度額は金融機関や時期によって異なります。最新の条件は各金融機関にご確認ください。
ポイントは、「解体だけ」か「建て替えを伴う」か「空き家か」で、選べるローンが変わることです。建て替えなら住宅ローンやつなぎ融資、空き家なら空き家解体ローン、使途を問わないならフリーローンが、それぞれ現実的な選択肢になります。
「つなぎ融資」とは?支払いタイミングのズレを埋める資金
建て替えで住宅ローンを利用する場合に、あわせて知っておきたいのが「つなぎ融資」です。
住宅ローンは、建物が完成して引き渡される時点で実行されることが多いローンです。ところが、解体費用や着工金は、それよりも前に支払う必要があります。この「支払いは先、住宅ローンの実行は後」というズレを埋めるための短期の借入が、つなぎ融資です。
- 用途:住宅ローンの実行前に必要な、解体費・着工金・中間金などの支払い
- 期間:数か月〜1年程度の短期
- 金利:住宅ローンより高めの傾向
解体業者への支払いが工事完了時で、住宅ローンの実行が新築完成時になる場合、その間の資金をどうするかを、あらかじめ金融機関と解体業者の両方に確認しておくと安心です。支払い時期の調整に応じてくれる解体業者かどうかも、確認しておきたいポイントです。
解体費用の補助金を使うときの3つのポイント
自治体の補助金・助成金は、うまく使えれば解体費用の負担を軽くできます。申請の際は、次の3点にご注意ください。
-
着工前の申請が原則 多くの制度で、工事を始める前の申請と交付決定が条件になっています。着工した後では対象外になることがあるため、スケジュールには余裕をもたせましょう。
-
対象となる条件を確認する 旧耐震基準(1981年5月以前)の建物、緊急輸送道路の沿道、倒壊の危険があると判断された家屋など、自治体ごとに条件が定められています。ご自宅が対象になるかを確認しましょう。
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「自治体名+解体 補助金」で探す 「お住まいの自治体名+解体 補助金(または 空き家 除却 補助金)」で検索するか、自治体の窓口に問い合わせてみてください。ローンと補助金を併用できる制度もあります。
ローンを選ぶ前に|解体費用の相場と見積もりを把握する
どのローンを選ぶにしても、その前に「解体費用がいくらかかるのか」を把握しておくことが欠かせません。理由は2つあります。
- ローンの審査には、解体費用の見積書が必要になるため
- 借入額を決めるには、総額の見通しが必要になるため
解体費用は、建物の構造や広さによって変わり、木造住宅ではおおよそ坪3〜5万円が目安です。ただし、付帯工事や残置物の量、立地によって変動するため、正確な金額は解体業者の見積もりで確認します。リプロでは、項目ごとに内訳を明示した見積書を実例で公開しています。相場観をつかむ材料として、あわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 解体費用はローンで払えますか?
A. 支払えます。ただし「解体だけ」の場合、住宅ローンは基本的に対象外です。空き家解体ローン、フリーローン、建て替えならつなぎ融資などが選択肢になります。
Q. なぜ分離発注だと住宅ローンが使えないのですか?
A. 解体後は担保となる建物がなくなること、解体単独のローン商品が少ないことが主な理由です。新築を伴う建て替えであれば、住宅ローンに解体費を含められる場合があります。
Q. 空き家解体ローンにはどんな特徴がありますか?
A. 地方銀行や信用金庫が扱うことが多く、担保・保証人が不要なケースが多い一方、限度額は500万円程度と低めです。補助金の利用で金利が優遇されることもあります。
Q. つなぎ融資は必ず必要ですか?
A. 必須ではありません。住宅ローンの実行前に、解体費や着工金の支払いを自己資金でまかなえる場合は不要です。支払い時期と融資実行時期にズレがある場合の選択肢です。
Q. 解体ローンの審査には何が必要ですか?
A. 一般的に、解体費用の見積書、本人確認書類、収入を証明する書類(源泉徴収票など)、対象物件の情報が必要です。まず解体業者から見積書を取得しておきましょう。
Q. 補助金とローンは併用できますか?
A. 制度によっては併用できます。補助金の利用でローンの金利が優遇されるケースもあります。詳しくは自治体と金融機関の双方にご確認ください。
Q. 解体費用は現金とローンのどちらで払うのがよいですか?
A. 金利の負担を考えると、自己資金でのお支払いが基本です。ただし、手元の資金を残しておきたい場合や、条件の合う空き家解体ローンが使える場合は、ローンも選択肢になります。
Q. 解体費用の相場はどれくらいですか?
A. 建物の構造や広さで変わります。木造住宅ではおおよそ坪3〜5万円が目安ですが、正確な金額は、ローン審査にも使う見積もりで確認しましょう。
Q. 分離発注と一括発注では、どちらが費用を抑えられますか?
A. 一般には、解体業者へ直接依頼する分離発注のほうが、中間マージンがかからず抑えやすい傾向です。ただし、住宅ローンにまとめにくい点は考慮が必要です。
この記事のまとめ
- 解体だけを分離発注すると、住宅ローンは基本的に使えません
- 建て替えの解体費用は現金が基本ですが、空き家についてはローン商品が増えています
- 建て替えなら「つなぎ融資」、空き家なら「空き家解体ローン」、使途自由なら「フリーローン」が主な選択肢です
- 補助金は着工前の申請が原則。ローンと併用できる場合もあります
- 分離発注は住宅ローンにまとめにくい一方、中間マージンがかからず解体費用を抑えやすい利点があります
<空き家の解体にはローンが組める!>
解体には、ローンが組めないことを説明してきましたが、実は最近空き家に関してはローンが整備されてきました。こちらの記事で解説していますのでご覧になってくださいね。
<リプロの施工事例はこちらをご覧ください>
<リプロの解体の特徴はこちらをご覧ください>


















