
解体を分離発注すると、ローンが組めないって本当!?
2025/05/20更新
目次
- 家の建て替えを分離発注するときの資金
- 銀行からローンを組むにはどうすればいいの?
- 建て替えの解体費用は、基本は「現金」で
- 市区町村など自治体からの補助金ってあるの?
- ローンを組む場合のそれぞれのローンの特徴
家の建て替えを分離発注するときの資金
家の建て替えをハウスメーカーに発注する際に、銀行と提携された住宅ローンがあるのが普通です。ですので、建て替え費用の中の解体費用も、住宅ローンで賄うことが可能となります。
一方で、分離発注によって、建て替え工事の新築をハウスメーカーに、解体を解体業者に発注する場合は、住宅ローンが適用になりません。
建て替えの場合、分離発注が注目されだしてからまだ期間が短く、解体業者が個人のお客様との過去の取引実績が少ないために、どうしても解体業者に対する信頼がまだまだ低いのが現状で、銀行側に解体にかかるローンの商品自体がないのが普通です。
ただ、最近マスコミにたびたび話題に上がる「空き家」の解体に関しては、社会的な問題でもあるために、「空き家解体ローン」を商品とする銀行も多くなってきました。
理屈としては、ハウスメーカーから新たに住宅を建てるならば、解体費用も住宅建設費用の中に入るが、分離発注で解体ということだけになると、建物が何もなくなってしまうので、住宅ローンは下りないということみたいです。
銀行からローンを組むにはどうすればいいの?
もし、分離発注で解体のローンを組みたいと言う場合は、都市銀行でもどこでも商品が多い「フリーローン(無担保ローン)」と呼ばれる住宅に限られないローンを選択する方法があります。
一般的に、どんな目的にも適用になるローンです。都市銀行などでも扱いがありますので、まずは都市銀行の内容を見ていきましょう。
みずほ銀行(2025/05現在)
金額:10~300万円
期間:6ヶ月〜7年
金利:6.025%(変動)・7.5%(固定)
三菱東京UFJ銀行
2018年5月31日を最後に、新規での多目的ローンの取り扱いを停止しています。
三井住友銀行(2025/05現在)
金額:10万円以上300万円以内
期間;1年以上10年以内
金利:6.375%(変動) ※住宅ローンとセットで金利優遇あり
以上が各都市銀行のフリーローン(無担保ローン)の内容となります。
現実的には、借入金額や借入期間に制限があり、金利もかなり高くなっているため、どうしても現金が必要な時以外は利用することはないかもしれません。
建て替えの解体費用は、基本は「現金」で
実際には、建て替えの解体費用は、現金でのお支払いが多くなっています。
現在お住いの住宅の解体費用に関しては、現金での費用算出となっている一方で、昨今多いのが「空き家の解体ローン」。
空き家の解体費用に関しては、かなり各地方銀行、信用金庫で商品が増えてきています。
市区町村など自治体からの補助金ってあるの?
解体費用は、ローンが組めないことがわかったけど、自治体によっては補助金や助成金が支払われることがあります。
特定緊急輸送道路沿道、または防火不燃化促進事業の区域に当たる建築物で、各自治体が指定する地区にあたり、新耐震基準(1981年5月)以前の建物に対して、または倒壊の危険があるとされた建物などそれぞれの基準に合った建物に助成金が支給されたりすることがあります。
金額も工事費用の1/2(目黒区)であったり、150万円(品川区)と金額が指定されていたり、自治体によってそれぞれになります。
また、外構部分のブロック塀の撤去や生垣の新設に助成金が支払われることもありますので、お住いの自治体に確認なさってください。
ローンを組む場合のそれぞれのローンの特徴
住宅の解体を発注する際に、主なローンの種類と注意点は以下の通りです。
住宅ローン(建て替えの場合)
特徴
新築や中古住宅の購入、建て替えに利用できます。建て替えの場合、解体費用を建築費用に含めて融資を受けられることがあります。
注意点
- 解体工事のみの場合は対象外
基本的に、解体工事だけを行う場合は住宅ローンの対象になりません。解体後の新築が前提となります。
- 融資実行のタイミング
融資は建物が完成した時点で実行されることが多いため、解体費用の支払いタイミングと合わない場合があります。解体業者が融資実行まで支払いを待ってくれるか、事前に確認が必要です。
- 分離発注の場合は対象外
解体工事と建て替え工事を別々の業者に依頼する場合、住宅ローンが利用できないケースが多いです。
空き家解体ローン
特徴
空き家問題を背景に、地域金融機関(地元の銀行や信用金庫など)が提供しているローンです。
- 補助金を利用している場合、金利が優遇されることもあります。
- 審査が通りやすい傾向にあります。
- 金利が比較的低い傾向があります。
- 担保や保証人が不要なケースが多いです。
注意点
- 利用条件(居住地や勤務地が営業地区内であること、安定収入があることなど)があります。
- 融資限度額が500万円程度と、他のローンに比べて低めに設定されていることがあります。
- あくまで「空き家」の解体費用に特化しているため、自宅の建て替えに伴う解体などには適用されない場合があります。
フリーローン
特徴
使用目的が原則自由なローンで、解体費用にも利用できます。
注意点
- 住宅ローンや空き家解体ローンに比べて金利が高めに設定されていることが多いです。
- 借入可能額が比較的少額(10万~500万円程度)な場合が多いです。
プロパーローン
特徴
金融機関独自のローンで、多目的に利用できることがあります。
注意点
フリーローンと同様に、金利や借入額、返済期間が金融機関によって異なります。
リフォームローン(一部対応)
特徴
自宅のリフォームに利用できるローンですが、一部の金融機関では「空き家の解体費用」や「リフォームに伴う解体費用」も対象としている場合があります。
注意点
全てのリフォームローンが解体費用に対応しているわけではないため、事前に確認が必要です。
ローンを組む際の一般的な注意点
- 複数の金融機関を比較検討
金融機関によってローンの内容、金利、借入期間、借入可能額、審査条件などが異なります。出来るだけ複数の金融機関から情報を集め、比較検討するのをお勧めします。
- 解体費用の見積もりのご用意
ローンの審査を受ける際には、解体費用の見積もりが必要になります。
- 支払いタイミングと融資実行タイミングの確認
解体業者への支払いタイミング(着工前や完了時など)と、融資が実行される時期が異なる場合があるため、事前に確認し、業者と相談しておくことが大切です。特に、融資の実行が工事完了後になる場合、解体業者への支払いを一時的に立て替えるか、「つなぎ融資」の利用を検討する必要があります。
- ローンと併用して補助金の活用
地域によっては空き家の解体に対して補助金制度が設けられている場合があります。ローンと併用できる場合もあるため、事前に自治体に確認してみると良いでしょう。
ご自身の状況(解体のみか、建て替えを伴うか、空き家かなど)や、必要な金額に合わせて最適なローンを選ぶことが重要です。
まずは複数の金融機関に相談し、詳細を確認することをおすすめします。
<空き家の解体にはローンが組める!>
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