【解体屋が解説】空き家の解体はローンで組める!金利・補助金・固定資産税【完全ガイド】

2026/07/23更新
目次
2 【2023年法改正】特定空き家・管理不全空き家と固定資産税
空き家の解体にはローンが組める!
突然訪れる空き家の解体問題。
相続で住宅を譲り受けたけど、建物は古くなってしまったけど、思い入れもあるし、とりあえずそのまま売却も、解体もせずに残しておいた空き家。
「雑草が覆い茂って、近隣住民からクレームが来てしまった。」
「老朽化したブロック塀が崩れかけていて、歩行者に危険が及ぶ状況に。」
「突然、行政から特定空き家に認定されてしまって、とんでもない額の固定資産税の請求が来てしまった。」
このように、とりあえず、そのままにしていた空き家を、どうにかしないといけない状況は突然来ます。
ここで、問題になるのが「費用。」
空き家を解体するのに、平米数によって金額は大きく変わりますが、少なくとも200〜300万円ほどはかかってきます。
そしてその費用は大体、見積もりを取ってから工事前に半金、工事後に半金という契約がこの業界では多いです。
「突然200万円用意してくれと言われても。。。」
そんな方は、空き家の解体ローンという商品をぜひ知っておいてください。
空き家解体ローンという制度が信用金庫を中心として存在しています。もしくは、住宅取得資金をサポートする商品の中に、空き家解体に資金を充当できるものがございます。
近年、空き家が増加していて、行政からの指導により、固定資産税の減税措置の適用を受けることができなくなる特定空き家法案の可決によって、これからさらに空き家を所有することのリスクが高まってきています。
【2023年法改正】特定空き家・管理不全空き家と固定資産税
空き家をそのままにしておくと、なぜ費用をかけてでも解体を検討すべきなのか。その大きな理由が、固定資産税です。2023年の法改正で、空き家を取り巻く状況はさらに厳しくなりました。
住宅が建つ土地は、固定資産税が軽減されている
土地の上に住宅が建っていると、「住宅用地特例」によって、固定資産税が最大で6分の1に軽減されています。空き家であっても、建物が建っているうちは、この軽減を受けられます。
2023年の改正で「管理不全空き家」が新設された
2023年12月に施行された空家対策特別措置法の改正で、これまでの「特定空き家」に加えて、「管理不全空き家」という区分が新設されました。放置すればいずれ特定空き家になるおそれのある空き家が対象です。
特定空き家・管理不全空き家に指定され、行政から勧告を受けると、住宅用地特例が解除されます。 その結果、土地の固定資産税が上がってしまうのです。
| 土地の状態 | 住宅用地特例 | 土地の固定資産税 |
|---|---|---|
| 通常の住宅が建っている | 適用(最大1/6に軽減) | 軽い |
| 管理不全空き家・特定空き家(勧告後) | 解除される | 最大でおよそ6倍に |
| 解体して更地にした | 対象外 | 特例なし |
※実際の税額は、負担調整措置などによって変動します。
つまり、危険な空き家を放置し続けると、「固定資産税が上がる」「倒壊やブロック塀の崩落で責任を問われる」「最終的に行政代執行の対象になる」といったリスクを抱えることになります。だからこそ、早めの解体や活用の検討が大切なのです。
どんな銀行のどんな商品があるの?
空き家解体ローンの金利相場と条件の目安
空き家解体ローンは、この数年でさらに普及しました。金融機関ごとに条件は異なりますが、一般的な傾向は次のとおりです。
| 項目 | 空き家解体ローンの傾向 |
|---|---|
| 主な取り扱い | 地方銀行・信用金庫が中心 |
| 借入限度額 | 500万円程度まで |
| 借入期間 | 10〜20年以内 |
| 金利の目安 | 年1〜4%程度(使途自由のフリーローンより低め) |
| 担保・保証人 | 不要のケースが多い |
| 主な条件 | その金融機関の営業エリア内に居住・勤務していること |
空き家ではない住宅の解体だと、フリーローンでかなり高い金利が適用になりがちですが、空き家に関しては現実的な金利で借りられるのが特徴です。補助金の利用で金利が優遇される商品もあります。
※金利・条件は金融機関や時期によって変わります。最新の内容は、お住まいの近くの信用金庫・地方銀行に直接ご確認ください。
今回は、3つの銀行の商品を紹介してみます。
JA西東京 「JA空き家解体ローン」
武蔵野銀行 「空き家活用ローン」
りそな銀行 「りそな空き家専用ローン」
空き家解体ローン
この数年間で、空き家解体に充当できるローンがかなり増えてきました。その中で、いくつかご紹介してみます。
JA西東京
https://www.ja-nishitokyo.or.jp/jabank/loan
「JA空き家解体ローン」
金額:10万円以上500万円以内
期間;1年以上10年以内
金利:3.75%(金利最大0.35%軽減あり2026年7月現在)
武蔵野銀行
http://www.musashinobank.co.jp/loan/vacanthouse/
「空き家活用ローン」
金額:10万円以上1,000万円以下
期間;6ヵ月以上15年以下
金利:年1.675%~年5.675%(固定金利・保証料込)
りそな銀行
https://www.resonabank.co.jp/kojin/akiya/?bank=sr_unite
「りそな空き家専用ローン」
金額:10万以上1,000万円以内
期間;1年以上15年以内
金利:りそな銀行所定の変動金利となります。(2026年7月現在)
本ローンをお申込時点でりそな銀行所定の住宅ローンをご利用中の方は、店頭表示金利より年▲1.475%優遇される特徴があります。
住宅の解体にローンが適用できない理由
通常、住宅の解体にはローンが適用になりません。
その理由は、住宅の新築やリフォームをすることで将来への資産価値が増すものに関しては、長期間に渡って資金の貸付をする意味があるのですが、住宅を解体して、資産をゼロにするというものに関して長期での資金の貸付はできないという理屈です。
ですが、そうは言ってもいられなく、空き家が世の中どんどん増えていき、手つかずのまま放置されていっています。
空き家の解体費用に使える補助金
空き家は、自治体の除却(解体)補助金の対象になりやすい建物です。ローンとあわせて活用を検討しましょう。
- 対象の例:旧耐震基準(1981年5月以前)の建物、老朽化して危険と判断された空き家、不良住宅 など
- 補助額の目安:解体費用の一部(補助率や上限額は自治体によって異なります)
- 注意点:多くの制度で着工前の申請・交付決定が条件です。工事を始めた後では対象外になることがあります
「お住まいの自治体名+空き家 解体 補助金(または 除却 補助金)」で検索するか、自治体の窓口に確認してみてください。補助金とローンを併用できる場合もあります。
空き家を解体するメリット・デメリット
解体を判断する際は、メリットとデメリットの両方を知っておくことが大切です。
メリット
- 倒壊やブロック塀の崩落といった、事故・損害賠償のリスクをなくせる
- 特定空き家・管理不全空き家に指定されるリスクを回避できる
- 更地にすることで、売却や駐車場などの土地活用がしやすくなる
デメリット・注意点
- 更地にすると住宅用地特例がなくなり、土地の固定資産税は上がる
- 解体費用がかかる(空き家の解体費用で200〜300万円が一つの目安)
ここで押さえておきたいのは、特定空き家・管理不全空き家として勧告を受けても、結局は住宅用地特例が外れて税負担が上がるという点です。放置してもリスクと税負担が増えるのであれば、解体して売却・活用に進めたほうが、資産の整理につながるケースは少なくありません。
空き家の解体から売却・活用までの流れ
空き家の解体は、補助金やローンの申請が絡むため、進める順番が大切です。一般的な流れは次のとおりです。
- 解体業者に見積もりを依頼する … 補助金・ローンの審査には、いずれも解体費用の見積書が必要になります
- 自治体の補助金を確認・申請する … 着工前の申請が原則です
- ローンを利用する場合は金融機関に申し込む … 見積書をもとに審査を受けます
- 交付決定・融資の目処が立ってから着工する … 順番を誤ると補助金の対象外になることがあります
- 更地にして、売却や土地活用へ進む
とくに、補助金は着工前の申請、ローンの審査にも見積書が必要になるため、まずは解体業者から見積もりを取得することから始めると、その後がスムーズです。
よくある質問(FAQ)
Q. 空き家の解体にローンは使えますか?
A. 使えます。信用金庫や地方銀行を中心に「空き家解体ローン」が普及しています。限度額は500万円程度、担保・保証人が不要のケースが多いです。
Q. 空き家を放置すると固定資産税が上がるって本当ですか?
A. 本当です。特定空き家・管理不全空き家に指定されて勧告を受けると、住宅用地特例が解除され、土地の固定資産税が最大でおよそ6倍になる可能性があります。
Q. 「管理不全空き家」とは何ですか?
A. 2023年12月施行の法改正で新設された区分で、放置すればいずれ特定空き家になるおそれのある状態の空き家です。勧告を受けると、特定空き家と同様に住宅用地特例が解除されます。
Q. 空き家解体ローンの金利相場はどれくらいですか?
A. 年1〜4%程度が一つの目安です。使途自由のフリーローンより低く、現実的な金利で借りられます。時期や金融機関によって変わるため、最新の条件はご確認ください。
Q. 解体して更地にすると、かえって税金が上がりませんか?
A. 更地にすると住宅用地特例がなくなり、土地の固定資産税は上がります。ただし、特定空き家・管理不全空き家のまま勧告を受けても同様に上がります。売却・活用の選択肢が広がる点も含めて判断しましょう。
Q. 空き家の解体に補助金は使えますか
A. 多くの自治体で、老朽化した危険な空き家の除却に補助金が設けられています。着工前の申請が原則で、ローンと併用できる場合もあります。
Q. 相続した空き家を解体するとき、注意することはありますか?
A. まず名義(相続登記)が済んでいるかを確認しましょう。共有名義の場合は、他の相続人の同意が必要になることがあります。2024年4月から相続登記が義務化されているため、あわせて手続きの確認をおすすめします。
Q. 空き家解体ローンの審査には何が必要ですか?
A. 一般的に、解体費用の見積書、本人確認書類、収入を証明する書類、対象物件の情報が必要です。まずは解体業者から見積書を取得しておきましょう。
Q. 解体した後、土地はどう活用できますか?
A. 売却のほか、駐車場や賃貸用地、資材置き場などの活用が考えられます。更地は買い手がつきやすく、活用の選択肢が広がります。
この記事のまとめ
- 空き家の解体には、信用金庫・地方銀行を中心に「空き家解体ローン」が使えます(限度額500万円程度・無担保が多い)
- 2023年の法改正で「管理不全空き家」が新設され、勧告を受けると固定資産税が最大約6倍に上がる可能性があります
- 空き家は除却補助金の対象になりやすく、着工前申請が原則です
- 放置し続けてもリスクと税負担が増えるため、早めに解体・売却・活用を検討することが大切です
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