たった1,000円で申請可能?建物の解体で行う滅失登記とは【解体業者が解説】
2023年8月22日更新
目次
3.3 解体してもう無いはずの建物に固定資産税がかかり続ける
滅失登記とは
戸建住宅などの解体を解体業者に発注した場合、解体後に必ず必要になってくるのが、建物の滅失登記になります。
建物が現存している場合、それら登記簿という書類に登記が行われています。日本全国のどこにどういった建物が誰の所有で建てられているのか、という証明書が登記簿になります。
建物が新築で建てられた際に表題登記をするのですが、、
それとは反対に建物が解体によって取り壊された場合、「建物がなくなりましたよ」という証明を行うために登記を行うのが滅失登記になります。
法務局が滅失登記をする場所
滅失登記をする場所は、土地建物を管轄している法務局にあたります。
ご住所から管轄の法務局をインターネットで調べてみてください。
土地家屋調査士が滅失登記をする人
登記簿の表題部分に関する登記なので、滅失登記は表題登記と同様に土地家屋調査士が担当します。
中古物件の売買のように所有権移転が伴う場合は、買主と売主との権利関係もあるので間に司法書士が入って登記を行う必要があります。
ですが、滅失登記の場合、所有者が一人、もしくは共同で所有していても、親族がほとんどでしょうから所有者が自分で申請しても大きな問題にはならないことが多いはずです。
はい、意外と知られていないのですが、滅失登記は自分できます。
土地家屋調査士に依頼する場合、3~5万円ほどが申請代行費用としてかかってくるのですが、、、
自分で登記すると、、
たった1,000円
で滅失登記をすることができます。
登記事項証明書(登記簿謄本)を法務局で取得する費用の1,000円のみで、必要書類をまとめて建物が所在していたエリアの法務局に申請するだけなのです。
申請書類の準備や法務局への訪問などで手間はありますが、何よりも費用が抑えられるので、是非ご自宅を解体する前に登記の申請方法を知っておいてください。
自分で滅失登記を申請する
建物滅失登記は、建物を解体してから1ヶ月以内に行う必要があります。
ご自身で申請される場合の流れについて、まとめてみました。
申請までの流れ
- 申請する法務局はどこなのか見つける
- 必要書類の準備
- 必要書類を法務局へ提出
- 登記の完了と登記完了証
申請する法務局はどこか見つける
「〇〇市 法務局」「〇〇市 法務局 管轄」
などで検索すると、管轄の法務局が分かります。
法務局は、都道府県それぞれにあるのですが、〇〇地方法務局、〇〇法務局出張所など様々な名称があります。
ここで厄介なのが、それぞれの地方法務局にも、本局、支局、出張所で管轄が異なり、対象建物の所在している市区町村がどこの管轄なのか見つけなくてはなりません。
さらに、不動産登記の管轄、商業・法人登記の管轄区域も異なる場合が多いのですが、建物滅失登記は不動産登記の管轄となります。各エリアの法務局と不動産登記の管轄区域の法務局を見つけてください。
そして、法務局の統廃合には注意してください。登記事項証明書の最後に、どこの法務局での発行なのかがわかる記載がありますが、何年も前の証明書だと、法務局の統合が行われていて、管轄外となる可能性があります。
けっこうこのあたりが分かりづらくて、申請につまずく要因かと思われます、、、
必要書類の準備
- 建物滅失登記申請書
- 建物取毀(とりこわし)証明書
- 解体業者の印鑑証明書
- 住宅地図
上記の4つが必要になります。
登記申請書は、インターネットで事前にダウンロードできますし、記入例もあります。
また、窓口に提出する場合なら、提出時にわからないことがあったら法務局の窓口の係の人に聞きながら記入することができます。
建物取毀(とりこわし)証明書と解体業者の印鑑証明書は、解体業者に用意してもらえます。
そして、住宅地図は、建物の所在地のGoogleマップを印刷すればオーケー。
そう、書類はすぐに集まるのです!
必要書類はそんなに難しくないことがわかりました。
必要書類を法務局へ提出
- 窓口
- 郵送
- インターネット
申請方法は3つ。ここで、オススメの申請方法は窓口か郵送!
法務局での手続きは初めてのため、なんだかんだ記入ミスもやっぱりあるもの。
対象物件の管轄法務局がご自宅から近い場合は、窓口での申請をオススメしています。
ただ、やっぱり法務局まで遠いし、平日は仕事で時間が取れないし、、、
そんな方は、郵送でも申請可能です。
意外と知られていない郵送での申請。
ただ、注意が必要なのは記入ミスがあった場合、管轄法務局まで訂正をしにいかないとなりません。
登記事項証明書に記入なんてことは、初めてという方がほとんどだと思いますので、郵送の場合、は、慎重に記入なさってください。
インターネットでも申請は可能なのですが、初めての申請にはちょっとシステムが複雑で分かりづらいかもしれません。
登記の完了と登記完了証
登記の完了は何でわかるのでしょうか?
必要書類を提出してから登記完了予定日までに、書類の不備や記入ミスがあった場合に法務局から補正依頼があります。通常は、書類提出の当日から2,3日くらいで連絡はあるかと思います。
もしこの補正依頼が登記完了予定日までになかったら、登記が完了したことになります。
これによって、所在地の建物の不動産登記簿は役目を終えて閉鎖されます。
建物滅失登記がなされたかどうかを確認するには、建物の閉鎖登記事項証明書を取得すれば、滅失した建物の登記情報を取得できます。
また、登記が完了すると、登記完了証を受け取ることができ、郵送で受け取るか、完了予定日以降から3ヶ月以内に窓口まで受け取りに行くことができます。
窓口で受け取る場合は、申請書に使用した印鑑が必要になるのでご注意ください。
以上が、個人で申請する流れとなります。
建物滅失登記を怠ったデメリット
申請の関する流れに続きまして、もし建物滅失登記を怠った場合について解説していきます。
建て替えの建築許可が下りなくなる
現状は建物を取り壊していたとしても、土地の上物となる建物が登記上残ってしまっていると、新しくその土地に建物の建築許可が下りなくなってしまいます。
もし、建て替えを検討されていて、いざ新築しようとしても、そんなところから新築の予定工期が遅れてしまい、引越しのタイミングが合わなくなってしまうなんてことも。
土地の売却ができなくなる
建て替えだけではなく、土地の売却時にも所有権移転登記が必要になりますので、その際に現況とは異なって土地に建物が残ったままの登記だと、売買が成立しなくなってしまいます。
売買は相手方あってのことなので、滅失登記の完了まで待てずに、契約が流れてしまうなんてこともあり得ます。
建物の建て替えや土地の売却を目的として、建物の解体を行った方には、そもそもの目的が達成できなくなってしまうので、必ず行いましょう。
解体してもう無いはずの建物に固定資産税がかかり続ける
固定資産税は、登記の情報をもとに算出されますので、建物がもし滅失登記されていなかった場合、かかるはずのない固定資産税がかかってしまうことも。
ただ、木造住宅ですと、解体する場合はすでに減価償却が終わっている場合がほとんどだと思われるので、固定資産税がかかることは稀になるかもしれません。
10万円以下の罰金が課せられる可能性がある
もし、建物滅失登記がなされずに、そのままにされていた場合、不動産登記法第164条により、10万円以下の罰金が課せられる恐れがあります。
<解体工事のカラクリ>
解体工事もお得に済ますコツがあります!解体の「分離発注」についてはこちらにまとめています♪
まとめ
いかがでしょうか?
建物滅失登記ってそんな難しくはないと思いませんか?
個人で申請を行って、浮いたお金で新築のマイホームにちょっと良い家具を購入してみたりしてみてはいかがでしょうか。
最近では、外国籍の職人さんも増えてきていて、お見積りを頼んでいる解体業者さんがしっかりと滅失登記に必要な建物取毀(とりこわし)証明書と、解体業者の印鑑証明書を提出してくれる業者なのか、確認してから発注なさってください。
「建物を壊して更地になってしまえば、どこに頼んでも同じ。」
そんなことはありません。
お客様が本当に信頼できる一社を探してみてくださいね。
【解体業者へ直接発注】解体費用を抑えながら高い施工技術を実現します
解体業界では、価格比較サイトがとても増えました。複数業者の相見積もりで価格を比較して、お客様に選んでもらうシステムです。
確かに、業者同士でお見積りを競い合わせれば、お客様のお支払いする解体費用は安くなると思います。
ただ、あまりに行き過ぎた価格競争によって、現在では本来必要とされる正しい施工計画で解体をなされない現場が増えてきている懸念を感じています。
価格比較サイトのデメリット
・価格比較サイトから解体業者に紹介料マージンが10~20%発生している
・一人親方や数人規模の業者が多いため、施工技術にムラがある場合がある
・解体費用は安くなる一方で価格競争になる分、施工管理が煩雑になる場合がある
総合解体業者へ直接発注のメリット
・価格比較サイトへの紹介マージンがかからない分、正しい施工計画を立てられる
・様々な現場を経験した職人による施工で安心した施工ができる
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建物の解体は、ぜひリプロにご相談いただけると幸いです。
みなさまからのお問合せ、お待ちしております!
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工務店様、設計事務所様、不動産会社様、士業様など、お気軽にご連絡いただけますと幸いでございます。
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