老朽化した鉄骨造(S造)の工場の解体費用の見積り公開【見積り費用を項目別に解説】
<解体業者が教える3つのポイント>
・鉄骨造工場の見積もりを大公開
・解体費用の内訳を項目ごとに細かく解説
・解体業者目線で見積もりの根拠をしっかりと解説
老朽化した鉄骨造(S造)の工場の解体の見積公開
実際のお見積り金額は、814万円(税込)となりました。
解体工事のお見積りって、一般の方から見ると何にどれだけお金がかかっているのか、なかなか分かりづらいかもしれません。
工場の解体費用は決して安くはない金額になりますので、今回は、なぜこのような金額になったのか、その根拠をそれぞれ下記に解説していきたいと思います。
実際の施工の流れを紹介したブログは下記になりますので、ご興味ある方はご覧になってください。
老朽化した鉄骨造(S造)の工場解体の流れを実際の施工事例で紹介
草や植栽が生い茂る場合にかかる費用
今回の現場では、数年間工場を閉鎖してからそのままにされていたこともあって、敷地内に植栽や雑草がいくぶんか伸びておりました。
その植栽の撤去と処分にどのくらいの金額がかかっているのかというと、、、
18㎥の植栽の撤去費用で18万円、その撤去した植栽を産廃処理場で処分してもらうのに、234,000円がかかってきました。
合わせて、植栽の撤去費用には、約40万円以上の費用がかかっていました。
弊社のような解体業者でこの植栽を撤去して処分するとなると、一般ゴミではなく産廃処分となるので、どうしても費用が高額になりがちです。
大きな木の切断などには、チェーンソーなど工具が必要になるので、プロの手は借りることになると思いますが、雑草やちょっとした草木などはできるだけご自身で一般ゴミとして処分されると、この費用をある程度浮かすことができます。
もし、費用を気にされる方は、この辺りを工夫されると、比較的安い金額で解体を発注することができるので知っておいてください。
残置物の処分が必要な場合にかかる費用
今回は、ご親族様が工場を経営されていた時に使われていた加工機械・工具などがそのまま置かれておりました。
実は、このような残置物が多くあると、解体費用は高額になりがちなので、ご説明させていただきます。
通常の住宅ですと、出てもタンスやイス、机などで金額にしても10数万円などで収まるケースが多いのですが、工場となると多くの機械に囲まれています。
今回のケースでは、これらの残置物撤去に312,000円と、産廃処分場への運搬処分に468,000円がかかって、総額で78万円の金額を計上しております。
もし、ご自身で一般ゴミや粗大ゴミなどで出せるものは、先に処分されるとその分の撤去費用・処分費用を浮かすことができます。
費用を気にされるお客様は、この辺りも事前に知っておかれると良いかと思います。
躯体が腐食している場合にかかる費用
少し施工側の話になってマニアックな部分なのですが、木造に多いのですが何年間も換気などせずにそのままにされると柱など躯体部分が腐食して、危険な状態になっているケースがあります。
今回は、鉄骨造でしたが、同じく柱の根本部分が腐食していて、躯体解体の際は気をつけないと倒壊する恐れがありました。
その場合、先行撤去でスペースを確保するため、重機で一気に壊すのではなく、小屋や倉庫部分を先に手壊し解体で進めていく必要がございました。
その小屋の先行撤去費用に、243,800円を計上しています。
弊社では、もし解体作業中に躯体が隣地側に崩れるなんてことがあると、大変なことになりますので、安全安心を第一に解体施工を考えています。
このように、現場の現状に合わせて、安全を確保するため必要な処置が内訳明細書に記載されますので、ここの費用はどのような処置で必要なのか、見積もりをする解体業者に確認なさってください。
内訳明細書を見れば、解体業者が解体施工をどのように進めていく予定なのかが、よく分かります。
以上の3点が、老朽化した鉄骨造の工場の解体で注目すべきポイントの特徴かと言えます。
実際の見積りの内訳を解説
それでは、ここからは実際のお見積りの内訳を項目ごとに説明していきます。
準備工事
準備工事には、前述の通り、残置物撤去に312,000円と、産廃処分場への運搬処分に468,000円がかかって、総額78万円を計上しています。
こちらは、建物の解体を始める前に必要になる作業にあたり、今回のケースでは残置物の処分作業が準備工事となっております。
仮設工事
仮設工事とは、建物を解体するために必要な事前作業のことで、建物を覆う養生を行ったり、散水設備の用意、解体に必要な重機を回送したりする費用のことを言います。
今回は、工場の解体なので住宅の解体とは異なり、養生をする総面積は494㎡にもおよび、養生費用だけで889,200円となっています。散水設備10,000円、重機回送費用152,000円を合わせて1,051,200円を計上しています。
建物の解体の前の準備工事と仮設工事だけで約180万円以上もの費用が計上されています。
これらの費用の中で削れるのは、前述の通り、残置物の処分です。
残置物をある程度でもご自身で一般ゴミで処分するなど、工夫されると解体費用の総額も抑えることができます。
解体・撤去工事
続いて、解体・鉄橋工事費用は、総額3,705,601円を計上しています。
この中で注目すべきポイントは、躯体重機解体費用は456,205円で、基礎重機解体費用は2,181,850円を計上しています。
この金額を聞いてどう思われるでしょうか?
準備工事や仮設工事だけで180万円以上かかっているのに、、躯体解体は50万円以下です。
実は、鉄骨造の工場の躯体解体費用って、意外と費用がかからないのです。
それはなぜかと言うと、屋根材と内装材を剥いでしまえば、あとはむき出しの鉄骨が組まれているだけなので、重機のアタッチメントで切っていって、壁倒しをすれば後は鉄骨を産廃ダンプに乗せられる長さにカットするだけ。
鉄骨造の工場の躯体解体は、絶対に近隣に倒れないように解体していく技術がいる作業ではありますが、作業時間自体はあっさりしているものだったりします。
一方で、、基礎はそうはいきません。
土間コンクリートの下には、フーチングという建物を支えるコンクリートのかたまりが12個埋まっていました。
土間を撤去したら、重機を使って地中を掘り返して大量のコンクリートガラを排出して運搬処分することを繰り返していきます。
幸いなことに今回は、杭は埋まっていなかったので杭抜きの費用はかかりませんでしたが、それでも基礎重機解体で200万円以上を計上しています。
また、今回の現場では以前の基礎やコンクリガラなどの地中埋設物も多く出てきてしまい、基礎解体はなかなか難航した現場でした。
この項目の中で削減できるとしたら、植栽の撤去費用になりますので、解体費用の総額を抑えたい場合は、もしお客様で事前に一般ゴミで植栽を処分できるものはある程度でも処分されることをお勧めしています。
解体材運搬・処分
解体材運搬・処分は、1,781,500円を計上しています。
金額で大きいのが、石綿含有建材に540,000円を計上しています。
これは、スレートの外壁材にアスベストレベル3が含有されていると思われるため、アスベストが含有されているとみなして処分させていただきました(アスベスト検体検査に出すと、検査費用も高額になるため、みなしで処分する場合も最近は増えてきました)。
他に金額で大きいのは、コンクリートガラに807,500円を計上しています。
こちらは、基礎解体で大量に発生したコンクリートガラの運搬費用、産廃施設での処分費用になります。
有価物買取
有価物買取とは、鉄骨部分は鉄なので買取を行わせていただき、見積り金額からその分を引かせていただいています。
その金額27万円分をマイナス表記しております。
鉄骨造の工場はどこに解体を依頼すればいいの?
老朽化してしまった鉄骨造の工場解体の注意すべきポイントと、実際の解体の流れは掴めましたでしょうか?
最近は、弊社でも工場の解体のご依頼をいただくことも増えてきています。
工場はこれまでご親族が経営されていたり、思い入れの深い大事な資産ですし、老朽化してしまった工場の解体は、気を遣う部分が通常の解体とは異なるポイントもいくつかございます。
工場を解体するって、意外といろんなことに気を遣って工事をしているのがわかっていただけたかもしれません笑
お見積り時点で、事前に施工計画をしっかり説明してくれる解体業者に発注することをお勧めします。
「建物を壊して更地になってしまえば、どこに頼んでも同じ。」
そんなことはありません。
費用の比較ばかりで解体業者を選ぶと、こんなところで痛い目に合ったりします。
お客様が本当に信頼できる一社を探してみてくださいね。
【解体業者へ直接発注】解体費用を抑えながら高い施工技術を実現します
解体業界では、価格比較サイトがとても増えました。複数業者の相見積もりで価格を比較して、お客様に選んでもらうシステムです。
確かに、業者同士でお見積りを競い合わせれば、お客様のお支払いする解体費用は安くなると思います。
ただ、あまりに行き過ぎた価格競争によって、現在では本来必要とされる正しい施工計画で解体をなされない現場が増えてきている懸念を感じています。
価格比較サイトのデメリット
・価格比較サイトから解体業者に紹介料マージンが10~20%発生している
・一人親方や数人規模の業者が多いため、施工技術にムラがある場合がある
・解体費用は安くなる一方で価格競争になる分、施工管理が煩雑になる場合がある
総合解体業者へ直接発注のメリット
・価格比較サイトへの紹介マージンがかからない分、正しい施工計画を立てられる
・様々な現場を経験した職人による施工で安心した施工ができる
・鉄骨造やRC造の解体に必要な建機を自社保有するためレンタルのマージンをカット
解体業者へ直接発注で紹介料マージンを抑えながら、、、
騒音・粉塵など近隣への配慮が必要な現場
鉄骨造、RC造など専用の建機とアタッチメントが必要な現場
アスベストがあって規則に沿った対応をすべき現場
これらのご相談は特に、総合解体業者であるリプロなら、お客様も納得のいく解体施工をご提供できるかと思います。
老朽化した鉄骨造の工場の解体は、ぜひリプロにご相談いただけると幸いです。
もし、お見積りのご依頼ございましたら、ぜひ弊社までご連絡いただけましたら幸いです!
<パートナー企業・協力会社様募集♪>
リプロでは、現在協業していただけるパートナー企業・協力会社様を募集しております。
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