【解体屋が解説】老朽化した鉄骨造(S造)の工場の解体費用の見積り公開【見積り費用を項目別に解説】

2026/07更新
<解体業者が教える3つのポイント>
・鉄骨造工場の見積もりを大公開
・解体費用の内訳を項目ごとに細かく解説
・解体業者目線で見積もりの根拠をしっかりと解説
老朽化した鉄骨造(S造)の工場の解体の見積公開

実際のお見積り金額は、814万円(税込)となりました。
解体工事のお見積りって、一般の方から見ると何にどれだけお金がかかっているのか、なかなか分かりづらいかもしれません。
工場の解体費用は決して安くはない金額になりますので、今回は、なぜこのような金額になったのか、その根拠をそれぞれ下記に解説していきたいと思います。
実際の施工の流れを紹介したブログは下記になりますので、ご興味ある方はご覧になってください。
老朽化した鉄骨造(S造)の工場解体の流れを実際の施工事例で紹介
草や植栽が生い茂る場合にかかる費用


今回の現場では、数年間工場を閉鎖してからそのままにされていたこともあって、敷地内に植栽や雑草がいくぶんか伸びておりました。
その植栽の撤去と処分にどのくらいの金額がかかっているのかというと、、、
18㎥の植栽の撤去費用で18万円、その撤去した植栽を産廃処理場で処分してもらうのに、234,000円がかかってきました。
合わせて、植栽の撤去費用には、約40万円以上の費用がかかっていました。
弊社のような解体業者でこの植栽を撤去して処分するとなると、一般ゴミではなく産廃処分となるので、どうしても費用が高額になりがちです。
大きな木の切断などには、チェーンソーなど工具が必要になるので、プロの手は借りることになると思いますが、雑草やちょっとした草木などはできるだけご自身で一般ゴミとして処分されると、この費用をある程度浮かすことができます。
もし、費用を気にされる方は、この辺りを工夫されると、比較的安い金額で解体を発注することができるので知っておいてください。
残置物の処分が必要な場合にかかる費用

今回は、ご親族様が工場を経営されていた時に使われていた加工機械・工具などがそのまま置かれておりました。
実は、このような残置物が多くあると、解体費用は高額になりがちなので、ご説明させていただきます。
通常の住宅ですと、出てもタンスやイス、机などで金額にしても10数万円などで収まるケースが多いのですが、工場となると多くの機械に囲まれています。
今回のケースでは、これらの残置物撤去に312,000円と、産廃処分場への運搬処分に468,000円がかかって、総額で78万円の金額を計上しております。
もし、ご自身で一般ゴミや粗大ゴミなどで出せるものは、先に処分されるとその分の撤去費用・処分費用を浮かすことができます。
費用を気にされるお客様は、この辺りも事前に知っておかれると良いかと思います。
躯体が腐食している場合にかかる費用

少し施工側の話になってマニアックな部分なのですが、木造に多いのですが何年間も換気などせずにそのままにされると柱など躯体部分が腐食して、危険な状態になっているケースがあります。
今回は、鉄骨造でしたが、同じく柱の根本部分が腐食していて、躯体解体の際は気をつけないと倒壊する恐れがありました。
その場合、先行撤去でスペースを確保するため、重機で一気に壊すのではなく、小屋や倉庫部分を先に手壊し解体で進めていく必要がございました。
その小屋の先行撤去費用に、243,800円を計上しています。
弊社では、もし解体作業中に躯体が隣地側に崩れるなんてことがあると、大変なことになりますので、安全安心を第一に解体施工を考えています。
このように、現場の現状に合わせて、安全を確保するため必要な処置が内訳明細書に記載されますので、ここの費用はどのような処置で必要なのか、見積もりをする解体業者に確認なさってください。
内訳明細書を見れば、解体業者が解体施工をどのように進めていく予定なのかが、よく分かります。
以上の3点が、老朽化した鉄骨造の工場の解体で注目すべきポイントの特徴かと言えます。
実際の見積りの内訳を解説


それでは、ここからは実際のお見積りの内訳を項目ごとに説明していきます。
準備工事
準備工事には、前述の通り、残置物撤去に312,000円と、産廃処分場への運搬処分に468,000円がかかって、総額78万円を計上しています。
こちらは、建物の解体を始める前に必要になる作業にあたり、今回のケースでは残置物の処分作業が準備工事となっております。
仮設工事
仮設工事とは、建物を解体するために必要な事前作業のことで、建物を覆う養生を行ったり、散水設備の用意、解体に必要な重機を回送したりする費用のことを言います。
今回は、工場の解体なので住宅の解体とは異なり、養生をする総面積は494㎡にもおよび、養生費用だけで889,200円となっています。散水設備10,000円、重機回送費用152,000円を合わせて1,051,200円を計上しています。
建物の解体の前の準備工事と仮設工事だけで約180万円以上もの費用が計上されています。
これらの費用の中で削れるのは、前述の通り、残置物の処分です。
残置物をある程度でもご自身で一般ゴミで処分するなど、工夫されると解体費用の総額も抑えることができます。
解体・撤去工事
続いて、解体・鉄橋工事費用は、総額3,705,601円を計上しています。
この中で注目すべきポイントは、躯体重機解体費用は456,205円で、基礎重機解体費用は2,181,850円を計上しています。
この金額を聞いてどう思われるでしょうか?
準備工事や仮設工事だけで180万円以上かかっているのに、、躯体解体は50万円以下です。
実は、鉄骨造の工場の躯体解体費用って、意外と費用がかからないのです。
それはなぜかと言うと、屋根材と内装材を剥いでしまえば、あとはむき出しの鉄骨が組まれているだけなので、重機のアタッチメントで切っていって、壁倒しをすれば後は鉄骨を産廃ダンプに乗せられる長さにカットするだけ。
鉄骨造の工場の躯体解体は、絶対に近隣に倒れないように解体していく技術がいる作業ではありますが、作業時間自体はあっさりしているものだったりします。
一方で、、基礎はそうはいきません。
土間コンクリートの下には、フーチングという建物を支えるコンクリートのかたまりが12個埋まっていました。
土間を撤去したら、重機を使って地中を掘り返して大量のコンクリートガラを排出して運搬処分することを繰り返していきます。
幸いなことに今回は、杭は埋まっていなかったので杭抜きの費用はかかりませんでしたが、それでも基礎重機解体で200万円以上を計上しています。
また、今回の現場では以前の基礎やコンクリガラなどの地中埋設物も多く出てきてしまい、基礎解体はなかなか難航した現場でした。
この項目の中で削減できるとしたら、植栽の撤去費用になりますので、解体費用の総額を抑えたい場合は、もしお客様で事前に一般ゴミで植栽を処分できるものはある程度でも処分されることをお勧めしています。
解体材運搬・処分
解体材運搬・処分は、1,781,500円を計上しています。
金額で大きいのが、石綿含有建材に540,000円を計上しています。
これは、スレートの外壁材にアスベストレベル3が含有されていると思われるため、アスベストが含有されているとみなして処分させていただきました(アスベスト検体検査に出すと、検査費用も高額になるため、みなしで処分する場合も最近は増えてきました)。
他に金額で大きいのは、コンクリートガラに807,500円を計上しています。
こちらは、基礎解体で大量に発生したコンクリートガラの運搬費用、産廃施設での処分費用になります。
有価物買取
有価物買取とは、鉄骨部分は鉄なので買取を行わせていただき、見積り金額からその分を引かせていただいています。
その金額27万円分をマイナス表記しております。
見積り内訳の一覧表(今回の総額814万円)
章2でご説明した内訳を、一覧表にまとめました。基礎の解体費用が最も大きい点にご注目ください。
| 区分 | 項目 | 金額(税抜・参考) |
|---|---|---|
| 準備工事 | 残置物の撤去 | 312,000円 |
| 準備工事 | 残置物の運搬・処分 | 468,000円 |
| 仮設工事 | 養生(494㎡)の設置・ばらし | 889,200円 |
| 仮設工事 | 散水設備 | 10,000円 |
| 仮設工事 | 重機の回送 | 152,000円 |
| 解体・撤去工事 | 躯体(鉄骨)の重機解体 | 456,205円 |
| 解体・撤去工事 | 基礎の重機解体 | 2,181,850円 |
| 解体・撤去工事 | 小屋の先行手壊し撤去・植栽撤去ほか | 約1,067,546円 |
| 解体材運搬・処分 | 石綿含有建材(みなし処分) | 540,000円 |
| 解体材運搬・処分 | コンクリートガラ | 807,500円 |
| 解体材運搬・処分 | その他(木くず・混合廃棄物など) | 約434,000円 |
| 有価物買取 | 鉄スクラップ | −270,000円 |
| 工事総額(税込) | 8,140,000円 |
※上記は主要項目の参考値(税抜)です。現場諸経費・端数・消費税を含む総額が814万円(税込)です。
最も大きいのは、基礎の解体218万円です。鉄骨躯体の解体46万円の約4.7倍にあたります。次いで養生89万円、残置物78万円、コンクリートガラの処分80万円と続きます。次の章で、なぜ基礎の解体がこれほど大きくなるのかを解説します。
なぜ躯体より「基礎」の解体が高い?S造工場の費用構造
この見積りで最も意外なのが、鉄骨躯体の解体(46万円)よりも、基礎の解体(218万円)のほうがはるかに高いという点です。理由は、構造の違いにあります。
鉄骨躯体の解体が抑えられる理由
屋根材と内装材を剥がしてしまえば、あとはむき出しの鉄骨が組まれているだけです。重機のアタッチメントで切っていき、壁倒しをして、鉄骨をダンプに載る長さにカットするだけ。もちろん、近隣に絶対に倒さない技術は必要ですが、作業自体は短時間で終わります。だからこそ、鉄骨造の工場の躯体解体は、規模のわりに費用が抑えられるのです。
基礎の解体に費用がかかる理由
一方、基礎はそうはいきません。土間コンクリートの下には、建物を支える「フーチング」というコンクリートの塊が埋まっています(今回は12個)。これを重機で地中から掘り返し、大量に発生するコンクリートガラを運搬・処分していきます。この繰り返しに、手間と時間がかかります。
さらに費用を左右するのが、地中埋設物です。今回は、以前の建物の基礎やコンクリートガラが地中から出てきて、基礎解体は難航しました。こうした地中障害物は、掘ってみないと分からないことが多く、追加費用の要因になります。
なお、今回は杭が埋まっていなかったため杭抜きの費用はかかりませんでしたが、杭がある場合はさらに費用が上がります。工場や倉庫の解体をご検討の際は、この「基礎と地中」に費用がかかることを、あらかじめ知っておいていただくと安心です。
アスベスト(石綿含有建材)の処分費用
工場・倉庫の解体で必ず確認したいのが、**アスベスト(石綿)**です。今回は、スレートの外壁材に石綿含有建材(レベル3)が含まれるものとみなし、処分費として54万円を計上しました。
アスベストのレベルと費用
アスベストは、飛散するリスクの高い順に、レベル1(吹付け材)・レベル2(保温材など)・レベル3(成形板)に分かれます。工場のスレート屋根・外壁は、レベル3にあたることが多い建材です。レベルが上がるほど、除去の手間と費用は大きくなります。
「みなし処分」という選択肢
アスベストの有無は検体検査で確認できますが、検査費用も高額になります。そのため、含有の可能性が高い建材については、検査をせずに「含有しているとみなして」適正に処分する方法(みなし処分)を選ぶこともあります。今回もこの方法をとりました。
なお、2023年10月以降、一定規模の解体では、有資格者による事前調査が原則として義務化されています。アスベストへの対応は、法令に沿って進められる総合解体業者にご確認ください。
鉄骨造工場の解体費用の相場の目安
解体費用は、建物の構造によって坪単価の目安が変わります(あくまで一般的な参考値です)。
| 構造 | 坪単価の目安 |
|---|---|
| 木造 | 坪 3〜5万円 |
| 鉄骨造(S造) | 坪 4〜6万円 |
| 鉄筋コンクリート造(RC造) | 坪 6〜8万円 |
※躯体構造の解体にかかる費用になり、付帯物の撤去などは除く。
ただし工場・倉庫は、基礎の規模・地中埋設物・アスベスト・残置物・植栽といった付帯要素で総額が大きく変わるため、坪単価だけでは測れません。今回のように基礎やアスベストの費用が大きい現場では、坪単価の目安を上回ることもあります。正確な費用は、現地調査のうえでお見積もりします。
解体費用を抑える3つのポイント
今回の内訳から、工場の解体費用を抑えるためにできることが見えてきます。
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植栽・雑草を事前に処分する 解体業者が処分すると産廃扱いになり、費用が高くなりがちです。雑草やちょっとした草木はご自身で一般ゴミとして処分し、大きな木の切断だけをプロに任せると、その分の費用を抑えられます。
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残置物(機械・工具)を事前に整理する 工場は多くの機械に囲まれているため、残置物が高額になりがちです。まだ使える機械は売却やリユースに回し、一般ゴミ・粗大ゴミで出せるものは先に処分しておくと、撤去・処分費を抑えられます。
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有価物の買取・分別に強い総合解体業者に直接依頼する 鉄骨や機械は有価物として買い取れる場合があります。分別・積み込みの体制がある業者ほど差し引ける金額が大きくなり、価格比較サイト経由の紹介マージンや建機レンタルのマージンもかかりません。
よくある質問(FAQ)
Q. 鉄骨造(S造)工場の解体費用の相場はどれくらいですか?
A. 坪4〜6万円が一般的な目安ですが、基礎・アスベスト・残置物などの付帯費用で大きく変わります。今回は総額814万円でした。
Q. 工場の解体で一番費用がかかるのはどこですか?
A. 意外にも、基礎の解体と地中埋設物の処分です。今回は基礎解体が218万円と、鉄骨躯体の解体(46万円)を大きく上回りました。
Q. アスベストがあると費用はどれくらい上がりますか?
A. レベルと面積によります。今回はスレート外壁のみなし処分で54万円を計上しました。事前調査は法令で原則として義務化されています。
Q. みなし処分とは何ですか?
A. アスベストの検体検査をせず、含有しているものとみなして適正に処分する方法です。検査費用を省ける場合がある一方、処分費は含有前提で計上されます。
Q. 植栽や残置物は自分で処分したほうがよいですか?
A. 費用を抑えられます。解体業者が処分すると産廃扱いで高額になりがちです。今回は植栽が約40万円、残置物が78万円かかりました。一般ゴミで出せるものは事前の処分をおすすめします。
Q. 鉄骨は買い取ってもらえますか?
A. 有価物として買取が可能で、今回は27万円を総額から差し引いています。分別・積み込みの体制がある総合解体業者ほど、差し引ける金額に差が出ます。
Q. 地中埋設物が出てきたら追加費用になりますか?
A. なることがあります。以前の建物の基礎やコンクリートガラ、杭などは掘ってみないと分からないため、見積り時点では想定しきれない場合があります。事前の現地調査と、地中埋設物が出た場合の対応方針を、あらかじめ確認しておくと安心です。
鉄骨造の工場はどこに解体を依頼すればいいの?
老朽化してしまった鉄骨造の工場解体の注意すべきポイントと、実際の解体の流れは掴めましたでしょうか?
最近は、弊社でも工場の解体のご依頼をいただくことも増えてきています。
工場はこれまでご親族が経営されていたり、思い入れの深い大事な資産ですし、老朽化してしまった工場の解体は、気を遣う部分が通常の解体とは異なるポイントもいくつかございます。
工場を解体するって、意外といろんなことに気を遣って工事をしているのがわかっていただけたかもしれません笑
お見積り時点で、事前に施工計画をしっかり説明してくれる解体業者に発注することをお勧めします。
「建物を壊して更地になってしまえば、どこに頼んでも同じ。」
そんなことはありません。
費用の比較ばかりで解体業者を選ぶと、こんなところで痛い目に合ったりします。
お客様が本当に信頼できる一社を探してみてくださいね。
【解体業者へ直接発注】解体費用を抑えながら高い施工技術を実現します
解体業界では、価格比較サイトがとても増えました。複数業者の相見積もりで価格を比較して、お客様に選んでもらうシステムです。
確かに、業者同士でお見積りを競い合わせれば、お客様のお支払いする解体費用は安くなると思います。
ただ、あまりに行き過ぎた価格競争によって、現在では本来必要とされる正しい施工計画で解体をなされない現場が増えてきている懸念を感じています。
価格比較サイトのデメリット
・価格比較サイトから解体業者に紹介料マージンが10~20%発生している
・一人親方や数人規模の業者が多いため、施工技術にムラがある場合がある
・解体費用は安くなる一方で価格競争になる分、施工管理が煩雑になる場合がある
総合解体業者へ直接発注のメリット
・価格比較サイトへの紹介マージンがかからない分、正しい施工計画を立てられる
・様々な現場を経験した職人による施工で安心した施工ができる
・鉄骨造やRC造の解体に必要な建機を自社保有するためレンタルのマージンをカット
解体業者へ直接発注で紹介料マージンを抑えながら、、、
騒音・粉塵など近隣への配慮が必要な現場
鉄骨造、RC造など専用の建機とアタッチメントが必要な現場
アスベストがあって規則に沿った対応をすべき現場
これらのご相談は特に、総合解体業者であるリプロなら、お客様も納得のいく解体施工をご提供できるかと思います。
老朽化した鉄骨造の工場の解体は、ぜひリプロにご相談いただけると幸いです。
もし、お見積りのご依頼ございましたら、ぜひ弊社までご連絡いただけましたら幸いです!
<パートナー企業・協力会社様募集♪>
リプロでは、現在協業していただけるパートナー企業・協力会社様を募集しております。
工務店様、設計事務所様、不動産会社様、士業様など、お気軽にご連絡いただけますと幸いでございます。
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